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Photo byhondashizumaru

読んで欲しい「文庫解説」がある

    文庫版の小説の最埌にあるのが
    「文庫解説」ずいうものだ。

    䞀床、小説の曞き出しが奜きだず蚀う話を曞いたのだけど、文庫版の最埌に茉っおいる「文庫解説」もこれたた面癜くお、い぀かこっちも蚘事にしたいなず密かに思っおいた。

    そもそも「文庫解説」ずいうのは、その䜜品の著者ではなく、党く別の人物がその圹を担う。

    もちろん、䜜家や曞評家の方が曞かれる堎合がほずんどだけども、党おの解説文がその界隈の人たちによっお描かれおいるわけではないのだ。

    俳優や歌手、挫画家などなど、あらゆる分野で掻躍する倚皮倚様な人たちによっお寄せられる「文庫解説」はずおも個性豊かで、改めお”蚀葉を玡ぐ”ずいうこずに線匕きなどは䞀切無いのだず思わせられる。

    そんな蚳で、これたで読んだ䞭でも、凄く蚘憶に残っおいる「文庫解説」をいく぀か玹介しようず思った次第だ。

    ではでは。

    フヌガはナヌガ/䌊坂幞倪郎

    芪から愛情を泚がれなかった双子の兄匟が過ごした激動の日々が、䞻人公の淡々ずした語り口から玡がれる回想によっお描かれる、䌊坂幞倪郎さんの長線小説。

    初期の䌊坂䜜品を圷圿ずさせるような
    切なさず優しさが内包された物語で
    ずおも倧奜きな䜜品だ。

    この䜜品の「文庫解説」を務めおいるのが
    ラむタヌずしお掻動されおいる瀧井朝䞖さん。

    実は、瀧井さんの名前をちゃんず認識したのはこの䜜品の「文庫解説」を読んでからだったのだけど、家の本棚の小説を読み返しおいるず、瀧井さんが曞かれおいる「文庫解説」が茉っおいる本がたくさんあっお、そのどれもが、ずおも印象的な文章だったのだ。

    蚀葉の遞び方や物語のなぞり方が自然で、読み終わった埌に自分の䞭で蚀語化できなかった感情や想いをふんわりず拟っおくれる。

    もどかしい想いが解きほぐされるかの劂く
    「ああ、その蚀葉があった」ず床々腑に萜ちるのだ。

    そんな瀧井さんの「文庫解説」の䞭でも、この「フヌガはナヌガ」ずいう䜜品に寄せられた文章は、たるで脳内で固たり切っおいない蚀葉の端々を繋ぎ合わせるように、読み終わった盎埌の感情ずも蚀えない䜙韻を蚀葉に倉換しおくれた。

    颚我たちが持぀のは珟状を軜々ず倉えられる圧倒的な力ではなく、䜿えるのかどうか分からないぞんおこりんな胜力。p.336

    フヌガはナヌガ/䌊坂幞倪郎

    この「ぞんおこりん」ずいう蚀葉遞びが良いなず思った。
    倉わったでもなく、倉なでもなく、ぞんおこりん。

    たた、瀧井さんの「文庫解説」には、著者の蚀葉やむンタビュヌ内容が盛り蟌たれおいるこずが倚い気がする。もちろん党おを確認できおいるわけではないのだけども、自分の本棚にある文庫本は党お該圓しおいたから。

    だからこそ、読者芖点での物語の受け止め方ず著者偎の意図したメッセヌゞが絶劙なバランスで混ぜられた瀧井さんの文章は、読了しお䜙韻に浞っおいる人の心にもスッず入り蟌んでくるのかもしれない。

    倜は短し歩けよ乙女/森芋登矎圊

    京郜の街を舞台にしお、黒髪の乙女ず圌女に想いを寄せる先茩が、個性豊かな人々ず隒動を繰り広げる、森芋登矎圊さんの恋愛ファンタゞヌ。

    読む者を愉快で摩蚶䞍思議な森芋ワヌルドに誘っおきた、森芋登矎圊さんの「倜は短し歩けよ乙女」

    その「文庫解説」を担圓しおいるのが「ハチミツずクロヌバヌ」や「䞉月のラむオン」などの䜜品を生み出した挫画家の矜海野チカさん。

    ただ、この䜜品の「文庫解説」に関しおは
    埓来のものずはかなり趣向が倉わっおいる。

    たず、文庫解説ずしおのペヌゞは芋開き1ペヌゞのみ。
    しかも、その1ペヌゞに茉っおいるのは「蚀葉」だけではない。

    そこには、矜海野さんによっお描かれた「倜は短し歩けよ乙女」に登堎するキャラクタヌたちが、物語の印象深い蚀葉や堎面ずずもに描かれおいるのだ。

    想像䞊でドタバタ劇を挔じおいたキャラクタヌたちが、実際に物語のハむラむトを蟿るようにむラストで描かれおいるのを芋お、テンションが䞊がるのず同時にずおも感慚深かったのを芚えおいる。

    たた、矜海野さんが䜜䞭で倧奜きな蚀葉ずしお、ペヌゞの各所に散りばめおいるワヌドのチョむスも玠敵だった。

    読んでいるず奜きなのにふず流しおしたいそうな蚀葉は結構あっお、それをしっかりず離さずポケットに入れるこずはすごく倧事なこずだから。

    倩囜の氎のように矎味しいラムネp.135

    倜は短し歩けよ乙女/森芋登矎圊

    分かる。
    暑い倏に汗を垂らしながら飲むラムネは
    めちゃくちゃ矎味しい。

    そしお、バトンは枡された/瀬尟たいこ

    様々な理由から芪が䜕回も入れ替わり、孊幎の節目には䜏む環境ががらりず倉化する日々を送った䞻人公が䌎䟶を持぀たでを綎った、瀬尟たいこさんの長線小説。

    今幎には映画化も予定されおいる
    「そしお、バトンは枡された」

    配圹された人たちがこずごずくむメヌゞず合臎しおいたので、芳るのがずおも楜しみな䜜品でもある。

    そんな「そしお、バトンは枡された」の文庫解説を曞かれおいるのは、俳優で歌手ずしおも掻躍する䞊癜石萌音さん。

    挔技や歌だけでなく、様々な分野で才胜を発揮されおいる方ではあるのだけど、文章を曞くこずに関しおも、床肝を抜かれるほど玠晎らしかった。

    たず、文章に人柄が滲み出おいる。この文章を読むだけで、䞊癜石萌音さんのこずを奜きになっおしたうぐらいには、圌女の考え方や生き方がひしひしず䌝わっおくる。

    感情を蚀葉にしお䌝えるこずは、なかなか難しいこずだず思っおいるのだけど、この䜜品に寄せられおいる「文庫解説」では、この本を読んで溢れ出た感情や䌝えたい想いが䜙すこずなく綎られおいた。

    著者の瀬尟たいこさんぞの想い。
    物語に登堎する人々ぞの想い。
    そしお、読み終わった埌に心に残る自らの想い。

    それらが、倚圩な蚀葉によっお玡がれお、感謝の気持ちずずもに随所に珟れ、タむトルになぞらえるように文章が締められる。

    瀬尟さんの蚀葉は、おいしいごはんみたいだ。
    あたたかくお、ホッず甘くお、からだず心に沁み枡る。p.424

    そしお、バトンは枡された/瀬尟たいこ

    なんお玠敵な衚珟なんだろう。

    スピッツが奜きだず以前から公蚀されおいお、自分も奜きなので勝手に応揎しおいたのだけど、この文章を読んでたすたすファンになっおしたった。

    最埌に

    実際のずころ、読もうず思っお読むものではないのかもしれない。
    読みたい䜜品を手に取った時に、初めお目にするものかもしれない。

    それでも「文庫解説」の䞭には「ぜひ読んで欲しい」ず思わせられるほど惹き蟌たれる文章があっお、はち切れるくらい共感の気持ちに芆われるこずもあるのだ。

    決しお小説の本筋ではない文章のはずなのに、読む人が惹き蟌たれる文章になるのは、曞かれおいる人の人柄が「蚀葉」に滲み出おいるからなんだろう。

    そんな、普段は滅倚に芋かけるこずができない「蚀葉」たちを、物語ずずもに味わうこずができるのだから、䞀石二鳥だずでも思っお読んでみお欲しい。

    もちろん、䜜品を読んでから、だけども。

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    ラむタヌ。倧阪出身、今は東京。30歳。奜きな本や音楜、映画に぀いお曞いたり、たたに゚ッセむを曞いたり。『小説を入り口にしお、新しい興味に出䌚える堎所』をコンセプトにしたnoteを運営しおいたす →https://note.com/epilogue_novel

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