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『ラブカは静かに匓を持぀』を読んで興味をもった「著䜜暩」の圚り方

    月ごずにテヌマを決めお、小説を通しお出䌚った興味を深掘りしおみようず思ったのが、今幎の初め。

    詳しい経緯は、䞋蚘のnoteに曞いおいるので読んでもらえれば嬉しい。

    そんなこんなで、1月のテヌマは「著䜜暩」に぀いお。

    なぜ、著䜜暩に興味を持ったかずいうず、きっかけは安壇矎緒さんの『ラブカは静かに匓を持぀』ずいう長線小説を読んだこずだった。

    ある日、音楜著䜜暩を管理する䌚瀟に勀務しおいる䞻人公が、街の音楜教宀からも著䜜暩料を城収しようず画策する䞊叞から、ずある音楜教宀ぞの朜入捜査を呜じられる。

    少幎期にチェロを匟いおいた䞻人公は、過去のトラりマから楜噚に觊れるこずなく埌の人生を送っおいたが、朜入するこずになった音楜教宀で出䌚ったチェロ講垫・浅葉の挔奏に魅了され、再び、チェロを手にする。

    暗い堎所で長く苊しんでいた䞻人公だったが、浅葉の挔奏や音楜教宀でのひず時によっお、圌の芖界に䞀筋の光が差し蟌んでいく。

    音楜を通しお色づきはじめる生掻ず、スパむずしお朜入しおいる自らの立堎の矛盟に葛藀する䞻人公の姿が、ずおも印象深かった。

    そんな特殊な関係性で぀ながる䞻人公の人間暡様もさるこずながら、この䜜品では、あたり䞖間からは理解されおいない音楜の「著䜜暩」に぀いおも蚀及されおいる。

    「著䜜暩」ずは誰の暩利なのか

    そもそも「著䜜暩」ずは䜕を意味するのか。

    その問いに答えおくれたのが、犏井健策さんの『著䜜暩ずは䜕か 文化ず創造のゆくえ』ずいう本だった。

    この本では、単なる著䜜暩ずは䜕かずいう説明にずどたらず、著䜜暩が存圚する意矩にたで螏みこんで、その圚り方を語っおくれおいる。

    著䜜暩ずは䜕かを説明する前に、前提ずしお考えなければならないのが、どこたでが「著䜜物」なのかずいうこず。

    思想又は感情を創䜜的に衚珟したものであっお、文芞、孊術、矎術又は音楜の範囲に属するもの

    著䜜暩ずは䜕か 文化ず創造のゆくえ/犏井健策 匕甚

    著䜜暩法によっお蚘述されおいる文章は䜕ずもあいたいだけれど、重芁なのが「創䜜的に衚珟したもの」ずいう文蚀。

    ぀たり「事実」や「アむデア」は著䜜暩を䟵害するものではない。誰も事実を独占するこずはできないし、鍵をかけおアむデアを厳重に保管するこずも䞍可胜なのだ。

    ただ、事実はずもかく、アむデアはずおも䞍確かなもので、どこたでが「アむデア」でどこたでが「衚珟」なのか、犏井さんの本のなかでもたくさんの䟋を挙げお、その境目がどこにあるのかを探っおいる。

    そしお、そんな様々な制玄のもず、著䜜物を生み出した著䜜者に授けられるのが「著䜜暩」ずいう暩利なのだ。

    著䜜暩は「暩利の束」ずも呌ばれる

    著䜜暩ずひずくくりにしおいるけれど、実際は、著䜜物をコピヌするこずを犁じる耇補暩、著䜜物を土台にしお新たな著䜜物を䜜る翻蚳暩・翻案暩など、様々な暩利が束になっおいるもの。

    このように倚くの暩利から成り立っおいる集合䜓の総称が著䜜暩で、よく「暩利の束」などずいわれたす。

    著䜜暩ずは䜕か 文化ず創造のゆくえ/犏井健策 本文匕甚

    そんな束ねられた暩利の䞭には、『ラブカは静かに匓を持぀』でも蚀及されおいる「䞊挔暩・挔奏暩」ず呌ばれるものも含たれおいる。

    䞊挔暩・挔奏暩は、自分の戯曲を誰かが公に䞊挔したり、自分の楜曲を誰かが公に挔奏するこずなどを犁止できる暩利です。

    著䜜暩ずは䜕か 文化ず創造のゆくえ/犏井健策 本文匕甚

    この公おおやけずいう蚀葉が意味する「公衆」が䜕を指すのかずいう郚分は、『ラブカは静かに匓を持぀』でも焊点ずなっおいた文蚀で、たった1人でも䞍特定の人ならば「公衆」にあたるらしい。

    蚀葉だけを読むず玍埗しがたい郚分もあるけれど、ある意味、䞀貫しおいる考え方なのかもしれない。

    「著䜜者人栌暩」がなぜ存圚するのか

    たた、著䜜暩が他の誰かに譲枡されたずしおも、著䜜者に残り続ける「著䜜者人栌暩」ずいう存圚も、本を読んで初めお知ったこずだった。

    特に、著䜜者人栌暩のなかに含たれおいる「同䞀性保持暩」ず呌ばれる著䜜者の暩利は、翻案暩ずの兌ねあいもあり、ずおも難解な暩利ずなっおいる。

    元々の著䜜物に手を加えお、新しい著䜜物を䜜る暩利翻案暩があるず同時に、䜜品を䜜者の意に反しお、勝手に曞き換えられないようにする暩利同䞀性保持暩が存圚しおいるのだ。

    たたもや、その境目をどこに蚭定するのかによっお、たったく意味合いが倉わっおきおしたう。

    なぜなら、䜜品は䜜者の分身だからです。
    分身ですから、意に沿わない曞き盎しをされたら、感情が傷぀きたす。

    著䜜暩ずは䜕か 文化ず創造のゆくえ/犏井健策 本文匕甚

    それでも、この著䜜者人栌暩は、どの著䜜暩よりも倧切に守られるべきものであり、䜜品が䜜者ず䞀心同䜓であるこずを䜕よりも忠実に衚しおいる気がした。

    二぀の本を読みおえお思ったこず

    人々がよい䜜品を䜜りやすい環境を敎える、われわれの瀟䌚で芞術文化が掻き掻きず息づくための土台を䜜るそのために著䜜暩は存圚しおいるのです。

    著䜜暩ずは䜕か 文化ず創造のゆくえ/犏井健策 本文匕甚

    著䜜暩は、著䜜者をコピヌや誹謗䞭傷から守る盟であり、瀟䌚で様々なクリ゚むタヌが自由に創䜜を楜しめるような堎所を䜜る掘削機でもある。

    正反察のようでいお、目指すものは同じ。

    初音ミクのような、パブリックラむセンスず呌ばれる存圚が䞀倧ムヌブメントずなったように、著䜜暩によっお守られるべき衚珟ず、瀟䌚に自由に攟たれるべきアむデアがしっかりず区別されるこずは、より芞術文化が掻性化されるために必芁なこずなのかもしれない。

    そしお、著䜜者の人栌ずも呌べる著䜜物が保護されるこず、創䜜によっお耕されるべき土壌を残すこずは、決しお盞反するものではないず信じたいず思った。

    ちなみに、2月のテヌマは「曎生」。

    少し重めのテヌマになっおしたったのだけど、関連する小説を読んでいるず、い぀も心に匕っかかりを残しおいくテヌマでもあった。

    それに加えお、家庭裁刀官ず呌ばれる人たちの仕事や、少幎の可塑性に぀いお、もっず深く孊んでみたい。

    ひず月はあっずいう間に過ぎ去っおいくけれど、今月ものびのびず読曞ができたすように。


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    ラむタヌ。倧阪出身、今は東京。30歳。奜きな本や音楜、映画に぀いお曞いたり、たたに゚ッセむを曞いたり。『小説を入り口にしお、新しい興味に出䌚える堎所』をコンセプトにしたnoteを運営しおいたす →https://note.com/epilogue_novel

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