
私の居場所は写らない
太陽系第三惑星 ”地球” の
とある国 ”日本” の首都 ”東京” に
紫陽花は咲いていた
その日は五月晴れで
風にそよぐ木々の隙間から
一輪の紫陽花に光が射した
太陽系第三惑星 ”地球” の
とある国 ”日本” の首都 ”東京” に
私は住んでいた
風にそよぐ木々の隙間から
一輪の紫陽花に光が射した瞬間
私はファインダーを覗いて、シャッターを切った
主役は光に照らされた一輪
その周りを囲むのは、主役を引き立たせる名脇役
一輪一輪の美しさだけではなく
そこに光が射すかどうか
そんな無作為で、運命は簡単に変わる
これは紫陽花に限った話ではない
先に光が射した
たったそれだけで、主役になれた人がいる
私の番は来ていない
来ないまま終わるかもしれない
それならいっそ、誰かが光に照らされている瞬間を残したい
そんな思いでカメラを始めた
「逃げた」と言われても
否定はしない
今日もまた
この世界の片隅で
ファインダーを覗いてシャッターを切る
写真には決して写らない、シャッターの裏側
今ではここが、私の居場所
