
『薬屋のひとりごと』に学ぶ⑫|曼荼羅華(マンダラゲ)—偽りの魅力と毒—
【薬師のことのは|くすりばこ🍃】
曼荼羅華(マンダラゲ)はアサガオに似ている?薬?毒?
曼荼羅華(マンダラゲ)は別名、
『チョウセンアサガオ』と言われることがあります。花は白くてロート状です。
江戸時代の末の医師である、
華岡青洲(はなおかせいしゅう)は、
この曼荼羅華を使って、全身麻酔薬である、
「通仙散(つうせんさん)」を作りました。
このように、この植物に含まれる成分は、鎮痛薬や麻酔薬として大変重要ですが、
中毒症状としては、嘔吐、下痢、神経麻痺などがあります。*1
2014年:
ゴボウに紛れ込んでいた、マンダラゲの根を一緒に調理した
→めまい、幻覚などの中毒症状の報告
2007年:
果実をオクラと間違えて調理した
→意識障害、幻覚などの中毒症状報告
2006年:
チョウセンアサガオにナスを接ぎ木し、果実を収穫
→ふらつき、言語障害、意識混濁などの中毒症状の報告
このように、日本でも中毒症状について、いくつか報告が上がっています。 *1
これは、アトロピン系アルカロイドというものによる中毒で、その中毒症状から回復すると、
中毒の直前や、中毒中の記憶が飛んでいることもあるそうです。 *2
曼荼羅華の花言葉
この曼荼羅華の花言葉には、
『変装』『陶酔(とうすい)』『愛嬌』などがありますが、『偽りの魅力』というものもあります。
作中の”謎めかしいしたたかな魅力”が、曼荼羅華(マンダラゲ)の美しさと、『偽りの魅力』という花言葉に重なるように感じます。
前回の記事はこちら↓
*1 磯田進. 薬草・毒草を見分ける図鑑. 誠文堂新光社; 2016.
*2 船山信次. 禁断の植物園. 山と溪谷社; 2022.