
梅雨入りと台風と嵐が去ったあとのこと。
義父の通院に付き添って、診察の予約時間を1時間近く過ぎた頃、待合でかかっていたテレビから香川県がたった今、梅雨入りしたと知った。
平年より3日早く昨年より16日遅い梅雨入りらしい。
夜には台風6号が接近する。
診察が終わって、お昼ご飯を義理両親にごちそうになって、買い物して家に着く頃には、雨も風も強まって台風接近の気配を見せていた。
お米の苗を庭に広げているので、どうするか?というのを前の日の夜から話していて、苗は大きくなっているし、病院から帰ってきた頃には台風は太平洋側にそれてきていたから、外に出したままでも大丈夫な気もしたけど、夜中に心配するより、無駄な努力だとしても中に避難させた方がいい
という結論に至って、夕方、雨の中、家の土間に苗を運んだ。
おかげで、夜は安心して眠れたが、あまりの凄まじい音で3時過ぎに目が覚めた。
これまでの台風の音とは違う音だった。
朝起きると、雨も止んですっかり静かになっていた。
ダンナサンは田んぼの様子を見に行き、私も何か飛んだりしていないか、外を見回りに。
ご近所も田んぼを見に行く人、水路の掃除をする人がいて、淡々と仕事をこなす景色から平穏な日常を感じた。
一旦家に戻って、土間を通り抜け、裏口から出て
裏庭に出ると、目の前の景色に思わず「えっ」と声を出した。
庭の大きな木が倒れていたのだ。
一見、木が倒れているとはわかりにくいけど、背の高いあの木がない。

こんもりしてるのは横たわった木の
てっぺんから見てることになる。
手前のブロックのようなのは
物干し台を台風に備えて
倒してあったもの。
裏門へ出る通り道が木でふさがれているので、反対側からまわってみる。

嘘でしょ
とまた思わず声に出る。
根から倒れ、大きくできた穴が水溜まりになって、裏口までの通り道に敷いてあった石も周りの土も隆起していた。
ダンナサンを呼んで改めてじっくり見る。
我が家のシンボルツリーのひとつだった木が倒れている姿はショックだ。
でもまぁ、
道路に倒れて迷惑をかけることもなく、木のそばにあった電線に引っかかることもなく、すぐ近くにある物置き小屋に倒れかかることもなく、奇跡的に最も危険のない、最も被害の少ない方へ倒れてくれていた。
それはほんとに良かった。
良かったけど…これどうすればいいの⁈とため息が出る。
とにかく、できることをやるしかない!
と、倒れた大木の枝をダンナサンがノコギリで切り落としている間、私は土間に避難させていた苗たちを庭に運び、土間に敷いていたブルーシートを洗う。
気づいたら、倒れていたはずの木が立っていた。

枝を切り落としていたら、頭より根っこが重くなって、勝手に起き上がったのだとか。
そんなことあるの⁈
起き上がり小法師みたい。
だるまもそうか。
なんか、縁起良くない⁈
でも、切り落とせていない枝が残っているし、今度は電線の方へ倒れるかも。
と、危ないので脚立に乗って枝を落とした。

倒れた木の下敷きになっていたローズマリーは植え直したのでなんとか助かるんじゃないかと思う。
お昼過ぎまで作業して、午後は休憩し、夕方作業再開。
犬の散歩で通りかかったご近所さんが、仕事から帰ってきた旦那さんに言ってくれたらしく、チェーンソー持って切りに来てくれた!
何日かかるかという作業をあっという間にやってくれて、ありがたすぎる。
ほんとに助かった。

右手前のは何年も前に傷んで切ったもの。

これ、椅子にできるんじゃない⁈
というちょうどいい高さに。
庭の椅子にしようかな♪
倒れた木は、いつもうぐいすが姿を見せずに木の中で鳴いていたり、鳥たちの憩いの場所だったから、なくなってしまったことは寂しいけど、植える場所に困っていた鉢植えのままのオリーブの木をここに植えようということになった。

何の木かわからないけど
ヒノキの種類だと思う
命あるものはいつかは消え、また新たなはじまりを迎える。
倒れた木は、裏門からの目隠しにもなっていた木なので、なくなるとなんだか落ち着かないけど、ちょうど台所のガラス扉の前に八朔の木を育てていて、それが目隠しになってくれるだろうし、オリーブの木が育っていくのも楽しみにしよう。
台風で倒れて朝起こして植え直した黄色い薔薇が、夕方きれいに花を咲かせていた。
自然の命って逞しい。

これからまだまだ片付けは大変だけど、木が倒れただけで済んで、ご近所の親切に助けられ、色んな意味で良かったと心から思う。