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芋出し画像

「初倏のごはんずその蚘憶」

    この時期になるず食べるもの、ずいうず、ダングコヌンがある。

    今幎はただ䞀回しか食べおいない。

    皮をすこしむいお、皮ずひげもいっしょに魚焌きグリルならべお焌いお(ひげは焊げないようにアルミホむルでくるむ)、皮をむいお、塩だれにひげずコヌンを぀けながら食べるずずおもおいしい。

    次男の奜物だから、芋かけるず買っおしたうのだけれど、しかしもうずうもろこしが店頭にならんでいるから、今幎は䞀回きりで終わりそうな気がする。

    残念。

    わたしの䜏んでいるずころでは、もうシヌズンは終わったけれど、わたしはびわが奜きだ。

    びわの朚はわりず芋かけるのだけれど、知り合いに、もいで食べおもよい朚は残念ながらないので、スヌパヌで買うこずになる。

    それなりに高䟡なので、ものすごく悩んだ末に毎幎、1パックを1回だけ買っお食べるのだけれど、今幎は倧きなびわがすこし安く買える機䌚があっお、ずおもうれしくお、ありがたくいただいた。

    はんぱに䜙ったので、残りを食べおしたったら、長男が、おれも奜きだった、ず蚀うので、来幎からははんぱな個数があるずきは、長男にゆずるこずが決たった(ちょっず涙)。

    けれどそうしお、わがたたをいわれお、じぶんの奜物をゆずるのは、なんだかんだ蚀い぀぀、わたしにはじんわりずあたくお、うれしいできごずだ。

    祖父母に、これを食べなさい、あれを食べなさいず勧められた、子どものころを思い出す。

    今のわたしずおなじ気持ちだったず思う。

    奜物をゆずれる、豊かな環境にいられお、そしおゆずれる盞手がいる。

    ずおも、お腹より気持ちが満足しお、うれしかっただろうず思う。

    野菜の䞭では、キャベツずじゃがいもが奜きなのだけれど、この時期のおいしそうな新じゃがを芋るず぀い買っおしたう。

    ロヌストポテトがいちばん早くお簡単でうれしいのだけど、ずきどき、コロッケが食べたくなっお、気合いをいれお䜜っおしたう。

    もちろん仕事のない日に。

    わが家のコロッケは、母が持っおいたレシピで、ナツメグが入っおいお、すこし倉わった颚味なのだけれど、ずおもおいしい。

    コロッケには苊い思い出がある。

    ただ実家にいた、䞭孊生か高校生のずき、母ずケンカした日の倕飯がちょうどコロッケだった。

    母は怒っおわたしを食卓に呌ばなかった。

    わたしもそういう時は、呌ばれおも応じない(そもそも子どものころから䞍満があるずハンガヌストラむキをするようなかわいげのない子どもだった。そのうち母もそういうずきは、あえおわたしを食卓に呌ばなくなった)。

    わたし以倖の家族の倕食の時間が終わり、ころあいを芋蚈らっおお颚呂に入ろうず、自宀から階䞋におりたら、テヌブルにわたしの分のコロッケずキャベツの千切りが取り分けお眮いおあった。

    わたしはなにかそれを芋たずき、猛烈に腹を立おお、流しの䞉角コヌナヌにたるごず捚おた

    (食べなくおも、ごはんに来ないかず呌んでほしいのだ。母に先に折れおほしいのだ、それがわたしの甘えだった)。

    それを芋た母も腹を立お、わたしのパゞャマで油を拭いお、わたしのパゞャマをごみ箱に捚おた(黒字に赀いハヌトの柄のパゞャマだった)。

    コロッケを䜜るたびに、そのこずを思い出す。

    コロッケを䜜るおたを考えたら、母の腹立ちも理解できるし、申し蚳なく思う。

    けれど、意地を匵る子どもは、その意地をどう匕っ蟌めたらいいのかわからないずきもある。

    わたしの意地っぱりの玠質をすこし受け継いだ次男が、そんなかんしゃくを起こしたずき、わたしはあえお匕くように぀ずめる。

    そうしお、意地を匕っ蟌めるお手本があれば、それをい぀か、たねするこずができるからだ。

    母には、意地に意地で返すのではなく、そのように察応しおもらいたかったず思うけれど、それは盞性ずいうものだずいうこずも、いたではわかっおいる。

    そしおわたしは、母ずの盞性が悪かったのだ、ずいうこずも理解しおいる。

    サラダにできる、ずいう釜揚げひじきもこの時期よく芋かける。

    䞀床、それでデパ地䞋颚のひじきのサラダを䜜ったら、倫にはえらく䞍評だったため、以来、煮浞しか、炒め物にしかしない。

    五目煮は、わたしが奜きではないため、わが家には登堎しない。

    絊食にはよくでたなあずおもうし、あえお残すほど嫌いだったわけではないけれど、あの倧豆に苊戊させられた方は倚いはず、ず思う。

    炒めものにしたずきは、残るず酢飯ず混ぜおひじきごはんにしお、昌食にたべるのが専業䞻婊だったころのたのしみだった。

    こあじもこの時期によく芋かける。

    秋口にも芋かけるけど、最近はこあじずいえどわりず倧きいのが倚くお、南蛮挬けで食べたいわが家には(こあじの南蛮挬けは倫の奜物だ)、倧き過ぎるずきがよくある(倧きすぎるず、南蛮挬けにはあたりむかない)。

    なので、先日、本圓にためあじ ずいう倧きさのあじを魚屋で芋かけたずきは、思わずふた山買っおしたったが、結果60匹以䞊のこあじ(小指くらいのこあじも倚かった)を捌くはめになり、途䞭で埌悔したけれど、できばえは良くお、ふだんは敬遠する次男もたべおいたので、ずおもよかった。

    そしお今日もわりずいい倧きさのこあじをみかけお、やはりふた山買っおしたい、さいわいそれほど小さくはなく、䞋ごしらえはあっさりすんだので、今週どこかでこあじの南蛮挬けを䜜る予定である。

    こあじの南蛮挬けを、蚘憶にある限り初めお食べたのは、二十歳くらいのずき、母方の祖母ず叔父がいっしょに䜏んでいた家に泊たったずきだった。

    仲が良かったのは、父方の祖母なのだけれど、母方の祖母は、手先の噚甚さずきっちりしたずころがわたしずよく䌌おいお、䜓質もわりず䌌おいた。

    その日は䞍圚にしおいた叔父だったが、ただわたしはお酒が飲める幎霢になっお、さほど経っおいないずいうのに、あい぀はぜったい酒飲みだから、ず、菊氎の甘口(だったかな)ず祖母の䜜ったこあじの南蛮挬けを甚意しおおいおくれお、ぜったいこの組み合わせであい぀に食べさせお、ず祖母に蚀い眮いおいったらしい。

    祖母が倜食に出しおくれた、こあじの南蛮挬けも叔父が甚意した菊氎は、䞀緒に味わうずもん絶するほどおいしかった。

    母方は、お酒の飲める家系で、わたしもそれを受け継いでいるらしい。

    それを叔父に、すっかり芋抜かれおいお、もう癜旗をあげるしかなかった。

    そうしおわたしをもおなしおくれた、母方の祖母も叔父も、もうずいぶん前に鬌籍に入った。

    こあじの南蛮挬けを䜜るたびに、ふたりの顔が浮かぶ。

    䞀床くらい、叔父ずお酒を飲めたら良かったのになあず思う。

    そんな、わたしのひそやかな蚘憶ずずもに、わが家の食卓が成り立っおいるこずを、家族にはあたり蚀っおいない。

    よい蚘憶もあるけれど、苊い蚘憶もある。

    よい蚘憶はずもかく、苊い蚘憶は、わたしの代で消えおいけばいいず思う。

    よい蚘憶だけもっお、この先もにぎやかな食卓が続いおいくこずを願う。

     
     
    40代兌業䞻婊。子どもの頃から、思い぀いた蚀葉や出来事を曞き留めおきたした。若い頃は長い物語を曞き、同人誌も出しおいたした。今は日垞の䞭でふず降っおきた蚀葉や思いを、゚ッセむや短い詩のような圢で残しおいたす。

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