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【優待新設予測 #017】住友電気工業(5802)——2027年に創業130周年、しかも先月「1対4分割」したばかり。AI4銘柄で本命はこれだ

    公開予定日:2026年9月18日(金)|シリーズ:優待新設予測(気長に100本)あげ忘れです。


    【例外枠】 本記事は東証プライム上場・1単元約21万円と、このシリーズの標準基準(東証スタンダード・14万円以下)を外れる。ただし今回の「AI関連」4本の中では最も基準に近い。


    はじめに:4本並べて、条件が一番揃っていたのがこれだった

    AI関連4本シリーズの最終回だ。ここまでの3本を振り返る。

    • #014 安川電機(6506) — 優待の器(みらい館)はあるが、周年の大義名分がない

    • #015 フジクラ(5803) — 6分割したのに株価が戻った。だが単元52万円

    • #016 古河電気工業(5801) — 還元余地は最大。だが動く理由が見えない

    そして今回の住友電気工業(5802)である。結論から書くと、4銘柄の中では本命だと考えている。

    理由は3つ。2027年に創業130周年を迎えること。2026年7月1日に1対4の株式分割を実施したばかりであること。そして4銘柄で**最も買いやすい単元価格(約21万円)**であること。

    このシリーズが挙げてきた「優待を新設しやすい企業の7つの兆候」のうち、⑤株式分割の直後と⑥周年のタイミングが、同時に成立している。


    基本データ(2026年8月7日終値時点)

    • 証券コード: 5802

    • 企業名: 住友電気工業株式会社

    • 市場: 東証プライム(★例外枠)

    • 業種: 非鉄金属(電線・ワイヤハーネス・光通信・超硬工具)

    • 創業: 1897年(住友伸銅場で電線製造を開始)

    • 創業130周年: 2027年 ★

    • 決算期: 3月末

    • 株価(参考): 2,129.5円

    • 1単元(100株): 約21.3万円(4銘柄で最も低い)

    • 時価総額: 約6兆7,628億円

    • PER(予): 約19.5倍(4銘柄で最も低い)

    • PBR: 約2.34倍(4銘柄で最も低い)

    • 年間配当(予): 39円(予想利回り 約1.83%/4銘柄で最も高い)

    • 株式分割: 2026年7月1日に1株→4株を実施

    • 株主優待: なし(2026年8月・Yahoo!ファイナンスで確認)


    住友電工とはどんな会社か

    電線最大手。自動車のワイヤハーネス(配線の束)では世界的なシェアを持ち、光通信、超硬工具、環境エネルギーまで手を広げている。売上高5兆円という規模は、電線3強のなかでも桁が違う。

    2026年3月期(実績):

    • 売上高:5兆1,101億円

    • 経常利益:4,312億円

    • 最終利益:3,695億円(+90.7%)

    • 1株益:118.5円/1株配当:38.5円

    2027年3月期(会社予想・2026年7月31日発表):

    • 売上高:5兆4,000億円(+5.7%)

    • 経常利益:4,600億円(+6.7%)

    • 最終利益:3,400億円(▲8.0%)

    • 1株益:109.0円/1株配当:39.0円

    前期は最終利益が90.7%増と大きく伸びた。今期は8.0%の減益予想だが、これは前期に一時的な要因が乗った反動という側面が大きい。売上・経常はいずれも増加予想だ。

    AI関連としての中身は、情報通信部門にある。データセンター向けの光配線機器・光デバイスが需要拡大の中心で、この部門の利益率は3割を超える水準にある。売上規模では自動車部品が主力の会社だが、利益の伸びしろは光の側にある。


    根拠① 2027年に創業130周年——記念優待の王道舞台

    住友電工の創業は1897年(明治30年)。住友伸銅場で電線の製造を始めた年を起点としている。ここから数えて、2027年が創業130周年にあたる。

    このシリーズで繰り返し確認してきたことがある。周年は、優待新設の最も強い言い訳になる。

    企業が新しい株主還元策を始めるとき、最も困るのが「なぜ今なのか」の説明だ。業績が良いから、では来年悪くなったらやめるのかという話になる。株価対策と言えば露骨すぎる。そこで使われるのが周年である。「創業130周年を記念して」——これ以上に説明のいらない理由はない。

    しかも住友電工の場合、「記念配当」という選択肢を選びにくい事情がある。今期は最終利益が8.0%減の予想。減益の年に大盤振る舞いの記念配当を出せば、翌期の反動が読みにくい。一時的で、金額をコントロールしやすい記念優待のほうが、経営判断として打ちやすい局面だ。


    根拠② 2026年7月の「1対4分割」——先月の出来事

    そしてもうひとつ、直近の動きがある。

    2026年7月1日、住友電工は1株を4株にする株式分割を実施した。

    この記事を書いている時点で、まだ1ヶ月ちょっとしか経っていない。分割の目的は言うまでもなく、投資単位を下げて個人投資家を呼び込むことだ。

    結果、1単元は約21.3万円。分割前なら85万円だった水準である。フジクラ(52万円)や古河電工(39万円)と比べても、ずっと買いやすい。

    このシリーズの「7つの兆候」の⑤に、**「株式分割・立会外分売の直後」**という項目がある。理由はこうだ——投資単位を下げて個人を呼び込んだ直後は、その個人を定着させたいという動機が最も強く働く。呼び込んだだけで放置すれば、相場が変われば出ていってしまうからだ。

    分割の直後に、周年が来る。 この順番は、優待新設のシナリオとしてはできすぎている。


    根拠③ 4銘柄で最も「シリーズの基準」に近い

    AI関連4銘柄を、シリーズの選定基準に照らして並べてみる。

    1単元の購入金額(基準:14万円以下)

    • 住友電工(5802):約21.3万円 ← 最も近い

    • 古河電工(5801):約38.6万円

    • フジクラ(5803):約51.9万円

    • 安川電機(6506):約52.7万円

    予想配当利回り(外れても持ち続けられるか)

    • 住友電工(5802):約1.83% ← 最も高い

    • 安川電機(6506):約1.37%

    • フジクラ(5803):約0.73%

    • 古河電工(5801):約0.57%

    予想PER/PBR(割高感)

    • 住友電工(5802):19.5倍/2.34倍 ← 最も低い

    • 古河電工(5801):25.8倍/6.21倍

    • フジクラ(5803):26.3倍/14.11倍

    • 安川電機(6506):29.1倍/2.82倍

    3つの基準すべてで、住友電工が最も条件を満たしている。このシリーズの趣旨である「外れても安心して保有できる」という条件を、4銘柄で唯一まともに満たしているのが住友電工だ。


    もし出すとしたら?——優待シナリオ2案

    シナリオA ◀ 本命:創業130周年記念のQUOカード

    大型のBtoB企業が周年で選ぶ、最も標準的な形。継続保有期間に応じて金額を変える設計にすれば、分割で入ってきた個人株主の定着という目的にも合う。★★★★★

    シナリオB:住友グループ製品カタログ/自社製品

    住友電工は超硬工具や機能材料など、個人が直接使う製品は多くない。ただし住友グループ全体の枠組みで考えれば、カタログギフト型の設計は成立しうる。話題性という点ではAより上だ。★★★☆☆


    「130年」という時間の重さ

    余談として書いておきたいことがある。

    1897年。日清戦争が終わった2年後だ。その年に電線の製造を始めた会社が、130年後、生成AIのデータを運ぶ光ファイバーで利益を稼いでいる。

    銅線から光ファイバーへ。運んでいるものは電気からデータへ。それでも「何かを遠くへ運ぶ配線をつくる」という一点は、130年変わっていない。

    このシリーズでは周年を「優待を出す言い訳」として、やや即物的に扱ってきた。だが130年という数字を前にすると、それだけではない気もしてくる。長く続いた会社が節目に株主へ何かを渡すというのは、言い訳という以上に、素直な話なのかもしれない。

    そう思えたことが、この銘柄を4本の本命に置いた理由のひとつでもある。


    正直に書くリスクの話

    リスク① 1単元21.3万円はまだ基準超え

    4銘柄では最も安いが、シリーズの目安14万円は上回っている。無理に買う必要はない。

    リスク② 2027年3月期は減益予想

    最終利益は8.0%減の予想。減益局面では、還元強化そのものが後ろ倒しになる可能性がある。

    リスク③ 売上5兆円企業に優待は似合わない

    これが最も本質的なリスクだ。株主数が膨大な超大型株にとって、優待は単純にコストが重い。「そもそも優待を出すタイプの会社ではない」という反論は、正直かなり強い。

    リスク④ 住友グループの保守的な体質

    老舗の名門企業は、派手な株主還元策を好まない傾向がある。130周年を、記念配当だけで静かに済ませる可能性は十分ある。

    リスク⑤ 自動車部品への依存

    利益の伸びしろは光通信にあるが、売上の主力は依然として自動車用ワイヤハーネスだ。自動車生産の減速や為替の変動は、そのまま業績に響く。


    結論——仕込むとしたらいつ、どのように?

    決算期は3月末。創業130周年は2027年。発表があるとすれば、**2027年3月期の本決算(2027年5月中旬)**で「130周年記念」として打ち出す形が最も自然だ。あるいは周年の当月に単独でIRを出す可能性もある。

    確度は、このAI4銘柄の中では最も高いと見ている。周年と分割直後という2つの兆候が重なり、単元価格・利回り・バリュエーションのいずれもシリーズ基準に最も近い。

    ただし冷静に言えば、シリーズ全体で見た確度は中だ。超大型株が優待を新設するハードルは、それでも高い。

    2028年8月頃に答え合わせ記事を書く。

    当たれば——130年前に銅線を作り始めた会社が、AI時代の株主に何かを手渡した日として振り返る。
    外れれば——正直にお詫び記事を書く。

    今週も1本積み上げた。残り83本。


    AI関連4本シリーズを終えて

    #014から #017まで、AI関連の大型株を4本続けて取り上げた。まとめると、こういう構図になる。

    • AIの「体」をつくる会社 — 安川電機(サーボ・ロボット)

    • AIの「神経」をつくる会社 — フジクラ・古河電工・住友電工(光ファイバー・光配線)

    そして4社に共通していたのは、**「AIで大きく儲けているのに、株主優待を出していない」**という一点だった。理由も共通している。BtoBの大型株だからだ。渡すものがなく、株主数が多く、優待のコストが重い。

    だからこそ、もしこの中の1社でも優待を新設したら、それは業界にとって小さくない出来事になる。2年後、どうなっているか。

    次回#018からは、また通常どおり東証スタンダードの中小型株に戻る予定だ。


    この連載について

    「優待新設予測」シリーズは毎週金曜日の朝に1本ずつ公開している。

    • 銘柄の基準:優待未設定・財務安定・長期保有に値する

    • 更新:毎週金曜朝

    • 答え合わせ:原則2年後

    • 外れた場合:必ずお詫び記事を書く

    同時に毎週土曜夜には、高配当株の月刊リサーチも更新中だ。

    投資は自己責任。この記事は特定銘柄への投資を推奨するものではなく、あくまで個人の調査・仮説の記録です。株価・指標は2026年8月7日終値時点のもので、日々変動します。最終的な投資判断は必ずご自身でお願いします。



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