メインコンテンツへスキップ
見出し画像

私はまだ、もっちゅりんを知らない。

    ※注意
    筆者はもっちゅりんを食べたことなどなく、よく知りません。中には間違った表現があるかもしれません。ご了承ください。

    ミスタードーナツのもっちゅりんが大人気らしい。
    この世界には2種類の人間がいる。もっちゅりんを食べた人間か、食べてない人間か。

    まずはもっちゅりんの歴史を整理したい。

    もっちゅりんの歴史は古く、もっちゅりんらしきものがエジプトの壁画に描かれていたのが発見された。日本でも貝塚からもっちゅりんの箱の一部が出土したり、古墳の中からももっちゅりんの雰囲気が感じられた。


    時代の節目には常にもっちゅりんの影があり、もっちゅりんを巡り戦争が起きたことは一度や二度ではない。

    どんな理性的な人間でももっちゅりんの前では無力で、非暴力のガンジーがもっちゅりんを強盗に奪われた時普通にぶん殴ったらしい。これは有名な話だ。

    今ではトリュフ、キャビア、もっちゅりんが世界三大珍味と言われている。もっちゅりんの希少性は他の2つの比ではない。トリュフの年間生産量は100〜200トン。キャビアは400〜600トンである。それに比べてもっちゅりんは日本のミスタードーナツでしか買えない。国内店舗数は825店舗だ。しかも期間限定で他を寄せ付けない圧倒的な希少性である。

    ミスタードーナツには毎朝数百人単位の行列ができ、血で血を洗う争いが日夜行われミスタードーナツ店舗から半径1キロは灰と化し、ぺんぺん草も生えない荒野となった。
    それを重く見た当時首相の安倍さんが、全世帯にもっちゅりんを配ると言う緊急措置を行ったのは記憶に新しい。

    巷では「アベのもっちゅりん」と呼ばれ、野党からの激しい追及にあった。世間からは「アベのもっちゅりんは恥ずかしい」と評判が悪かった。

    自作もっちゅりんを家で作る人も増え、スーパーから小麦粉が消え、メルカリで高額で転売する人が増えた。

    これほどの希少性と中毒性である。もっちゅりんを裏ルートで仕入れ売る売人も現れ、定価の数倍で取引される「闇もっちゅりん」が出回った。これが本物であればまだ良いが、中国製の偽もっちゅりんも流通し始め、混沌の時代に突入した。

    人々は互いを疑い、いくつかの国は崩壊した。

    ミスタードーナツを運営しているのはダスキンという掃除用品を扱う会社なのは知っての通りだ。しかし、表の顔だけでここまで大きな組織になるだろうか。

    闇もっちゅりんが市場を席巻していた頃、不思議なことが起きた。売人たちが一人、また一人と姿を消したのだ。

    「掃除屋が動いたらしい」

    当時の裏社会では、そんな噂がまことしやかに囁かれていた。

    偶然かもしれない。

    ただ、ミスタードーナツを運営する会社が掃除屋ということを私はここに記しておく。

    今日もミスタードーナツにもっちゅりんの姿はなく、色とりどりのドーナツの中に何も置かれていないトレーが寂しげに横たわっている。まるで心にぽっかり穴が開いているような、私の心と同じだ。

    結局今日も私はもっちゅりんを食べることはできない。

    仕方なくスーパーでモッチリングを買う。
    なにこれうま!普通においしい!
    もっちゅりんじゃなくても人は幸せになれるのかもしれない。

    画像
    モッチリング




     
     
     
    地方で働く自営業。3歳の息子の父。 家族、仕事、SNS、人付き合い。 普通に生きたいだけなのに、なぜか少しずつ空回りする毎日をエッセイにしています。 「わかる。」と笑ってもらえたら嬉しいです。

    あなたへのおすすめ