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東京、実家暮らしおじさんの華麗なる日々 ⑦

    第七話 最強編

    東京、実家暮らしも40歳を過ぎれば最強に近づく人間もいる。

    三井も当然その一人だ。

    三井のその43年の人生を思い出すと一番の思い出と言えば小学校の時にまぁまぁモテたことになるだろう。

    中学・高校も特に部活や勉強を真剣にやったわけでもなし。その後もフリーター生活を長く続けて今の会社に40手前でハローワークから紹介してもらい就職し現在に至る訳だから、特に思い出深いことはない。

    当然結婚もせず恋人と言えるようなパートナーもいたことはない。子供などは永遠に現実味のないことだ。

    おそらく三井の人生でこれからおこる一番のイベントは両親の死、ということになるだろう。自分の死以外で。

    しかし、これも長兄が喪主となり、次男の三井の役割は少なくてすむ。と内心思っているし、遺産相続的なのも全部親が考えてくれているだろうし、考えたくもない。

    ただ、いまだ実家に暮らす三井には介護が待っている。

    今まで何事にも逃げがちだった男だがいつまでも愛してくれた両親の介護からは逃げないでほしい。

    そうなれば、今まで一度もピンときていなかった同年代の大人の悩みごとにも漫画やネットで見聞きした話ではない経験に基づく返答が出来るのではないか。そうなればやっと本当に自力した自分の人生が始まるのではないか。初めて最初の村から出て冒険を始める事が出来る。

    しかし、実家暮らし一族の多くは身体が強く超長寿で、若くして病気になったりした人達の気持ちはわからない人間が多い。ただでさえ人の気持ちが分からずメンタル無敵なのに健康状態も最強なのだ。

    このまま行くと、実家暮らしおじさんどころか、実家年金暮らしおじいちゃんになるだろう。


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