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小説:)-シンカンケイ-心観刑(ミステリー)


    -シンカンケイ-心観刑

    「今日も同じ毎日の始まりかぁ…はぁー…(ため息)」

    僕は慎也(しんや)。あと2ヶ月で30歳になる つまらない男

    大学を卒業して何とか就職できたが、今の上司は最悪。人の意見は聞かないし、僕にもみんなにも毎日 怒鳴ってばっかりの人。

    そんな上司は「ホントお前は使えない野郎だなー」ってのが決まり文句。

    "あなたがいちばん使えない人ですから!"と。僕は思ってる。
    たぶん みんなも思ってる。
    あの上司 早く転勤してくれないかな~

    僕は会社に行く前も行ったあとも、そればかりを考えてる。

    なんか楽しいことないかな~

    僕の楽しみは月一回の給料日ぐらい。

    あと、あと!
    半年に一回ある同期との飲み会!

    上司には恵まれてないが、同期には恵まれてる。
    同期は全員で5人。ひとりは1年経たずにやめたから今は4人。

    僕の同期の紹介をしよう。

    圭吾(けいご)
    顔も性格もイケメン男。もし自分が女だったら間違いなく惚れるね。

    海斗(かいと)
    お前は仏か!?ってくらい優しい。こいつもイケメンなら間違いなくもてた。でもぽっちゃりで若く見えない顔立ち。結婚するなら海斗かな。浮気の心配がないから。

    楓花(ふうか)
    明るい性格でよく気が利く子。
    いつも同期会の予定を決めてくれる。

    最後に僕、慎也(しんや)
    なんの取り柄もない、つまらない男。

    同期会は半年に一度の僕の楽しみで癒しの時間。
    職場での愚痴や近況を話したり。日常の話にゲラゲラ笑ったり、また頑張ろう!って思える集まり。

    今回の同期会で、楓花が、仏の海斗とつまらない僕の為に合コンを開いてくれることになった。
    イケメン圭吾は奥さんがいるから、もちろん抜き!

    ーーー

    久しぶりの女の子との飲み会!
    楓花には感謝しかない!

    合コンは横浜の中華レストラン。
    みんな可愛い子ばかりで緊張する。
    "楓花マジありがとう!マジ感謝!"

    合コンに来た女の子の中に、誰かの妹も来ていた。
    合コンに来てみたかったらしい。
    20歳になったばかりの香奈子ちゃん。
    僕は緊張で女の子たちとはあまり話できず、誰かの妹の香奈子ちゃんとばかり話してた。
    最近の若い子は何が楽しいのかとか、どんなことに興味があるとか、色々勉強になった。
    残念ながらアウトップ先はないんだけど。

    合コンがおわったその日に香奈子ちゃんからLINEがきた。
    "しんやさんとの話 おもしろかったです。ありがとうございましたー"
    なんか久しぶりに人に認められた気分で嬉しくなった。

    それから香奈子ちゃんとLINEのやりとりが始まった。

    ある時、香奈子ちゃんは学校の友達とトラブルで落ち込んでた。
    気分転換になればと思い食事に誘った。

    香奈子ちゃんはすごく喜んでくれて、なんだか僕は嬉しくなった。

    女の子の好きそうなお店を楓花に聞いて予約。

    香奈子ちゃんの気分が晴れればいいけど…

    楓花が選んでくれたのは、観葉植物が沢山ある自然あふれるお店だった。
    僕は草がボーボーのお店の何がいいのか よく分からなかったけど、香奈子ちゃんは「すごくいいお店~~~」って喜んでくれた。

    香奈子ちゃんは帰り際に「しんやさんと、また食事したりどこかに出かけたりしたい」っていってくれた。

    僕も香奈子ちゃんとの時間はすごく楽しいから大賛成!

    それから僕らは横浜中華街にいったり、水族館にいったり、公園を散歩したり色々な所に遊びに行った。

    ある日、香奈子ちゃんが「私、人と付き合ったことないけど、しんやさんと私は付き合ってるって感じなの?」と聞いてきて、僕はドキッとした。
    僕も人と付き合ったことないけど、付き合ってる感覚はまったくなかった。ただ楽しく遊んでるって感じだった。

    僕はその言葉に"香奈子ちゃんが好きだった"って事に気がついた。
    と同時にそーゆー事に気づけない自分に、なんか申し訳なく感じた。
    こんなに歳が離れてて心配だったけど、正式に僕から告白をして交際がスタートした。
    絶頂に楽しい!嬉しい!幸せだー!


    彼女と付き合って半年の記念日
    僕の家で半年記念のお祝いをしようとなり、香奈子ちゃんが僕のためにしてくれる事になり、一緒にスーパーに買い物。いいワインも買った。結婚したらこんな感じかーって幸せな気分になった。


    彼女が先に家に入ってキッチンに荷物を置きに行った。

    彼女はキッチンにいた強盗と鉢合わせをした。
    強盗は彼女の口をふさぎ、ナイフでお腹を深く刺した。

    キッチンの方からドスっと音がして、彼女の異変を感じ、僕は急いでキッチンに走った。
    彼女が血を流して倒れてる。
    目の前には強盗がいる。
    僕はすぐに強盗に襲いかかったが、
    強盗の方が動きが早かった。
    僕はナイフで脇腹をさされ、首すじを切られた。

    キッチンは血だらけ、
    僕は彼女を見たが動かない。

    強盗犯が何か言ってる
    「おれついてないなぁー。家、間違えるわ、あげくに貧乏な家かよー。これっぽっちしかねーし。貧乏なのに彼女がいるっていいご身分だな。お?彼女いい顔してるじゃん。刺さなきゃ良かったなー」と意識のない彼女にキスをした。
    その男は自分のズボンを脱いで意識のない彼女を襲った。

    僕は怒りの中、意識が無くした。

    ーーー

    お葬式で泣いてる母と妹がいる。
    遺影には僕の写真だ。

    僕は死んだのか…

    彼女はどうなったんだろう?
    どこを探しても彼女の気配を感じない。

    あの男許せない!
    あいつは何をしてる!!?

    ーーー

    意識に集中するとその男のアジトらしき所がみえた。

    その男の前に2人の男が直立状態でたって頭を何度も下げてる。

    なんか心がモヤっとする。

    2人の男は、その男に怒鳴られ殴られてる。
    「何 失敗してんだよ。ばばぁなんて弱いんだからテープで手と足と口縛りゃーいいんだよー縛っときゃ時間稼ぎになんだからよー」

    ーーー

    次はその男が誰かに頭を下げてる。
    「なに部屋を間違ってんだよー。ババァのところにいけば、200万は手に入ったのによー。殺しなんてすぐに足がつくんだからよー。俺はなんどもそーゆーの見て来てんだよ。」
    「ホントすんませんでした。でも大丈夫です。監視カメラも無いところだったので。」
    「警察なめんなよー。あとは自分で何とかしろ!もうここには二度と来るな!俺とお前はこれっきりだ」

    彼女も死んだのか?…
    あー!許せない!

    ーーー

    あの男が銀行窓口で大金を引き出してる老婦人を見てる。

    その老婦人の家まで後をつけ、様子を伺ってる。

    みんなが寝静まった夜中、あの男は窓を巧みに割り鍵をあけ堂々と侵入した。

    老人から昼間のお金を盗もうとしてるんだ!
    最低な男だなー!
    なんとか止めなくては!
    その男を抑えようとしても、物を持とうとしても、何も触れないし何も出来ない…。
    くやしい!!!!!

    やはり男は昼の大金を探してる様だ。
    老婦人の夫が物音に気づき、部屋を覗いた。
    僕は「早く逃げろ!!!」と大声で叫んだ!
    二人には何も聞こえてない!!
    何度も逃げろ!と叫んだ…

    老人と強盗犯と目が合い、強盗犯は躊躇 無く手に持ってた鍵棒で老人の頭を殴った。
    奥さんがそれを見て悲鳴をあげた。
    奥さんにも棒を振りかざした。
    僕は何も出来なかった。悔しさと怒りで涙があふれた。

    近所の人が悲鳴を聞き すぐ通報をしたおかけで、遠くに逃げられなかった犯人が捕まった。

    あの男は事情聴取されて、指紋から、僕と彼女を殺したのも、こいつと判明した。

    やっぱり彼女も死んでいたのか…。
    彼女はどこにいるんだろう…。

    こいつは何人の人を殺したんだろう?
    さっきのじーちゃん、ばぁーちゃん、だって生きてるかどうか…

    他にも過去にそう言うことをしてるかもしれない。

    ーーー

    裁判のシーンだ。
    僕の母が泣いてる。妹が背中をさすってる。
    裁判は警察とそいつの戦いか?
    警察よ!なんとか、僕らの無念を晴らしてくれ!

    4人を殺害した罪。
    やっぱ、おじいちゃんとおばあちゃんもか…。
    極悪で最低やろうだ!
    人が人を殺すって、本当に人間なのか?
    悪魔で魔物だ!

    僕は運が悪かったな…
    振り返っても運がなかった人生だったしな…。
    この半年だけ。半年だけは彼女と過ごせて楽しかった。
    彼女はどこに…
    なんで犯人は追えるのに彼女が見つからないんだ…。

    裁判長が
    「郷屋(ごうや)被告 有罪!心観刑!懲役・禁固刑430年!」

    なんだそりゃー?
    心観刑!!?
    よく分からない判決だな。
    そんなんで、罪滅ぼしできるのかよ。
    そういえば、死刑がなくなって10年以上たつよなー
    よっぽど死刑の方が僕や彼女が報われるのに…。

    心観刑ってどんな刑なんだろう?


    ーーー

    心観刑執行の日

    あの男がベッドの上に寝かされて、頭に器具みたいなのを付けられてる。

    電気ショック的な罰なのか?

    刑執行の担当が「執行開始!」と機械のボタンを押した。
    僕、彼女、おじいさんとおばあさんの分!その他お金を取られて悲しんだ人の分!!
    しっかりと苦しめ!!!!

    その瞬間 僕の頭が割れるほど痛くなった。
    痛い痛い痛い痛い痛い…!!!!!
    吐き気がする。クラクラする。
    なんで僕がその電気に影響されるんだ?
    機械に近ずきすぎか!?

    痛い痛い痛い!あーーーーーーーっ!

    僕は目を開けるとベッドの上に横たわっていた。

    体を起こして目の前にある鏡を見るとあの男が写ってる!!

    えっ?どういうこと!?

    その瞬間、先程の頭の痛みの中、走馬灯のように次から次へと自分が犯した犯罪が頭の中に流れ込んできた。

    あー俺は なんてことをしてしまったんだ…。

    刑執行の担当が
    「目を覚ましたか?あと3人分が残ってる。」

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