メインコンテンツへスキップ
見出し画像

SNSでのお客様の声を自社サイトに掲載してステマ措置命令。サイトにも広告マーク表示が必要なケース

    大手製薬会社がインスタグラムに投稿されたお客様の声を自社サイトに掲載したところ、それがステルスマーケティングだと認定されて措置命令が発せられました。

    自社のウェブサイトは、社会通念上も自社の広告を掲載することが明らかですから、そこに「広告であること」をわざわざ表示する必要はないとされています。
    しかし、掲載する内容によっては、自社ウェブサイトや折り込みチラシであっても「広告」マークを表示することが求められると示されました。

    X製薬会社のサプリメントの広告がステルスマーケティング違反に認定|消費者庁(2024年11月13日)

    ステルスマーケティングとは、実際には事業者による広告や宣伝であるのに、そのことを一般消費者から見てわかりにくいように隠して行われる表示とされ、2023年10月1日の景品表示法の改正によって導入された新たな禁止事項です。

    本件では、製薬会社が自社ウェブサイトに、インスタグラムに投稿されたサプリメントの利用者の声を掲載したところ、それが問題となりました。

    【追記】
    2025年3月25日に消費者庁は、別の大手製薬会社に措置命令を発しました。
    モニターに商品提供を行ったうえでクチコミをインスタ投稿するよう促し、そのインスタ投稿を公式サイトに掲載したことがステルスマーケティングに該当すると認定されました。

    Y製薬会社のサプリメントの広告がステルスマーケティング違反に認定|消費者庁(2025年3月25日)

    インスタグラムに投稿された利用者の声が、その利用者の自発的な投稿であって、それを引用して自社ウェブサイトに掲載したということなら、それは広告には該当せず景品表示法の違反となることはありません。

    しかし、本件でのインスタグラム投稿については、サプリメントの無償提供および対価の提供を条件として実施されたものであることが確認され、製薬会社からの指示に基づいて投稿された経緯や投稿には報酬が発生していることがウェブサイトを閲覧する消費者には開示されていないため、これは広告であることが隠された状態であると消費者庁に認定されたことになります。

    消費者庁公表の「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示(ステルスマーケティング)の運用基準」によれば、SNS等の媒体上で、専門家や一般消費者等の第三者の客観的な意見として表示をしているように見えるものの、実際には、事業者が当該第三者に依頼・指示をして特定の内容の投稿をさせた場合や、そもそも事業者が作成し、第三者に何らの依頼すらしていない場合については、それらを用いるなら自社公式ウェブサイト等であっても「広告」表示が必要となる旨が示されています。

    事業者が顧客に対してクチコミやSNSへの投稿を依頼する行為自体には問題はありませんが、景品や報酬の支払い等のインセンティブを与え、事業者にとって有利な内容の投稿をするよう指示をした場合はステルスマーケティングに該当します。

    インセンティブを与えて投稿の内容を指示した場合は、広告に該当するため、投稿の際には「#広告」「#PR」といった広告であることを告知する表示をするのが絶対条件になります。

    そうしたSNSへの投稿内容を自社ウェブサイトに引用する場合には、その引用個所の見やすい位置に「広告」マークを表示するか、「この投稿内容は当社が実施したキャンペーンにて、お客様が報酬を得ることを条件として投稿したものです」という経緯を説明する注釈を付す必要があります。

    なお、同運用基準では、「広告」表示として適切な文言としては、「広告」、「宣伝」、「プロモーション」、「PR」であると示しており、その他の「AD」や「提供」などの文言は消費者に広告であることが認知されにくいため推奨されるものではないことも注意が必要です。

    また、このステルスマーケティング規制については、アフィリエイターやインフルエンサーも混乱しており、スポンサーの付いていない投稿であっても過剰反応として「#広告」を付すという問題も生じているようです。
    広告の依頼をしていないスポンサーが自社とは無関係のインフルエンサーが自社商品への言及について「#広告」を付すことによって、そのインフルエンサーに広告を依頼したような誤解を受けて困惑する場面もあるということで、インフルエンサーも正しい理解が必要になります。

    2023年10月1日の景品表示法改正によるステルスマーケティング規制の開始以来、2024年11月13日までに、消費者庁はステルスマーケティングについての措置命令を3件発しています。

    他の2件の措置命令の内容については、以下のnote記事をご参照ください。

    ウェブ運用の落とし穴。NO.1表示、ステマ、最終確認画面の不備に要注意。

    ステルスマーケティング規制は例外事項が多く正しい理解をするには運用基準などのガイドラインを確認する必要があります。
    うっかりステマをしないよう、ウェブやチラシ、SNS広告の際には注意をしましょう。

    【広告】

    本記事の筆者(行政書士・遠山桂)が解説するインターネット・ビジネスを行う際に必要な表示事項や利用規約の雛形を下記テキストリンク先ページにて販売しております。

    インターネット・ビジネスに必須の3点セット(利用規約・プライバシーポリシー・特定商取引法表示)雛形と解説書|遠山行政書士事務所

    ウェブでビジネスを行うために押さえておくべき事項について解説しています。

    また、景品表示法や特定商取引法に関する書面のコンサルティングについても承っております。

    通販事業の広告審査やネット営業のメール・コンサルティング(顧問契約)|遠山行政書士事務所

    インターネット取引についてコンプライアンスを徹底して、トラブルを予防するためにも当事務所のコンサルティングサービスをご検討ください。


     
     
    行政書士と消費生活相談員と元・大学非常勤講師(日本福祉大学経済学部)。 ネット取引と消費者法の考察やショートストーリーを投稿。 メディア一覧>https://profu.link/u/tohyama

    あなたへのおすすめ