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「ママ…」に、寝たふりを続けた私。

8か月の下の子を寝かしつけるため、私は寝室で目を閉じて横になっていました。でも本当は、まだ起きていました。

隣には3歳の長女。なかなか眠れず、私にくっついてみたり、手を上にかざして静かに遊んだりしています。

下の子がようやく寝ついて、私も少しほっとしていました。

「ママ。」

……

私は返事をせず、そのまま寝たふりを続けました。

「ねたか。」

さっきまで「早く寝てほしい」と思っていたのに、ひとりで静かに過ごしている長女が、急に愛おしくなりました。

あ、ぎゅっとしたい。

今なら、この子だけを見られる。

ふだん、どうしても下の子を優先しがちな私。それでも、長女は妹をかわいがってくれる。今だけは私を独り占めさせてあげたい、と思いました。

でも、私は目を開けませんでした。

私が起きていると分かったら、娘はもっと目がさえてしまうから。
せっかく下の子が寝たのに、寝かしつけがまた長くなる。

抱きしめたい。でも、刺激したくない。

目を閉じたまま、ふたつの気持ちが行ったり来たり。
結局、私は寝たふりを続けて、娘の手が服に触れているのを感じながら、娘が眠るのを待ちました。

あとから思い返すと、娘を余計に目覚めさせたくなかっただけではありませんでした。
私自身も、寝かしつけから早く解放されたかったのです。

いつも待たせてばかりでごめんね、と思いながら、上の子にも早く寝てほしいと思う。抱きしめたかったのに、抱きしめなかった。

でも、あのとき長女をぎゅっとしたかったのも、ほんとうの気持ちです。

あのとき抱きしめていたら、娘は喜んだかもしれない。満たされたかもしれない。

でも、そこから1時間寝なかったかもしれない。

自分勝手なママでごめん。と思いながら、また明日も、私は寝たふりをすると思う。






最後まで読んでいただきありがとうございます。

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