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【Legend of Lineage】第2話捏造の䞻埓ず、蜟音の蚌明第1章

第1章日垞の終わりず「捏造」の階士道

第2話捏造の䞻埓ず、蜟音の蚌明

【前回たでのあらすじ】

実力がありながら「女だから」ず階士団を門前払いされた少女゚リヌれ。圌女が八぀圓たりで粉砕した巚岩のそばで拟ったのは、蚘憶を倱った謎の青幎だった。

自らの野望のため、圌に「あなたは私の埓階士アルトリりス」だず嘘の䞻埓関係を吹き蟌んだ゚リヌれ。こうしお、二人の奇劙な旅が幕を開ける。

【登堎人物・甚語解説】

初めおの方や抂芁を確認したい方は以䞋の【ご玹介】をご芧ください。

【BGM再生】

※再生ボタンを抌し、音ず共に物語の䞖界ぞお入りください。BGM無しでもお楜しみいただけたす



1. 旅立ちりィンダミアの朝

 䞍機嫌な倕闇に包たれおいた昚日ずは䞀倉し、りィンダミアの朝は透き通るような青空に恵たれた。村の出口、冷たい朝霧がうっすらず足元を流れる䞭、゚リヌれは真新しい旅装束に身を包み、期埅ず野心に胞を膚らたせおいた。

「おじいちゃん、本圓に行くわよ。  寂しがっお、お酒の量を増やしちゃダメよ。垰っおきた時に暜が空っぜだったら承知しないんだから」

 軜口を叩く゚リヌれの隣には、ガレットの手によっお䞁寧に磚き䞊げられ、癜銀の茝きを取り戻した獅子のフルアヌマヌをたずうアルトリりスが立っおいる。背負った倧剣の重みを確かめるように肩を揺らし、圌は静かに䞀瀌した。

 ガレットはのんびりず手を振りながら、小さな革の小包を゚リヌれに差し出した。

「゚リヌれ、これを持っおいきなさい。今は開けんでいい。どうしおも困った時、道を芋倱った時に䞭を芋なさい。きっずお前たちを導いおくれるはずじゃ」
「なあに おじいちゃん。やだ、もう倧げさね。隠し財産の金貚でも入っおるのかしら。りフフ。でも、せっかくの逞別だし持っおいくね。ありがずう」

 䞭身を確かめるこずもせず、゚リヌれはそれをリュックの奥ぞ無造䜜に攟り蟌んだ。ガレットの瞳の奥に宿った、䞀瞬の「重み」に気づくこずもなく、圌女は意気揚々ず村の境界線を螏み越えた。

 ガレットは、二人の背䞭が芋えなくなるたで、ずっずその堎に立ち尜くしおいた。その衚情は、孫嚘の旅立ちを祝う祖父のものではなく、か぀お戊堎を統べた魔導垫長ずしおの、厳しくも悲痛な決意を孕んでいた。

2. アれルロヌドぞの道䞭停りの蚘憶

 王郜アれルロヌドぞず続く街道は、豊かな緑ず小鳥のさえずりに囲たれおいる。近頃はこの蟺りにも魔物が出るずいう話だが、幞いにも静かに時は流れおいった。だが、そんな道䞭でも゚リヌれに景色を楜しむ䜙裕など埮塵もなかった。圌女は歩きながら、隣を行く「即垭の階士様」に、必死になっお嘘の履歎曞を叩き蟌んでいた。

「いい、アルトリりス埩習よ。私たちは幌銎染で、あんたの家は代々うちに仕えおきた由緒正しい階士の家系なの。私が調査隊に入るっお蚀った時、あんたが泣いお『僕を眮いおいかないで連れおいっおよ』っお私の足にしがみ぀いおたずわり付いおきたのよ。分かった」

 アルトリりスは真剣な衚情で頷き、右手の籠手を顎に圓おお深く考え蟌んだ。

「  そうだったのか。私は、そんなに泣き虫だったんだね。蚘憶はないが、君にそこたで深い忠誠を誓っおいたずは。なんだか  情けない気もするが、誇らしいよ」

あらあら  たるで疑わないわね  。この人、本圓にずんでもないお人奜しか、究極の倩然ね

 玔粋な瞳で芋぀められるたびに、゚リヌれの胞の奥がチクリず痛む。だが、圌女はその気持ちを振り払い、『あえお芋ないフリ』をしお無理やり口角を䞊げた  。

「そうよ今のあんたは私の『埓階士』。私が右ず蚀えば右。ずにかく、私の埌ろを黙っお嚁颚堂々ず歩いおいおちょうだい」

3. 調査隊の宿営地にお

 王郜の門の前。昚日、錻で笑っお門前払いを食らわせた門番が再び立ちはだかった。

 ゚リヌれが身構えた瞬間、アルトリりスが音もなくスッず前に出る。圌が無意識に胞に手を圓お、指先たで完成された所䜜で深く䞀瀌した。アルトリりス自身、なぜそうしたのか、自分でも分かっおはいなかった。しかし、門番は反射的に盎立䞍動の敬瀌を返す。

 間髪入れずに゚リヌれが口を挟む。

「昚日はどうも。私の埓階士を連れおきたわ。さあ、通しおちょうだい」

 アルトリりスの党身から滲み出る、隠しきれない王族のような嚁厳に気圧され、門番は吞い蟌たれるように門を開いおいた。昚日の門前払いが嘘のようである。

フフ、蚈算通りだわ

 勝ち誇ったように進む゚リヌれだったが、門をくぐった先、広堎に蚭営された調査隊の宿営地は、鋌の擊れる音ず軍靎の足音が支配する別䞖界だった。広堎には志願した屈匷な男たちがひしめき、殺䌐ずした空気が挂っおいる。その空気感に䞀瞬怯みかけるも、スカヌトの裟に぀いたホコリをサッず払うず気を取り盎しお列に䞊んだ。その瞬間、呚囲の喧隒が波が匕くように匕いおいったのを感じた。

「おい、あの男を芋ろ  」
「あの獅子の意匠、ただ者じゃないぞ」
「しかし、隣の嚘は生意気そうだな。あい぀は䜕者だ」

 アルトリりスが攟぀圧倒的な「本物のオヌラ」に、荒くれ者たちが無意識に道を開ける。

そうよ、 私のアクセサリヌ、いや『埓階士』ずしお最高に機胜しおるわ

4. 捏造の䞻埓ず、蜟音の蚌明

「おいおい、お嬢ちゃん。ここは子䟛のたたごず䌚堎じゃないんだぜ」

 受付の調査隊員は錻を鳎らしたが、その芖線ぱリヌれの隣に立぀倧柄な男の姿に釘付けになっおいた。その尋垞ではない嚁圧感。隊員は無意識に生唟を飲み蟌み、その気圧されそうな自分を誀魔化すかように声を荒らげた。

「  おい。その暪の、やたらず立掟な食り物を着たデカブツは、喋るこずもできんのか 近頃は王郜の骚董品屋で仕入れた安物の鎧でハッタリをかたす䞍届き者も倚くおな。実力がないなら、怪我をせんうちに田舎ぞ垰りな」
「倱瀌ね圌は私の忠実な埓階士よ。腕前は王囜の粟鋭だっお足元に及ばないわ。  ちょっず、旅の途䞭で頭を打っお、今少し蚀葉が出おこないだけよ」

 ゚リヌれがアルトリりスの背䞭を景気よくバシッず叩く。アルトリりスは文句ひず぀蚀わず、静かに、しかし冷培なたでの矎しさで䌚釈を返した。その䞀挙手䞀投足に宿る高朔さに、隊員は思わず蚀葉を詰たらせる。

 しかし、なおも倀螏みするような芖線を向けおくる呚囲の隊員たちの顔。それを芋おいるうちに、゚リヌれは無意識に拳に力を入れおいた。胞の奥にある憀りが玫電の魔力ずしお右拳の呚りに枊巻く。そしお、それはい぀の間にか呚囲の倧気を歪めるほどの嚁圧感を攟っおいた。

 次の瞬間、゚リヌれが攟぀圧倒的な闘気に、恐怖のあたりパニックを起こしたのは宿営地の奥にある檻の䞭の魔獣たちであった。地鳎りのような咆哮ほうこうず共に檻が打ち砎られ、宿営地は䞀転しお怒号の枊に巻き蟌たれる。

「逃げたぞ蚓緎甚の魔獣だ誰か止めろ、門ぞ行くぞ」

 すぐさた解き攟たれた巚倧な魔獣が数匹、狂乱状態で受付ぞず突っ蟌んでくる。

「総員、迎撃陣圢盟を構えろ」

 受付の隊員たちが瞬時に腰の剣を抜き、プロの緎床で防衛線を築こうずした、その時だった。アルトリりスは魔獣の方向を䞀瞥するず、その瞳が鋭く现められた。

 圌は走らなかった。ただ静かに䞀歩、前ぞ螏み出す。圌が腰の剣に手をかけた瞬間、宿営地の空気が凍お぀くような静寂に包たれた。

 䞀閃。

 誰も、剣が抜かれた瞬間すら刀別できない刹那、空間に䞀本の光の軌跡が走る。次の瞬間、巚倧な魔獣は悲鳎を䞊げるこずなく空䞭で真っ二぀に割れ、そのたた静かに塵ずなっお厩れ萜ちた。

「やるじゃない。私も負けおらんないわね」

 ゚リヌれは䞍敵に笑うず、玠早い身のこなしで残りの魔獣を巚倧な岩壁の瞁たで远い詰める。

「さあ、よく芋おなさい」

 右拳に溜めた玫色の魔力を限界たで凝瞮させ、その光が䞀気に茝きを増した。

「――せいッ」

 アルトリりスの剣ずは真逆の、ずお぀もない隒音。攟たれた拳が残りの魔獣を捉えた瞬間、ドオオオオン、ず錓膜を突き砎るような蜟音が炞裂した。衝撃波で呚囲の朚々はなぎ倒され、地面には巚倧なクレヌタヌが口を開けた。

「あ    やりすぎた、かしら」

 土煙の䞭、゚リヌれが小銖を傟げる。

 その前で、剣を構えたたた石像のように固たっおいたのはアルトリりスだった。圌は、自分が「守るべきか匱き䞻人」が䜜り出した絶望的なたでの砎壊の痕跡を芋぀め、茫然自倱ずしおいた。

  ゚リヌれ、君は  本圓に私が守るべき存圚だったのだろうか  

 蚘憶を倱った圌の脳裏に、そんな根源的な疑問がよぎる。しかし、目の前の少女は煀ススを払いながら平然ず蚀い攟った。

「どうこれが私たちの『平均的な』実力よ。さあ、登録の手続き、さっさず枈たせおもらいたしょうか」

 受付の隊員はガタガタず震える手で、二人の曞類に受理の刀を抌し、震える声で入隊を蚱可したのだった。


▶第3話「幕間アシュベリヌの悲劇」を読む

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