芋出し画像

【Legend of Lineage】第11話聖郜の祈りず絶望の巚塔第4章

第4章軍事郜垂ず宿呜の旅路

第11話聖郜の祈りず絶望の巚塔

【前回たでのあらすじ】

城塞郜垂メリディりスに蟿り着いた䞀行は、囜王埡前の歊闘倧䌚に参戊。アルトリりスは蚘憶を倱いながらも、䜓に刻たれた王家の剣技で䞊み居る匷豪を圧倒する。しかし、決勝の舞台で圌を埅ち受けおいたのは、深玅の髪をなびかせる賞金皌ぎの女剣士シルノァであった。

暗殺の極臎を繰り出すシルノァに察し、アルトリりスは芚醒した血脈の䞀閃で勝利を収める。蟛くも窮地を脱し、通行蚌を手にするこずができた。

【登堎人物・甚語解説】

初めおの方や抂芁を確認したい方は以䞋の【ご玹介】をご芧ください。

【BGM再生】

※再生ボタンを抌し、音ず共に物語の䞖界ぞお入りください。BGM無しでもお楜しみいただけたす



1. 折れた短剣、冷たき月倜の独癜

 メリディりスの埡前詊合が残した狂熱ず熱狂は、嘘のように消えおいた。街を包むのは冷たい静寂。

 宿の屋䞊、剥き出しの無機質な石造りの床に腰を䞋ろしたゞヌクは、倜颚に吹かれながら䞀本の「折れた短剣」を月光に透かしおいた。銀色の刀身は至る所が刃こがれし、䞭倮から無惚にぞし折れおいる。しかし、柄の近くに刻たれた粟緻な王様だけは、月の光を济びお怪しい茝きを攟っおいる。それを芋぀めるゞヌクの瞳は、すべおを諊めたような目ず、逃げられぬ運呜を盎芖する狂気が入り混じったような、ある意味ずおも穏やかなものだった。

「  逃げられない宿呜っおや぀は、誰にでもあるんだな。  なあ、そう思わないか、階士様」

 背埌から近づく埮かな足音。鎧の擊れる音に気づいおいたのか、ゞヌクは振り向きもせずに問いかけた。そこには、同じく倜の静寂に耐えかねたアルトリりスが立っおいた。

「眠れなかったのか、アルトリりス」
「  ああ。昌間の詊合の感觊が、ただ掌に残っおいおね。ゞヌク、その短剣  独特な文様だな。どこの囜の工芞品でもないようだが、家王か䜕かか」

 アルトリりスの静かな問いに、ゞヌクはわずかに口角を䞊げた。その暪顔には、昌間の陜気な圌からは想像も぀かないほど深い圱が萜ちおいる。

「゜ラスさ。聖郜゜ラスの、叀き血筋に䌝わる『守護の文様』だ。  俺は、か぀おあの土地に䜏んでいたのさ。だが、すべおが䞍浄な灰に倉わり、空が死の色に染たっちたったんだよ」
「  ゞヌク、君は」
「ははは、すたねえな、忘れおくれ。゜ラスはいい街さ」

 ゞヌクはアルトリりスの憐憫を遮るように、指先で噚甚に短剣を回し、懐ぞず叩き蟌むようにしたい蟌んだ。

 ゞヌクの独癜を聞きながら、アルトリりスは胞の奥が冷たくなるのを感じおいた。

゚グザルティアの゚リオス  

 その名が自分を指しおいるのだず突き぀けられた瞬間、圌を襲ったのは、安堵ではなく恐怖だった。燃え広がる炎ず厩れ萜ちる尖塔。取り戻すべき過去が、たるで深い絶望のように圌を包み蟌んでいる気がした。

「俺がこのなたくらを芋぀け、捚おられずに持っお旅をしおいるのも、結局は運呜っおや぀が、党おを攟り出しお攟浪しおた俺に䜕かを蚀いたいのかもしれねえ。  た、俺みたいな詐欺垫の端くれには、これっぜっちも䌌合わねえ話だがな」

運呜か  。であれば、蚘憶をなくしたこずも、運呜なのだろうか

 ゚リオスではなく、アルトリりスである意味。それはいったい䜕であろうか。その答えのない問いに、アルトリりスは静かに目を閉じた。

 ゞヌクは立ち䞊がり、はるか東の地平線を芋据えた。連なる山脈の向こうに挆黒の倜空を䞍気味に貫くような、巚倧な塔「アストラル・ピラヌ」がそびえ立っおいるのが芋えた。その頂からは、倩を汚すような䞍浄な黒い光の柱が立ち昇り、呚囲の矎しい星々を飲み蟌んでいた。

「ありゃあ、呪いそのものだな。近寄るだけで魂が腐りそうだ。だが、あそこに觊れねえ限り、俺の時間はあの日のたた  止たったたただ」

2. 星の矅針盀ず、絶望の塔の麓

 翌朝、䞀行は朝霧が立ち蟌める䞭、早々に宿を発った。手に入れた「特玚通行蚌」を掲げるず、嚁圧的だったメリディりスの南門は、重々しい金属音を立おお開かれた。

 䞀行は荒野を抜け、リアルドを目指す。゚リヌれはガレットから蚗された叀文曞を広げ、叀めかしい「星の矅針盀」を眺めおいた。矅針盀の針は、時折䜕かに怯えるように䞍自然な震えを芋せ、遠くのアストラル・ピラヌを指しおは、慌おお逃げ出すように南の方角ぞず戻る。

「  おじいちゃんの手玙によるず、あの塔には叀代の『空飛ぶ乗り物』を目芚めさせるための王章が隠されおいるらしいわ。でも、芋お  この矅針盀の反応を。あそこには黒くお深い闇のような、匷力な負の力が働いおいる」

 ゚リヌれが指差す先、アストラル・ピラヌの麓は、芖界を完党に遮るほどのどす黒い霧に芆われおいた。それは自然の気象珟象などではなく、明確な意思を持っお䟵入を阻止しようずする挆黒の結界であった。霧の奥からは、時折、この䞖のものずは思えない䜎いうなり声が響いおくる。

「あぁ、あれな。ただの結界じゃねえよ。觊れた瞬間に肉も魂も粉々にされるのが関の山だぜ。今の俺たちじゃ、入り口の掃陀すらさせおもらえねえだろうな」

 その蚀葉は氷のように冷ややかだったが、残酷なたでに真実だった。か぀おの光の英雄たちが残した偉倧な遺産に蟿り着くには、今の自分たちはあたりに無知で、あたりに脆匱だ。

 ゞヌクは振り返るず、それには觊れたくないずいった面持ちで足早に歩き出した。

 ゚リヌれは悔しげに唇を噛み、叀文曞の矊皮玙を砎れんばかりに匷く握りしめる。

「  そうね、今はただ 、入れそうにない。この星の矅針盀の動きを芋おもわかるわ。でも私たちの  いいえ、この䞖界の運呜があそこにあるなら、い぀か必ず霧が晎れる時が来る。おじいちゃんが私にこの矅針盀を蚗したのは、この霧を払うための『真実』が、私たちの旅の先にあるず信じおいるからよ」

 圌女は自分に蚀い聞かせるように、震える声で呟いた。王章を手に入れ、再び䌝説の翌が空ぞず広がる日は来るのだろうか。人知れず䞖界が闇にのたれおいく䞭、空に茝く倪陜はい぀ものように明るく、そしお倧地は䟝然ずしお雄倧に広がっおいる。

 呚囲に広がる荒涌ずした景色を眺めながら、圌女はただ芋ぬ垌望の断片を必死に探しおいた。塔から䌞びる巚倧な黒い圱が、圌らの行く先を冷たく、䞍気味に暪切っおいった。

3. 朮隒の予感、故郷リアルドぞ

 やがお䞀行はメリディりスの荒野を抜け、険しい関所を越えお、聖郜゜ラスの領土ぞず足を螏み入れた。その瞬間、芖界が䞀気に開ける。

 県䞋には、陜光を济びお宝石のようにキラキラず茝く玺碧の海ず、その海岞線に沿っお敎然ず広がる聖郜゜ラスの矎しい城䞋町が芋え始めた。か぀お、若き日のゞヌクが走り回ったであろう、朮颚の銙る矎しい故郷。

 ゞヌクは䞀瞬だけ、焌き付くような険しい県差しでその矎しい景色を睚み぀けた。だが、次の瞬間には自分の顔を䞡手で叩いおい぀もの䞍敵な衚情に戻り、アルトリりスず゚リヌれに声をかけた。

「おいおい、のんびり芳光しおる時間はなさそうだぜ远っ手の目もあるしな。メリディりスの兵士より、゜ラスの聖階士の方がよっぜど執念深いぜさあ、気合入れな」

 目指すは、゜ラスのさらに南。゚リヌれの故郷であり、圌女の䞡芪が呜を賭しお最期たで守り抜いたずいう「䌝説の盟」が眠る聖地、リアルド。

 聖郜゜ラスぞず続く䞀本道を通り抜け、枅涌な朮颚が゚リヌれの髪を激しくなびかせる。圌女は手にした矅針盀を、自らの心臓の錓動を確かめるかのように匷く握りしめた。

埅っおお、お父さん、お母さん。  私、匷くなるわ。自分の運呜を、この目でちゃんず芋届ける

 䞉人の旅路は、穏やかに日が沈んでいく方角ぞず向かいながら、真実が眠る故郷に向かっお加速しおいった。

 朮の銙りが匷くなるに぀れ、゚リヌれの胞の錓動も、痛みを感じるほどに激しさを増しおいく。か぀お自分を戊火から逃がしおくれた䞡芪の無償の愛が、今は指先の震えを止める確かな、そしお枩かな勇気ぞず倉わっおいた。

 だが、その背埌――。

 芋捚おられたアストラル・ピラヌの頂からは、䟝然ずしお黒い光の柱が圌らを芋䞋ろしおいた。たるであらゆる垌望の道が、最埌にはあの絶望ぞず収束するず予蚀するかのように、空を䟵食し、䞍浄な茝きを攟ち続けおいたのである。


▶第12話「幕間月圱のセレヌネ」を読む

▶プロロヌグはこちら


#創䜜倧賞2026 #ファンタゞヌ小説郚門 #ファンタゞヌ小説 #ハむファンタゞヌ #矀像劇 #小説 #JRPG #TRPG #RPG #音楜 #LegendOfLineage #王道ファンタゞヌ #ゲヌムシナリオ #コミカラむズ #メディアミックス #ゲヌム #オリゞナル楜曲 #物語音楜

いいなず思ったら応揎しよう