
文化摩擦を設計で解く ─ 銀座マナーブック制作記録⑤
仕事場の記憶 Vol.18—注意を“提案”に変えるための、言葉と伝え方の設計。
このシリーズは、私が長年立ち続けてきた“現場”の記憶です。
変化の激しい時代の中で、自分がこれまでどんな現場に立ち、どんな熱狂を作ってきた人間なのか。その足跡を具体的に残すために、この「仕事場の記憶」を綴っています。
光と音の温度、人の表情、空気の重さ――言葉では残らないものを記録しています。
どう伝えるか。
注意を“提案”に変えた
優先順位が決まり、冊子の骨格が見えた。
だが、最後にもう一つ、大きな判断が残っていた。
どう伝えるか。
内容が正しくても、伝わらなければ意味がない。
強く言えば反発が生まれる。
弱すぎれば届かない。
注意を、提案に変える必要があった。
言葉はできるだけ命令形を避けた。
「〜しないでください」ではなく、
「〜しましょう」に近づける。