
文化摩擦を設計で解く ─ 銀座マナーブック制作記録③
仕事場の記憶 Vol.16—問題を“国”ではなく“行為”で分解するという設計。
このシリーズは、私が長年立ち続けてきた“現場”の記憶です。
変化の激しい時代の中で、自分がこれまでどんな現場に立ち、どんな熱狂を作ってきた人間なのか。その足跡を具体的に残すために、この「仕事場の記憶」を綴っています。
光と音の温度、人の表情、空気の重さ――言葉では残らないものを記録しています。
問題を“国”ではなく“行為”で分解する
聞き取りを終えた段階で、声は十分に集まっていた。
だが、声のままでは設計にならない。
次に必要だったのは、分類だった。
最初に決めたのは、
国籍で整理しないということだった。
「中国人の問題」「台湾人の問題」という整理は、
分かりやすい。だが、粗い。
同じ中国語圏でも世代差は大きい。
個人旅行者と団体客では行動が違う。
訪問回数によっても理解度は異なる。
国で分類すると境界が生まれる。
行為で分類すると接点が見える。
私たちは後者を選んだ。