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暮らしの森|森で一番整わない人|メイ

    ─ メイという生き方 ─

    朝の森は、やわらかな光に包まれていた。

    木の幹のふもとに、小さな家がある。
    苔の屋根、丸い扉、小さなポスト。
    まるで森が自分で作ったみたいな家。

    まだ眠そうな目をこすりながら出てきたのは──メイ。

    メイの家は外観こそ可愛いが
    中は嵐が過ぎた後のよう。

    机には読みかけの本の山。
    床にはチラシと脱ぎっぱなしの服。
    郵便物も、だいたい机の山に混ざっていく。

    そして、その静かな朝を破った第一声。

    「あ!新作の発売日いつだっけ?」

    メイは机の上を慌ただしく探し始める。
    あったはずのチラシが、山になった郵便物に埋もれて見つからない。

    お目当てのものを探していたはずなのに、
    棚の上にお菓子を見つけてしまう。

    「あ、これ美味しいやつじゃん」

    目的は一瞬で消え、ソファに沈み込む。

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    整頓されていない空間でも、
    彼女は気にせず、いつも通りに過ごす。
    散らかっているけれど、困ってはいない。

    ──少なくとも、今のところは。

    そこにモコがやってきた。
    「メイ、今日も忙しそうモコ」

    振り返って笑うメイ。
    「そう?でもこれくらいの方が森の風景に馴染む感じでしょ?」

    モコは、とびきりの笑顔で頷く。

    「じゃあ一緒に散歩に行くモコ」

    「オッケー!」

    メイは親指を立てる。

    床に広がったままの紙と服をそのままに、
    ふたりは森の奥へと消えていった。

    ◆

    夕方。戻ってきたメイは、
    部屋の入口で一瞬だけ立ち止まる。

    「あれ、何してたんだっけ?」

    メイは少しだけ眉を寄せる。

    「……ま、いっか」

    そう言って、届いたばかりの郵便物を机の山に置いた。

    ──メイの部屋は今日も片付かない。

    けれど、何かが少しずつ積み上がっていることをメイはまだ知らない。

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    「暮らしの森」を見守る管理人🌳 1話2〜3分の小さな連作。森の住人たちの日常に、家事・暮らしのヒントや小さな発見を混ぜて綴っています。 人とのつながりが物語になり、歩いた足跡が森の地図になっていく。 読む場所ではなく、帰ってこられる場所を目指して🕯️

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