暮らしの森|どろんこ|モコ
朝の森に、やわらかな光が差し込んでいた。小鳥の声と、遠くを流れる川の音も聞こえてくる。
大きな木の下で朝日を浴びていたモコは、ゆっくり伸びをした。
「ふわぁ〜。おはようモコ」

「今日もあったかいモコ」
ぽかぽかした森を歩いていると、木の根元でリスが何かを拾っているのが見えた。
丸い木の実を見つけては、嬉しそうに両手で抱えている。
モコはしばらく眺めていた。
「モコもほしいモコ」
するとリスは、集めた木の実の中からひとつ選んで、モコに差し出してくれた。
「わぁ。ありがとうモコ」
もらった木の実を大事に握ると、なんだか胸までぽかぽかしてきた。
「一緒に集めるモコ?」
リスがうなずいた。
それから二人は、どちらがたくさん見つけられるか競争することにした。
森のあちこちを走り回って、木の実を見つけるたびに顔を見合わせる。
「こっちにもあったモコ!」
夢中になって走っていた、そのときだった。
「わっ!」
足元のぬかるみに気づかず、モコはそのまま尻もちをついた。
服もほっぺも泥だらけになってしまった。
一瞬しんとしたあと、モコは自分の手を眺める。
「……どろんこモコ」
それから、えへへと笑った。
リスも隣でぴょんぴょん跳ねている。
モコもつられて笑った。
森には、楽しそうな声が響いていた。
