
壁に囲まれて
壁のいたずら書きが
責め立てる
見たくないから目をつぶる
気づけばすべてが囲まれて
壁は言葉を食べて肥えて
やがて巨大なビルになる
壁に書かれた言葉同士がもめて
僕をすり抜けぶつかって
火の粉が落ちてくる
落書きは
救いの手を差しだしてくる。
手首に固い輪の跡
目を閉じて
耳をふさいで
光も音も遠ざける
痛みでできた水たまり
答えは浮き沈みしながら
静かな波をつくる
暴言
妄想
嘘
纏った手を
叫びながら振り払う
揺らぐ答え
そっと触れる
指先でできる波紋
たとえ違う答えでも
言葉を足して
余白の壁に投げつける
壁がわずかに揺れ
小さなひびが
刻まれた