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Photo byyrs_12_4

朚工の飛行機②

    䞭孊、高校を卒業しお、倧孊受隓に倱敗しお予備校生ずなっおいた僕が、迎えたゎヌルデンりィヌク。
    勉匷しなければならないはずだが僕は、商店街のパチンコ屋の地䞋にあるゲヌムセンタヌにいた。
    誰か友達がいるかず思ったが、姿はなく、なんずなく長くできるゲヌムをしおいた。
    そこぞ“ゞャむアン”がやっおきた。
    小孊校からの同玚生で、ドラえもんのゞャむアンずそっくりな性栌で、そのたたあだ名になったSずいう友人だった。

    小孊校を卒業するず、二぀の䞭孊にわかれるのが、僕らの䜏んでいた孊区域の仕組みだった。
    どちらかずいうず盞撲だ、プロレスだず投げ飛ばされおいた僕だが、䞭孊ぞ入るず察等に付き合う芪しい友人になっおいた。
    ただ180センチたで倧きくなった僕よりも、さらに倧きく芋かけの迫力は倉わらなかった。

    レヌシングゲヌムをしおいた僕のずころに、ゞャむアンはやっおきお、
    「Rちゃんが死んだぞ」
    「え」
    画面の䞭で、車がクラッシュした。

    Rちゃんは運動神経が良く、野球垜をかぶらずに、海倖のサッカヌを奜んだ目立぀同玚生で、僕やゞャむアンずは違う䞭孊ぞ進んだ。
    兄がいたせいか、髪の毛もしっかりセットしお、小孊生のずきから「アディダス」を着おいた倧人っぜさもあった。

    違う䞭孊に進んだが、䞀番近い孊校で、亀流がある友人もいたからRちゃんの噂は入っおきおいた。
    Rちゃんは、高校を䞭退するず、流れのたたにテキダの組員になったず聞いおいた。

    時折、商店街にある喫茶店で顔を合わせるこずもあった。
    その䞖界の人らしい迫力を醞し出しおいたが、僕やゞャむアンに気づくず、目が優しくなり、笑顔で挚拶を亀わした。
    ただ、どんなずきも二蚀䞉蚀話すだけで、Rちゃんは遠目の垭に座り、距離を取っおいた。
    蟛いずきに優しく声をかけおくれた小孊生の頃を思い出す。
    繊现な男らしい気遣いだったのかもしれない。
    そのRちゃんが死んだずいう。

    「昚日、お通倜だったんだ、お前にも電話したんだけど」
    「ああ、昚日は家族ず出掛けおいた」
    「でも行かなくおよかったよ。今日これから告別匏だけど、俺もいかない」
    「なんで」
    僕ず入れ替わるように、レヌシングゲヌムのシヌトに座ったゞャむアンが、100円を入れるず画面がスタヌトボタンに代わった。
    䞡芪が共働きで、ふんだんにお小遣いをもらっおいお、さらに䜓の倧きさを利甚しおパチンコでそれを増やしおいたゞャむアンは、慣れた感じでハンドルを操䜜しながら、
    「家族もよそ者みたいに扱われる“組仕切り”の葬匏だぞ。きっず金も党郚匕き䞊げちゃうんだ。知っおいる顔もいたけど、俺も焌銙しおすぐに垰ったよ」
    ゞャむアンはコヌスをクリアしながら、
    「心臓に穎が空いおいたらしい。手術しなければならなかったんだけど、先延ばしにしおいたんだず。同棲しおいた圌女が朝気づいたら死んでたっお。バカだよな 」
    ゞャむアンはコヌスアりトをわざずしお、ゲヌムオヌバヌになった。

    しばらく顔を芋おいなかったRちゃんの死は、ピンずこないものだった。
    たださすがにその倜は眠れず、朝から予備校に向かった。

    高校のずきに満員電車で懲りた僕は、予備校の授業も午埌ばかり取っおいた。
    しばらく行っおいなかった朝の駅。
    倚くの人が立っおいるホヌム、少しでも人の少ないずころをずいっおも、そう倉わりはなく真ん䞭ぐらいで電車を埅った。

    各駅停車だが、満員電車ずいっおもいい人が乗っおいるのが芋えお、埌悔しながらそれでも電車に乗るず、窓際にいたのがT先生だった。

    思わず、
    「先生」
    ず声をかけた。
    䞋を向いおいたT先生が、顔をあげお僕を芋るず、すぐに名前を呌んでくれた。
    「芚えおくれおいたんですか」
    「卒業生はなんか忘れられないからな、でも電車で䌚うのは初めおだ」
    「どうしお、電車に」
    「今日は研修があっおな」
    「確か ずかず同玚だったよな」
    ゞャむアンの名前が出お少しホッずした。
    「そうです、ゞャむアンず䞀緒です」
    「今でも䌚っおいるのか」
    「倧人しくなっお、今は仲良くやっおたす。背も倧きくなったでしょ」
    T先生は僕を芋あげお、
    「あの頃は小さかったもんな」
    ず笑った。
    「でもゞャむアンは、今でも僕より倧きいんですよ」
    「そうか 」
    ず少し考えごずをしおいるようだった。

    思い出さないはずはない。
    䜕しろRちゃんは目立぀生埒だった。
    T先生からの問いはRちゃんのこずになった。
    どうしようかず思いながらも、隠しおも仕方がないず、
    「実は先日亡くなられたした」
    「えどうしお」
    「病気だったようです」
    組員になっおいたこずは䌏せた。
    みるみるうちに先生の目は赀くなっおいった。
    「そうか 」
    涙をこがすたいず顔をあげお電車の倩井を芋䞊げおいた。

    そこから䞉぀ほど先の駅でT先生が降りた。
    その時に、
    「元気で 元気でいるんだぞ」
    ず蚀い、少し曲がった背䞭でホヌムぞ降りた。

    ゞャむアンに話そうかず思ったが、
    「気味が悪いこず蚀うな」
    ずいわれそうなのでやめた。
    偶然にしおは出来すぎだ。
    あの時間に電車ぞ乗った、ドアを遞んだのも偶然だ。
    ただ、こういうこずっおあるんだず劙に玍埗しおしたった。
    生意気ずいう先生もいたが、T先生はRちゃんの個性を認めおいた。
    「サッカヌ頑匵れよ」
    ず声をかけたのも芚えおいる。

    Rちゃんが卒業の時にもらった朚工の飛行機は、スマヌトでいかにもスピヌドが出そうなものだった。
    僕の小さく小回りが利くような圢ずは違った。

    あの朚工の飛行機を今でも持っおいるクラスメむトはいないのかもしれない。
    それぐらい小さなもので、持っおいおも抌し入れの䞭で眠っおいるぐらいだろう。
    思い出すこずもないかもしれない。
    ただ僕はRちゃんのこずを聞いたずき、の遺圱ず朚工の飛行機を思い出した。
    探したけれど、芋぀からなかった。

    「なんで飛行機なんですか」
    あたり興味なさそうな女生埒が先生に聞いた。
    「みんながい぀か旅立぀ずきのお守りだ」
    それはきっず䞖の䞭にずいう意味だったのだろう。
    ただRちゃんは、別の意味で飛んで行っおしたった。
    僕はい぀、どんな圢で飛び立぀のだろう。

    飛行機が空を飛んでいた。
    どこぞ行くのか、僕は知らない。

     
     
    芳察型コラムニスト゚ッセむスト 詊合ず日垞の「流れ」を曞く 「スワロヌズ芳察日蚘」 「玘野涌のフリヌハンド」

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