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Photo bysao7878

未来の自分は他人

    過去の自分は別人だ。
    経験は知恵となり、記憶は思い出になる。
    それらは体や心、頭の中に残っていく。
    けれど、過去の自分がもっていた感情だけは思い出せない。

    エピソードは思い出せても、
    頭に血が上るような怒りが湧き上がることもなく、
    胸が締め付けられるような悲しみが押し寄せることもなく、
    叫びたくなるような喜びがやってくることもない。
    ただ怒り、悲しみ、喜びの出来事を思い出すだけで、
    そのときと同じような感覚を呼び戻すことは出来ない。

    過去は自分のものでありながら、
    美化して何とかごまかそうとするが、
    事実は曲がらず、
    時に頼んで忘れさせてもらうしかない。

    今だけが自分自身でいられる時だ。
    だからといって「今を精一杯生きろ」などと熱いことは言わない。
    ただそれを知っているかどうかで随分変るのではないかと思う。

    今の自分が嫌なら、
    変る努力をすればいい。
    今の自分が好きなら、
    明日からもっと大事にすればいい。
    それらが希望を持つ力となる。

    過去の自分も別人だ。
    そしてまた、
    未来の自分もまた別人。
    希望は未来にしか存在しない。
    過去は支えになるが今の真実ではない。

     
     
     
    観察型コラムニスト/エッセイスト| 試合と日常の「流れ」を書く 「スワローズ観察日記R」 「紘野涼のフリーハンド」

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