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Photo byazusa_k1235

たばこを持つ手

    実験授業の準備室
    テーブルの上には缶ピース
    紫煙天井に向かってゆらゆらと
    背中がおいしいというように

    夏はランニングシャツ
    渡り廊下でなびいた白衣だけ
    授業の挨拶はなし
    チャイムが鳴るとさっさと出ていった

    迷惑にならないいたずらで
    正座させられていた僕たちを
    笑いながら通り過ぎた

    言葉の上げ足を取ると
    褒めてくれて
    笑いを膨らませた

    説教中に
    トイレへ行きたいと手が上がる
    笑って
    もう終わりだと背中を向けた

    どんなに小さくても
    嘘やごまかしは
    だれでも平手が飛んだ

    グレてた同級生のリーゼント
    毎朝掴んで怒鳴っていた

    愛車を大事に乗っていた
    愛妻弁当を自慢する
    おかずをこぼしたシミのあと
    白衣はたばこ臭かった

    卒業式には
    ネクタイ締めて
    校門で生徒に囲まれて
    ひとりひとりに
    がんばれと
    握手にすべて応えてた

    きっとひとりになったとき
    腫れた手に缶ピース
    たばこを吸いながら
    ネクタイ緩めていただろう

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