
別れの時にありがとうを
「ありがとう」といわれるより、
「ありがとう」ということが多い方がいい。
あの人はそういった。
感謝されることは嬉しいことだ。
でもそれが重なれば人は弱い。
当然に思え、
傲慢になり、
「ありがとう」
という言葉に何も感じなくなってしまう。
人の言葉や、
態度や行動、
そのことに敏感でいれば、
自然に「ありがとう」という言葉が口をついて出るはずだ。
感謝されるより、
感謝する日々を送りなさい。
自分がどれだけ、
誰かの助けを得ているかわかるはずだから。
優しい気持ちになれるはずだから。
そういったあの人は、
相手の年齢、
立場関係なく、
自然に「ありがとう」という人だった。
別れが苦手な寂しがり屋で、
さよならを言うのは苦手な人だったから、
最後は涙を一筋流して、
逝ってしまったけど、
「ありがとう」
という言葉は、たくさん聞いた気がする。
聞こえているかわからないあの人へ、
最期に
「ありがとう」
といったのは、
そう教わってきたからかもしれない。