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Photo bybp31

ひまつぶし

    そりゃぁ、死にたいって思ったことは何度もあるよ。
    でも、オレに生きていて欲しいという人がひとりでもいたら、寂しくはないだろう?

    死んだら三途の川っていうのを渡るらしい。
    そこにはきっと船があるんだろう。
    もし人に運命というものがあるんなら、
    きっと自分が乗る船は決まっているんだろう。
    その船には、一緒に乗る人や動物やものが、たくさん積まれるんだろうね。

    でももし自分で命を絶ってしまったらどうなる?
    船はまだ来ていなくて、ずっとひとりで待っていなきゃならない。
    自分のわがままで、自分の人生を終わらせた人間のために、船を迎えに寄越してくれるほど、あっちの人も暇じゃないだろう。

    そしたら寂しいよね。
    ずっと船が来るまでひとりだよ。
    川の前だというけれど、
    こっちの世界のように、
    音があるとは限らないし、光が射すこともないかもしれない。
    そんなところにひとり、
    寂しいと思わないか。

    生きていれば、
    どんなに孤独になろうとしても、
    外へ出れば、誰かとすれ違うこともあるだろう。
    いくら部屋に引き篭もっていても、
    どこからか音が聞こえ、光は窓の隙間から射しこんでくる。

    生きていることが嫌になったら、
    暇つぶしをしていると思えばいい。
    そしたら嫌な出来事も、
    辛いことも、
    きっと孤独よりマシだと思えるから。

    難しく考えることはないんだよ。
    いずれ迎えの船が来るまでの、
    生きてることは暇つぶし。
    ひとりで寂しく、船を待つよりよっぽどいいよ。
    だって向こうにはなにもないんだから。

    会いたいと思える人がいて、
    会いたいと思ってくれる人がいて、
    そんな人がひとりでもいれば、
    孤独なはずはないんだから。

     
     
     
    観察型コラムニスト/エッセイスト| 試合と日常の「流れ」を書く 「スワローズ観察日記R」 「紘野涼のフリーハンド」

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