
自分がされて嫌なことはやらない(『論語』公冶長篇)
今回取り上げるのは『論語』公冶長(こうやちょう)篇からの言葉。
我、人の諸を我に加うるを欲せざるは、吾もまた諸を人に加うることなからんと欲す
(読み:ワレ、ヒトのコレをワレにクワうるをホッせざるは、ワレもまたコレをヒトにクワうることなからんとホッす)
他人が自分にやって欲しくないことは、私もまた他人にすることがないようにしたい、という意味。
相手への思いやりの心を大事にしたいということですね。
これは孔子の弟子の子貢(しこう)が語った言葉ですが、『論語』衛霊公篇にも同様の意味の言葉があります。
己れの欲せざる所を人に施すこと勿かれ
(オノれのホッせざるトコロをヒトにホドコすことナかれ)
こちらは、孔子が「恕(じょ)」、つまりは思いやりの心について説明した言葉です。
自分がされてほしくないことは相手にもしてはいけないということですね。
孔子はこの「恕」を、死ぬまで続けるべき大切なこととしています。
今でも「自分がされて嫌なことは相手にもやってはいけない」とよく言われますが、2500年ほど昔から大事にされてきた教えなのです。
このあたりに、『論語』が古代から長く読み継がれてきた普遍的な理由がある気がします。
社会で生きていると、人同士のやり取りは必ず発生します。
人付き合いが苦手な人もいるでしょう。
(私も苦手です・・・)
相手と会話するときに、どのようにしたら良いか分からなくなってしまうこともあるかもしれません。
ですが、必要以上に不安がらなくても大丈夫です。
大事なのは相手を思いやる気持ちなのですから。
うまく話せなくても構いません。
まずは相手の立場になって考えることを意識してみましょう。
どういうことをされたら嫌な気分になるのか?
どういうことが起きると大変なのか?
そうやって考えていけば、「何をしたらダメなのか」が分かるようになってきます。
あとは、相手がされて嫌なことをやらないようにすればOK。
何をしたらダメなのかが分かれば、今までよりも行動しやくなるはずです。
我、人の諸を我に加うるを欲せざるは、吾もまた諸を人に加うることなからんと欲す
(読み:ワレ、ヒトのコレをワレにクワうるをホッせざるは、ワレもまたコレをヒトにクワうることなからんとホッす)
自分がされて嫌なことは相手にもしないようにする、という言葉。
2500年前から変わらない、コミュニケーションの基本です。
当たり前すぎるが故にかえって忘れがちになるので、改めて意識しなおそうと思います。
中国古典が初めてという方には、分かりやすい現代語訳・原文・解説で楽しく読める「ビギナーズ・クラシックス」シリーズがおすすめです。