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【番外編】答えの出ない問いを抱えたまま

春になって、少しあたたかくなると
主人の釣りのお供で川に行きます。

何気ないその時間の中で、
ふと、思い出す出来事があります。

あのとき、
「連れて帰る」という選択に、
迷いはありませんでした。

家にはリクガメがいて、
カメは特別な存在ではなかったこと。

そして私は、子どもの頃から
何でも連れて帰ってきてしまう性格だったこと。


__________🌿__________

思い出す場所

昨年、川で一匹のクサガメに出会いました。


両方の足を失っていました。


どうして、こんな姿でここにいるのだろう。
濁流だったのか。
野生動物だったのか。
それとも、人の手を離れてしまったのか。

本当のことは、わかりません。

迷いはなかった


主人が見つけ、
その話を聞いたとき、
迷いはありませんでした。

「連れて帰ってきて。」

家に来たその子を見たとき、
小さな体で、ただ静かに息をしていました。

小次郎、と名付けました。

きっと誰かに飼われていた。
そう思うほど、人を怖がりませんでした。

でも、ごはんを食べませんでした。

静かな違和感


口元に運んでも、
匂いを近づけても、
ただ、静かでした。

3日程経った日、
ちくわをあげてみた。
始めて食べてくれた。

やっぱり飼われてた子なんだ…


両足から骨が剥き出しの姿。

病院にも連れていき、
小まめに消毒。
移動しやすいように
スロープも設置。
できることはしたつもりです。


それでも、
少しずつ、少しずつ、
命の灯りが弱くなっていくのを感じていました。

ほんのわずかな時間。

それでも、小次郎は家族でした。

答えの出ない問い


旅立ったあと、
心に残ったのは悲しみと同時に
ひとつの問いでした。

「連れて帰らない方が、幸せだったのかな」

川にいたままのほうがよかったのか。
自然のまま、そっと終わる方がよかったのか。

何度も、何度も考えました。

今も、答えは出ていません。

でも、ひとつだけ言えること

小次郎は、
誰にも知られずに消えていく命ではありませんでした。

心配されて、
悩まれて、
名前もあって、
見送られた命でした。


それが、幸せだったのかどうかはわからない。


でも私は、
あの子を忘れないでいる。
もちろん娘たちも。


忘れないという選択を、
私は続けていこうと思います。

小次郎にそっくりで☝️衝動買いしてしまった…



もし、あなたがあの場にいたら。
あなたなら、どうしましたか。

連れて帰りますか。
それとも、見送りますか。

命に、正解はあるのでしょうか。

私は今も、その問いを抱えたままです。




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