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届かない場所で鳴る神鳴り

    雨乞いし 遠くに響く 神鳴りは
    届かぬ恋の やるせない夕

    こと乃葉しんじ

    隣町では雷が鳴り、雨が降っているというのに、自分のいる場所にだけ降らない。昨年の夏、そんな日がありました。
    そのもどかしさは、まるで届かない恋のように思えました。

    切に願っても、思い人はどこか他へ行ってしまう。『雨』を恋しく思っても、神のいたずらか、采配か、その存在をただ遠くに感じるだけ。そんな切なさを覚えるのは、だいたい夕暮れ時でした。

    この短歌は、昨年の夏に詠んだものです。そしてまた同じような季節が巡ってきたとき、私はこの詩を思い出しました。

    あのとき届かなかった祈りや、やるせなさは、ただ消えてしまったわけではありません。それは少し形を変え、今の自分を育てる光になっていたのだと思います。

    この楽曲は、そんな祈りをもう一度すくい上げるようにして創りました。

    太鼓の音を、遠くで鳴り続ける神鳴りに見立てました。近づきそうで近づかない、けれど確かにそこにある音。それは想い人の心音でもあります。

    傍に聞こえる、けれどもその優しさは私のもとには届かない。そんな届かない恋の焦れったさを、この音に託しています。

    「神鳴り(かみなり)」とは、雷(かみなり)の語源となった言葉のようです。
    日本には八百万の神という考え方があります。雷は、私にとっては天の鼓動のように思えます。神の音、あるいは神の声と言ってもいいかもしれません。そんな想いの中で、神鳴りという言葉が実際あることを知らず、導かれるようにこの言葉を選んでいました。

    【歌詞】

    大地に立てば 乾いた土
    祈るように 空を仰いだ
    隣の町じゃ 雨が降るのに
    ここにはまだ 一滴もない

    遠くに響く 神鳴りの音
    届きそうで 届かない

    雨よ降れ この胸に降れ
    届かぬ恋のように
    遠く光る あの雲は
    今日も私を 素通りする

    やるせない 夕焼けの色
    染まる頬に つたう涙

    思い人よ どこにいるのか
    呼べど声は 風に消され
    神のいたずらか 采配か
    遠ざかるほど 焦がれてゆく

    遠くに響く 神鳴りの音
    届きそうで 届かない

    雨よ降れ この胸に降れ
    届かぬ恋のように
    遠く光る あの雲は
    今日も私を 素通りする

    やるせない 夕焼けの色
    染まる頬に つたう涙

    どうか一度 振り向いて
    乾いたこの手 掴んでほしい
    それでも空は 知らぬふり
    夕暮れだけが そっと包む

    雨よ降れ この胸に降れ
    届かぬ恋なら 洗い流して
    遠く光る あの雲が
    いつか私を はぐくむ光に

    やるせない 夕焼けの色
    静かな夜に 溶けてゆく

    祈っても、雨は降らないことがあります。
    恋しく思っても、届かないことがあります。

    けれど、届かなかった想いが、そのまま消えてなくなるわけではないのです。心の中に残ったものが、いつか自らを成長させる光に変わっていくのだと、そう思います。

    この歌があなたの渇きにも、ほんの少し雨を届けられたら嬉しいです。


    ※短歌・歌詞は本人による創作です。作曲・歌唱にはSuno AIを使用しています。

    #創作大賞2026 #オールカテゴリ部門 #短歌 #SunoAI #こと乃葉しんじ


     
     
    ​自然との調和で見つけた情景や哲学を、詩、エッセイ、音楽へと昇華しています。 日々の愛おしい一コマを描く四コマ漫画も制作しています。 AIを相棒に、山里の風や水の流れ、心の内にある景色を表現。 訪れてくれた方の心に、そっと温かな火を灯すような作品(場所)を目指しています。

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