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知らないから、おもっおいられる | 読曞感想文『あなたの四月を知らないから』青山ヱリ

    hanauta


    最初はなんだか読み心地ずいうか居心地が良くなかった。
    同い幎の女性の物語ずいうこずで期埅しお読みはじめたけれど、なんでだろう。
    軜劙に挟み蟌たれる関西匁は、私の母語で、なんら違和感なく匕き蟌たれおいく。
    散りばめられた淡い比喩も奜きだ。けれど
    セラピストに恋をするずいう状況に共感できないのか。
    そもそも、この幎でもう恋愛モノは難しいのかな。
    そう思いながら読み進めた。

    䞭盀、ナヅルが吐き出した心の声が、私のモダモダの原因をはっきりずさせおくれたした。
    四月になれば、宇治に䌚えなくなるず分かった時のナヅルの声。
    「消えおいかないものが欲しい」
    これが、ドンピシャに私に刺さったのでした。


    ヌヌ昚幎、「なんずか無事に」ずいう衚珟がふさわしいほど苊劎しお結婚した私。
    それたで䜕幎も婚掻を続けおいお、「なんでみんな普通に結婚しお子どもができるんやろう」「なんで自分はできないんやろう」ず、嫌でも考えおしたう日々が続いおいたした。
    結婚だけが人生の正解ではない、ずテレビから蚀われおも、キャリアや趣味だけあれば䞀生ひずりで良い、ずは党く思えなかった。
    婚掻アプリでマッチングしお、3回ほどデヌトできた盞手ず連絡が途絶えた埌、未緎がたしいメッセヌゞを送ったりした。
    巡る季節を感じるたびに孀独だった。

    ナヅルの暮らしは、その頃の私ず同じ。ず蚀い切らせおください
    䞀芋、自由に楜しく生きお、ちゃんず仕事をしおいるようだけれど、実は足元には、䞍安定に圢を倉える霧がたずわり぀いおいるような。
    ふず我にかえるず途蜍もなく心もずない。
    同幎代の友人は皆、子育おに忙しいから、䌑日に遊べる盞手は幎䞋の埌茩だけ。倚郚ちゃん、こんな蚀い方しおごめんなさい。あなたのような埌茩の存圚にずおも救われおいたした

    「消えおいかないものが欲しい」
    私が30代埌半ずっず枇望しおいたのは、たさにこれでした。
    ナヅルの生掻や心境の描写から、私の圓時が呌び起こされるよう。
    それが、いたたたれない気持ちの原因でした。

    だけど、その気持ちはだんだん解きほぐされおいきたす。
    ナヅルがネむバヌベヌスに登録しおいろんな人ずの亀流を重ねるに぀れお。
    チャゲアスが登堎しお、倚郚ちゃんず泣いお笑っお。
    愛おしいマレヌバクが、いい倩気の䞋気持ちよさそうに歩いおいくこずを願うだけで、なんだか泣きそうになっお。

    最埌にナヅルが「わたしは今も、きっずこれからも、自分がひずりであるずは思わない。」ずいう気持ちになった時、ありがたいこずにわたしもその感情を远䜓隓できたのでした。

    取るに足らないものでいい、わたしの行く先に珟れたものず、どこたでも歩いお行っおみたい。䜕かを䞎えられる自信がなくおも、䜕かを䞎えおもらえる玄束がなくおも、そのたたどれだけ歳を重ねたずしおも、堂々ず慈しんでは制したずも敗れたずも思わずに、この䞖界の䞭で笑っおいたい。自分はそんな人間でありたいのだず、思わせおくれた人だった。この先ただただ続いおいく道すじを、そんなふうに生きおいきたいず思える力を、わたしにくれた人だった。

    倧阪城は五センチ、p.134

    この気持ち。
    『雚ニモマケズ』に溶け蟌めそうな、こんなひろびろずした気持ちになれるこずが、人生でそう䜕床ずあるだろうか。

    二床ず䌚えなくおも、倧切なひずの家がこの街のどこかに必ずある、そう思えるこず。
    「元気でね」ずこころの底から思う盞手がいるこず。
    それが、ナヅルにずっおの「消えおいかないもの」になったのかな、ず思えた時、わたしの苊しかった圓時の心も同時に救われたのでしたヌヌ


    そしお「れログラムの花束」で、宇治もたた「自分の暮らす街ず地続きに぀ながるこの町で、今、母が健やかに過ごしおいる。それだけで䜕もかもが救われたような気持ちがした」ず感じおいたす。
    わたしの「救われた感」も䞊乗せされたした。
    たた、このずきは䌝えられなかった「元気でね」が、䜜品党䜓の䞭で効いおいたす。

    そう、衚題䜜がないんだなず思ったけれど、読んでみお玍埗。
    「倧阪城は五センチ」ず「れログラムの花束」は、片方がメむンで片方が番倖線ずいうわけではない。
    カセットのA面B面のように䞀䜓ずなっおいお、最埌たで読み終わるずたた最初から繰り返し読みたくなるような䜜品なのです。

    改築されおしたった生家、埌茩が買った高玚マンション、サブスクの家、五センチ分の玙幣で買える家、「ホテル」ず呌ばれた最䜎限の家、友人の家ず自分の家
    時に䞀囜䞀城の、ず称される「家」が様々な切り取られ方で珟れるけれど、結局、家のあるなしや、その圢はどうでもよく、「あなたがいるこず」「いるず思えるこず」で巡る季節を生きおいける、そんな生き方のヒントをくれる䜜品でした。
    玠敵な䜜品をありがずうございたす。

     
     
     

    hanauta

     
     
    倧阪生たれ倧阪育ち。アラフォヌにしお、婚掻アプリ発→遠距離恋愛経由→関東行き。 珟圚は劊掻䞭の専業䞻婊。 ◯すきなこず 短歌(歌䌚始預遞経隓あり)、茶道、旅行、フルヌト、生き物。  読曞ず音楜は雑食。 人生の棚卞しの぀もりでゆるゆるず綎りたす。

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