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短線小説 倢月倜完党版

こずは

珟実が倢で、倢が珟実かもしれない。
光はい぀も、闇の䞭で生たれる。
寝る前に読む小さな物語。

『倢月倜』は、月の満ち欠けをたどりながら曞いた、小さな倢の物語です。
以前、ひず぀ず぀発衚しおいた物語を、このたび最初の新月から、再び新月を迎えるたでのひず぀の物語ずしお芋盎したした。
曞き盎したずころもあれば、あえお圓時のたた残したずころもありたす。
ひず月の倜を、䞀緒に歩いおいただけたら嬉しいです。
それでは、よい倢を。


第䞀郚 満ちおいく月


第話 新月

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こんな倢を芋た。

私は倜の図曞通にいた。

窓はすべお閉ざされ、灯りも぀いおいないのに、本の背衚玙だけが月の淡い光のように青癜く茝いおいた。

静かすぎお、玙の匂いたで音のように胞に響いた。

手にした䞀冊を匕き抜こうずするず、棚の奥から声がした。

「その本は、ただ読んではいけない」

振り返っおも誰もいない。

けれど、指先から䌝わる重みは確かで、本は勝手に開き、頁が颚のようにパラパラずめくれた。

そこには、私のこれからの䞀日䞀日が、现かい文字でびっしりず曞かれおいた。

笑った日も、泣いた日も、息が止たる瞬間たで。

頁を繰るたびに未来が少しず぀削られおいくようで、私は息をのんだ。

最埌の頁をめくろうずしたずき、小さな子どもが珟れお、私の手をそっず抌さえた。

「そこから先は、倢の倖で読むものだよ」

その声にうなずいた瞬間、本も棚も消え、私は闇の空にひずり浮かんでいた。



第話 繊月せんげ぀

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こんな倢を芋た。

私はずおも高い塔の䞊に立っおいた。

足元には癜い雲が幟重にも重なり、底は芋えない。

登っおきたはずの階段は、い぀の間にか消えおいた。

背埌から声が聞こえる。

「飛び降りれば、翌が出る」

振り返っおも誰もいない。

ただ颚の音がするだけだった。

私は塔の瞁たで歩いたが、足は石に匵り぀いたように重く、動かなかった。

「飛べばわかる」

声はさきほどよりも近く、耳のすぐそばで聞こえた。

だんだん胞の奥が熱くなり、肩のあたりが少し重くなった気がする。

私は思い切っお、そっず片足を倖に出した。

雲がゆっくりず裂け、光が差し蟌んだ。

その光の䞭に、䜕かが倧きく矜ばたく気配があった。

気が぀くず、私は䞡手を広げおいた。

その先のこずは、どうしおも思い出せない。




第話 䞉日月

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こんな倢を芋た。

倜空から流れ星が降っおきた。

䞀぀手に取るず、掌の䞊で小鳥のように震えお光った。

願いを蚀おうずした瞬間、星はすっず溶けお消えた。

残ったのは、枩かさだけだった。

星は消えたのに、そのぬくもりはただ掌に残っおいた。

その光に導かれるように歩くず、
倜の向こうに、静かにひず぀の橋がかかっおいた。




第話 四日月

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こんな倢を芋た。

倜の町を歩いおいるず、い぀も同じ堎所に橋がかかっおいる。

それなのに、枡るたびに行き先が倉わる。

昚日は癜い花畑ぞ。
今日は霧の道ぞ。

どちらが本圓の向こう岞なのか、誰も知らない。

橋の真ん䞭たで来るず、足音が止たった。

板のきしむ音も、颚の気配も、すっず消える。

ただ、䞋の闇がゆっくりずうねっおいる。

たるで、眠っおいる䜕かの背䞭のように。

「この橋、い぀できたんだい」

向こう偎にいた子どもにたずねるず、子どもは銖をかしげお、楜しそうに笑った。

「できたんじゃなくお、起きたんだ」

意味はよく分からなかった。

その瞬間、足もずがぐらりず動いた。

板の継ぎ目だず思っおいたずころから、銀色の鱗がのぞく。

颚が吹き䞊げ、月光が橋だず思っおいた圢をなぞった。

それは橋ではなく、倜空に浮かぶ韍の背だった。

韍は䜕も蚀わず、星の間を泳ぐように進んでいった。

私はその背に立ったたた、遠ざかっおいく町の灯りを芋おいた。

向こう岞がどこなのかは、もう分からなかった。

どれくらいそうしおいたのだろう。

気づけばもう、韍も、橋も、子どもも、どこにもいなかった。

倜の町には、い぀もの道だけが残っおいる。

私は振り返った。

橋があったはずの堎所には、四日月が浮かんでいた。

光の䜙韻だけが、次の倜ぞず残っおいた。




第話 五日月

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こんな倢を芋た。

あの倜に拟った流れ星は、
ただ掌の䞭で光っおいる。

それを现くのばすず、
糞のように柔らかくなった。

眠れない倜には、誰かがその流れ星をひず぀ず぀拟い集めおいる。

窓の倖で、倜ごず線み棒を動かしながら、流れ星の糞を線んで、星空のタペストリヌを぀くっおいるのだ。

線み目のあいだからこがれる光が、町を照らす。

あのやさしい明かりは、
きっずその人のしごず。

今倜は、月が少しふくらむ倜。

どこかでたた、
ひかりを線む人が、
静かに倢を぀ないでいるのかもしれない。


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地方圚䜏・元事務員電子曞籍出版『䞖界䞀やさしい「ひずりの時間」の楜しみ方』出版奜きなもの散歩 読曞 B・カンパヌバッチ 狂蚀 MLB

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