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絵を描くことと、生きていくことのあいだで⑧— 地方に文化資本を育てるという実験 —

    絵を描くことと、生きていくことのあいだで⑧
    — 地方に文化資本を育てるという実験 —

    地方で活動していると、
    文化は自然に存在するものではないと感じることがある。

    むしろ、小さな接点の積み重ねによって、
    少しずつ育っていくものなのだと思う。

    アトリエに来てくれる人がいる。
    同じ空間で、静かに描く時間が流れる。

    展示をすれば、足を運んでくれる人がいる。
    作品をじっくり見てくれる。

    「次回も楽しみにしています」と言ってくれる。

    その言葉が、また描く力になる。

    そして、生徒さんの作品も一緒に展示するようになった。

    先生だけの場ではなく、
    生徒さんにも表現の場ができる。

    描く人と、それを見る人がゆるやかにつながる。

    それが、地域の中に小さな文化の回路をつくることだと思っている。

    文化資本は、一夜にして育たない。

    でも、小さな接点が積み重なることで、
    いつのまにか、その場所に根が張っていく。

    そしてその変化は、地域だけでなく、
    描く自分自身のあり方も、少しずつ変えていく。

    奈良で続けているこの試みは、
    描くことと、生きていくことのあいだにある
    ひとつの実験なのだと思う。


    ⸻
    ※この文章はシリーズで書いています。
    #絵を描くことと生きていくこと
    ① 絵を描くことと、生きていくことのあいだで
    ② 東京と地方のあいだで
    ③ 創造性とビジネスの緊張
    ④ 収益化の壁と日本市場
    ⑤ 仕組みがあれば未来は変わる
    ⑥ アートと地域経済の可能性
    ⑦ 経営を学んで変わった視点
    ⑧地方に文化資本を育てるという実験
    ⸻

     
     
     

    koto

     
     
    京都市生まれ。油画専攻・海外留学を経て制作を再開。 奈良でアトリエと絵画教室「Atelier Koto art」を運営。 「絵を描くことと、生きていくことのあいだ」をテーマに、制作・地域・アートの日常について書いています。

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