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僕らの音楽を、絶やさないための大きな一歩【JAPAN JAM 2021 イベントレポート 2021/5/5】

    "JAPAN JAM"が5/2(日)-5/5(水•祝)の4日間にわたって2年ぶりに開催された。緊急事態宣言下での開催は賛否両論あったと思う。

    それでも、運営スタッフ・アーティスト・観客の全員に、「音楽」を、「フェス」を、守り抜きたい気持ちがあった。

    生の音楽を、広い場所で、大きな音で、大勢の人と分かち合う空間は、何事にも変えがたい。
    その場所だけでしか味わえない世界が、全員の想いを強くさせた。

    今後の感染者発生状況によっては、失敗した、と非難される可能性はあるが、音楽業界、ひいてはエンターテイメント業界の大きな一歩となったことは間違い無いだろう。


    JAPAN JAM 2021 最終日、主催及び企画制作のロッキング・オン・グループ代表取締役支社長 渋谷陽一の言葉でスタートした。

    「音楽がここまで危機的な状況になったのは初めて。今の状況を経験しているのは自分たちしかいない。乗り越えるのも自分たちしかいない。いつまでも頭を抱えていてもしょうがない。音楽をもう一度前に進めるために、全員当事者として一緒に歩んでいきたい。」


    アーティストたちの心の叫び

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    朝から大勢の人が駆けつけた。とは言っても、広い会場と収容人数制限により、観客同士にはスペースの余裕が存分にあった。


    朝会場にいたほとんどの人のお目当てが「アイナ・ジ・エンド」
    2021年2月にソロ活動を本格始動させ、ソロツアー、フェス参加もさることながら、ドラマ/CMタイアップ曲もリリースのたび、音楽業界を騒がせている。今音楽シーンの最前線に立っているアーティストだ。

    数日前に参加したVIVALA ROCKでの真っ白な衣装とは打って変わって、JAPAN JAMでは真っ黒の衣装で登場した。
    セットリストも大きく方向性を変え、明るく観客の背中を優しく押してあげる曲が目立った。

    「陽」を身に纏い「暗」を歌ったVIVALA ROCK
    「陰」を身に纏い「明」を歌ったJAPAN JAM

    彼女の表現力はとどまることを知らない。


    「自分の居場所がないと思った時、私のことは思い出さなくてもいいので、この曲を思い出してくれたら嬉しいです」

    そう語って歌い出した「スイカ」
    "居場所がないと泣いてる君と きっと同じ夜過ごしてる"
    彼女のパフォーマンスはまたもや観客の心を奪い去っていった。


    こちらもまた邦楽ロックの最前線を走り続ける「マカロニえんぴつ」

    彼らのライブは初めて見たのだが、こんなに熱いライブをするとは知らなかった。Gt.Vo.はっとりが、MCで観客を盛り立てた後、丁寧に構成された曲と熱い歌詞で観客を惹きつける。

    「音楽は不要不急か?音楽を歌ったことがないやついんのかよ?おれたちのロックは毎日鳴っている」

    そう語って歌い出した「ヤングアダルト」
    "夜を超えるための唄が死なないように 手首からもう涙が流れないように
    無駄な話をしよう 飽きるまで呑もう 僕らは美しい
    "
    いつもそれとなく聞き流していた彼らの歌が、心にグッと沁みた。


    当日の天候は、曇り時々雨に加えて、強風。
    風によって、音が揺れたり、アーティストがよろめいたり、とにかく風が強い一日だった。

    そんな強風を一気に爽やかな風に変えてくれたのが「Saucy Dog」

    風に吹かれるVo.石原慎也が、もうとにかくかっこよかった笑
    笑顔で演奏するDr.Cho.せとゆいか Ba.秋澤和貴も爽やかだ。爽やかすぎる。

    そんな彼らからも熱い言葉が溢れる。
    「努力すれば夢は必ず叶う、という言葉があるけれど、叶わないことだってある。夢が叶うことよりも、夢に向かって努力したことの方が大事」

    「演奏するのをやめていた曲があります。でも久しぶりに合わせてみたら、たまにはやるのもいいかなと思った。そんな曲を今日最後に届けます。」

    そう語って歌い出した「いつか」
    "君の見る景色を全部 僕のものにしてみたかったんだ あぁ 君を忘れられんなぁ"

    彼らの代表曲として知られるこの曲に頼りたくないという思いがそうさせていたんだろうか。それとも、この曲が消耗品として消費されることなく大切にしたいという思いがそうさせていたんだろうか。

    石原慎也の声が、野外ステージの空高く、天高くまで届いているような気がした。


    雨が強まっていく中、何としてでも前の席を確保したい観客が押し寄せ、演奏前からメインステージの興奮は抑えきれていない模様だった。

    待ってました。野外フェスの「BiSH」

    ライブのたび、メンバーがセットリストを組むのが定番となっており、当日は無口担当リンリンによる、フェスを意識した怒涛のセットリスト。

    「BiSH-星が瞬く夜に-」から始まり、「GiANT KiLLERS」「MONSTERS」と観客のボルテージを一気に上げる。

    メインステージが後ろまで一杯になり、メンバーの煽りに観客も振り付けで応える。ここ数年でBiSHがロック界に定着したことが伺える。

    当日は多くを語らず、ひたすら曲で会場を盛り立てた。最後は、ライブ定番曲「beautifulさ」
    "どんなとげとげの道も 僕らは乗り越えていくんだし
    困難裂いて 過去は忘れ 晴れた明日へと 行こうぜ
    "
    雨が強くなり強風が吹く中、会場は笑顔で埋めつくされ、観客の表情はみな晴れやかだった。


    少し気だるそうな様子で、ただ自信に満ち満ちた表情でメインステージに舞い降りたのは、「クリープハイプ」

    雨が降る中、
    「みなさん濡れてますか?じゃあい(挿)れます」
    という尾崎世界観のコメントから1曲目を始めるあたりはさすがだ笑

    声が出せない状況を踏まえてか、ディープな曲を多く組み込み、巧みな演奏で会場をクリープハイプ色に染めていく。

    「今日は風が強くて演奏しづらいけど、音楽業界への風当たりも同じくらい強いと思うと、丁度いいかもしれない」

    そう語って歌い出した「イノチミジカシコイセヨオトメ」
    "明日には変われるやろか 明日には笑えるやろか"

    卑猥な歌詞も、どろどろな恋愛模様を描いた歌詞も、その日は何だかキレイに聞こえた。


    この日会場を一番熱くさせたのは間違いなく彼らだった。
    「Creepy Nuts」

    DJ松永がステージ後方から世界一のDJテクニックを見せつけ、
    R-指定がステージから落ちそうなほどの前傾姿勢で観客を煽りまくる。

    「声は出せないけど、飛び跳ねていいし、踊っていい。でっかい会場で、でっかい音鳴らして、みんなで音楽を感じることができるフェスは最高だ。」

    この日の彼らに説明する言葉は何もいらない。
    野外フェスが金曜夜のクラブ会場と化していた。座って見ていた人らもライブ終盤には全員立ち上がり、ガンフィンガー連発。最高のステージだった。

    正直今まであまり聴いてこなかったが一気に惹きつけられた。好きな音楽との出会いがあるのもフェスの大きな魅力の一つだ。


    2回目のフェス登場にして、LOTUS STAGEのトリをかざったのは「PEDRO」
    BiSHメンバーのアユニ・D(Ba. Vo.)、伝説のギタリスト田渕ひさ子(Gt.)、一般の大学生 毛利匠太(Dr.)で構成されているバンドだ。

    久しぶりのフェスに緊張してか、機材トラブルも重なり、序盤は固い演奏が続いた。ただ、後半になるにつれ、演奏が安定して、堂々としたパフォーマンスをした。ライブ中の修正能力からもバンドとしての成長が伺える。

    特に、5,6曲目のロックバラード「生活革命」「空っぽ人間」は、今のPEDROに最もハマっている曲だ。
    何故だろうか。アユニ・Dの歌っている姿はひたすらに「エモい」

    「美味しいご飯を食べて、あったかくしてたくさん寝て、明日の朝を迎えてください」
    観客の心をずどんと撃ち抜いて歌い出した「浪漫」
    "安心する体温が触れてきて ダルさも優しさに変わって
    溶けそうに今日も夜をまたぐよ 美しき日々
    "

    今日もまたPEDROに魅了されてファンになった観客が大勢いたことだろう。


    JAPAN JAM 2021 全ての締めくくり 大トリ「宮本浩次」

    圧巻のステージだった。音楽・歌・演奏全ての力を見せつけられた。

    命を削って歌っているという言葉は宮本浩次のためにある、と思わせるほどのパフォーマンスだった。正直、歌詞もメロディも知らない曲ばかりだったけれど、彼の歌は熱く心に語りかけてきて、ただただ立ち尽くして見ることしかできなかった。

    気付かぬ内に目から涙がこぼれていた。

    彼はライブ中しきりに言っていた。
    「みんな綺麗だ。みんないい顔してるよ。」
    観客を肯定し、誰も裏切らない音楽を鳴らし続ける彼は、一体何度目の人生を歩んでいるのだろう。

    雨に打たれながら歌う宮本浩次は誰よりも美しかった。


    戻ってきた音楽フェスがなくならないように

    こうして、4日間総勢72組のアーティストが出演した JAPAN JAM 2021が幕を閉じた。

    まだまだ予断を許さない状況ではあるが、音楽フェスが戻ってきたという事実が嬉しい。同期間に開催されていたVIVALA ROCKも無事終演を迎えられたようだ。

    強い風も雨も、普段だったら鬱陶しく感じたかもしれないが、音楽フェスでしか味わえない環境は、自分の気持ちをわくわくさせた。


    一方で、大勢の人が限られた空間に集まるフェスという催し物に、批判的な声があることも事実だ。

    新たな音楽との出会い、新たな自分・気持ちとの出会いを生み出す場としての音楽フェスは今後もなくならないでほしい。そのためには、全員の協力がまだまだ必要だ。

    世間のルールを守りながら、全員で音楽とフェスを守り抜こう。


    出演者、スタッフ、参加者、全ての人がいつもとは違う特別な想いを持って作り上げた"JAPAN JAM 2021" 本当にありがとうございました。



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    社会人4年目 音楽好き ITコンサルタント ライター●自らの識見(価値観/キャリア)👨‍🏫・エンタメ(音楽🎸・映画/ドラマ🎞)について記事投稿 ●「人が持つ価値観/言葉の力で、人々に一歩を踏み出す勇気を与える」がモットー

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