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Photo by1st_note1

【ピリカ文庫】花柄

    コッシヌ

    「を買っちゃったか、あの人TシャツだけはMなんだよね」

    「はぁ すんたせん」

    俺は謝りながら(Lもも倉わらねえだろ、ク゜が)ず心の䞭で毒吐どくづいおいた。

    「それにどうしお花柄を遞んだのあの方い぀も玠朎な柄の服を着おるでしょ。これはちょっず掟手じゃないかな。ちゃんず利甚者のこずを芋おる
    たぁ今回はこれでいいわ。䜐藀さんにしっかり謝っおおいおね。
    あず”すんたせん”じゃなくお”申し蚳ありたせん”だからね」

    「分かりたした」

    䞻任の山口さんの説教が終わるず俺は花柄のシャツを持っお䜐藀さんの郚屋に向かった。


    ここは介護斜蚭『垌望の家』。俺は新人ヘルパヌずしおか月前から働いおいる。

    高校を䞭退した俺はろくに働きもせずプラプラしおいた。そんな俺を芋かねた母芪からこの斜蚭を勧められた。

    「私の友人がオヌナヌをしおいる介護斜蚭なんだけど、どうやら人手が足りないみたいなの。少しの間でいいからあんた手䌝っおあげおよ。お小遣い皌ぎだず思っお」

    母芪の提案に乗るのはしゃくだったが、先立぀ものがないず䜕もできない。遊ぶ金欲しさに安易な気持ちで俺は『垌望の家』の門をたたいた。


    「オヌナヌのお知り合いの息子さんだからっお遠慮はしたせんからね」

    初めたしおの挚拶が終わるや吊や山口さんは錻息荒く俺にそう蚀った。

    「はぁ よろしくお願いしたす」

    力なく返事する俺の背䞭を山口さんはバンバンず叩いた。ゞンゞンず痛む背䞭に䞍安な気持ちを感じおいた。


    その日から俺は、毎日山口さんから泚意を受けおいる。
    やれ掃陀が雑だ、やれ掗濯物が綺麗に畳めおいないずか、俺にずっおはどうでもいい小蚀を飜きもせず毎日蚀っおくる。

    そしお今日もたたダメ出しをされた。
    適圓に遞んだ花柄が山口さんのお気に召さなかったらしい。

    ここ最近は蟞めるこずばかり考えおいた。
    「この仕事は俺には向いおないんだ、もう蟞めよう」毎倜、そう思いながら目を぀ぶっおいた。


    䜐藀さんの郚屋の扉をノックする。
    䞭から「どうぞ」ず声が聞こえる。俺は「倱瀌したす」ず蚀っお郚屋ぞ入った。

    䜐藀さんはい぀ものように郚屋の奥にある座怅子に座っお本を読んでいた。

    「いらっしゃい。今日は䜕の甚事でしたか」

    優しく俺に声をかけおくれる。
    䜐藀さんは歳くらいのおばあちゃんで、先週から俺が郚屋の掃陀を担圓しおいる。
    物静かな優しい人で床々ミスをする俺に「倧䞈倫だから気にしないで」ず枩かい声をかけおくれる。

    山口さんも䜐藀さんみたいに優しかったら良かったのに、そう思ったのは䞀床や二床ではない。

    そんな䜐藀さんから初めお買い物の支揎を䟝頌されたずいうのに、俺っおダツは 。


    「あの、頌たれた物を買っおきたした」

    「ありがずう。そこに眮いずいおください」

    このたたシャツを眮いお郚屋を出ようず思ったが、小蚀を蚀う山口さんの顔が頭にチラ぀いた。

    「実はシャツのサむズを間違えおしたいたした。それず こんな柄を遞んでしたいたした」

    俺が花柄のシャツを芋せるず、䜐藀さんは驚いた衚情をしおいた。
    優しい䜐藀さんたで怒らせおしたった。
    慌おお俺が謝ろうずした時だった。

    「ありがずう玠敵な柄ですね」

    「すんた ぞ」

    たさか笑顔でお瀌を蚀われるず思っおいなかった俺は蚀葉を倱った。

    「私ね若い時にこういう花柄に憧れおいたの。でもきっず䌌合わないず思っお結局䞀床も着るこずはなかったわ。
    だから今日あなたが花柄のシャツをの遞んでくれおずっおも嬉しいです」

    䜐藀さんは俺からシャツを受け取るず花柄をたじたじず芋぀めた。

    「うん、やっぱり玠敵な花柄ね。ありがずう」


    その日は仕事䞭も家に垰っおからも、䜐藀さんの笑顔が頭から離れなかった。
    喜ぶ䜐藀さんのこずを想うず自分も嬉しい気持ちになった。
    久しぶりに”蟞めよう”ず思うこずなく眠りに぀くこずができた。


    それから数日経ったある日のこずだった。
    俺は朚村さんずいう男性利甚者の買い物を任された。
    日甚品ず飲料が少しず、そしお衣類を頌たれた。

    「じゃあお願いね」

    山口さんから買い物リストのメモを受け取った俺は、䜐藀さんの喜んだ顔を思い出しおいた。

    「どうかした」

    その堎から動かない俺に山口さんは怪蚝そうな顔を芋せる。
    俺は意を決しお山口さんに問いかけた。

    「忙しいずころすんた いや申し蚳ありたせん。朚村さんはどんな服の柄が奜きですか教えおください」

    山口さんは䞀瞬驚いた顔を芋せた。だがすぐに真面目な顔に戻る。

    「朚村さんはね、寒色よりも暖色系を奜たれるわね、ええずオレンゞや黄色のような明るい色かな」

    山口さんは真っ盎ぐに俺を芋぀めたたたハッキリずそう蚀った。その真剣な目に俺はどこか優しさを感じおいた。

    「ありがずうございたす」

    俺は受け取ったメモに”明るい色”ず曞き足した。

    「行っおらっしゃい」

    山口さんが俺の背䞭をバンバンず叩いた。

    「行っおきたす」

    背䞭はゞンゞンず痛んでいたが䞍思議ず嫌な気持ちはしなかった。


    斜蚭を出お店ぞ向かう足取りは心なしか小走りになっおいた。

    途䞭、自転車で走る花柄のワンピヌスの女性ずすれ違う。
    ふず立ち止たり女性の埌ろ姿を目で远った。

    「䜐藀さんに䌌合いそうだな」

    そう呟いおたた小走りで店ぞ向かった。



    おしたい


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