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医師とAIの"共感力"勝負 『名医を探せ!』 〈あなただけの名医を探すための医師鑑定法 14のヒント〉のためのコラム記事


    この記事は、 『名医を探せ!』 〈あなただけの名医を探すための医師鑑定法 14のヒント〉に収載した記事になります。
    有料記事にはなりますが、本文全体にご興味のある方は、こちらからどうぞ。👇

    《医師対AIの"共感力"勝負》

    『名医を探せ』のコラムのネタを探していたところ、YouTubeで興味深い番組を見つけました。
    タイトルは【それでもAIに健康相談はしないほうがいい】(TBS「Cross Dig with Bloomberg」)。ゲストは、近畿大学医学部皮膚科の主任教授・大塚篤司先生です。

    大塚先生は皮膚免疫学の第一人者として、新薬開発や臨床試験に携わる一方、X(旧Twitter)や著書を通じて医療情報をわかりやすく発信しておられます。AI医療への発信力でも知られ、現代を代表する皮膚科医のひとりです。

    番組のは三つのテーマで構成されていました。
    1. 最新AIへの医療相談はどこまで正確か
    2. AIに相談することのリスクとは
    3. AI発展後の医療の姿はどうなるのか

    特に印象的だったのは、AIと人間の医師を比較した調査結果の紹介です。
    (※出典:JAMA Intern Med. 2023年4月オンライン公開)

    調査の手順は以下のとおりです。
    ① 患者からの相談内容を想定し、問題文を作成
    ② その質問に対して、医師とAI(チャットボット)の双方が回答
    ③ 一般の患者にそれらの回答を読んでもらい
    ④ 「答えの質」と「共感性」の2軸で5段階評価をしてもらう

    結果は驚くべきものでした。

    まず【答えの質】に関しては、医師の回答が「平均的」評価にとどまった一方、AIの回答は「良い」とされる割合が高かった。
    さらに【共感性】の評価では、医師の回答が「平均以下」に集中したのに対し、AIの回答は「共感できる」とする高評価が大半を占めたのです。

    つまり、AIは回答の質でも共感性でも、人間の医師を上回る評価を得たという結果でした。
    共感性の高いAI回答の具体例は公開されていませんので、どのような文章だったのか、確認はできませんでした。しかし、AIが「人の心に響く言葉」を選んで回答するように訓練されていることを考えれば、うなずける話です。言うなれば、共感力のチャンピオンが答えているようなもの。私たち人間の医師は、まだその領域ではアマチュアなのかもしれません。

    とはいえ、これは悲観すべきことではありません。
    診断能力が同じ医師の中で選ぶのならば、より高い共感力を持つ医師こそ、より「名医」に近い存在だとも言えるからです。AIが得意とする共感的な言葉のかけ方を、我々医師が学び取ることもできるでしょう。

    これから迎える本格的なAI時代。
    医師に求められる資質の一つとして、「共感力」はますます重要になるはずです。
    AIに負けない名医とは、患者の心を理解し、寄り添える人――
    そう改めて感じさせられる番組でした。




     
     
     
    人生後半、まだ物語の途中 医師を辞し、馬に乗り、文章を書く 遅咲きのライダーにしてライター 名前はペンネームです 人生の終盤という未踏地を、実録とエッセイで歩く 人間の弱さと可笑しさを、少しだけ解剖してみる

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