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悩むべし、父の日のプレゼント

    父の日が近づいてきた。

    昨年も書いたのだが、私の父には趣味といった趣味がない。そして好きなものも別にない。だからプレゼントに困る。
    この悩みはどうやら私だけではないようだ。もしかすると中年男性全体の問題なのかもしれない。「イン・ザ・メガチャーチ」でも、中年男性の「友達いない問題」が描かれたように、「趣味がない問題」もいつか話題になるだろう。というか既にどこかでなっているはずだ。これも「男らしさ」や「家父長制」の弊害だろうか。

    だが最近は、父の歴史好きに乗じて、漫画「だんドーン」を勧めたら見事にハマってくれている。父が漫画にハマっているのを見るのは、私の人生で初めてのことだ。たまに電話すると「だんドーン、どこまで読んだ?」と聞いてくる。鬱陶しいが、それほど嫌ではない。

    私は父の歴史好きには若干の懸念を感じていた。というのも、なまじ知識があってしまうと変な政治思想になりかねない、と思っているからだ。
    だからなるべく色んな小説とかを勧めたいし、読んで欲しい。しかし、普段本も読まない人間なので、本を勧めるのも難しい。勧めても読まない。

    とすれば漫画がよかろうと思い、最近人気で私も読んでいる作品を勧めてみた次第だ。
    そしたら父にしては珍しく、即日全巻揃えて読み始めた。既に私よりも先を読んでいるため、危うくネタバレされそうにもなった。
    しかしながらこうしたきっかけでも、話題が増えるのは嬉しいことである。

    だが、父の日が近づいて、私はこのことをひどく後悔することとなった。
    普通に父の日に「だんドーン」をプレゼントすればよかったのだ。別になんでもない時に割と強めの手札を切ったせいで、必要な時に欲しい手札がなくなってしまった。
    それが今の私である。

    繰り返し書くが、父には好きなものや趣味がほとんどと言っていいほどない。だからプレゼントをするのは非常に骨の折れることだ。
    ネクタイは大量にあるし、晩酌用のグラスもそう。私が飲んだことあるお酒は大体飲んでるだろうし、飲んだことないものをあげたとて、口に合わないかもしれない。もう何を買えばいいかわからない。
    ちなみに昨年は睡眠に関する本をプレゼントしたのだが、依然睡眠環境の改善は見られないことから、99%読んでないと推測している。

    そういえば、一度趣味として乗馬を始めたらしい。ある日、乗馬に向かう前に母と揉め、ぷりぷりしたまま向かう父。馬に乗ると、機嫌の悪さが伝わったのか、振り落とされ腰を打ったそう。それ以降、馬には乗っていないようだ。幸いにも大事には至らなかったとのこと。私が地元に不在の時のことなので伝聞でしかないが、実に父らしいエピソードである。馬も気の毒である。
    ちなみに先日父が上京した際、競馬に連れて行った。しっかりと負けていたので、ほんとうに馬が合わないのだろう。

    このように父親へのプレゼント選びは非常に難しい。

    そんなとき、31という数字がおぼろげながら浮かんできた。
    そう。アイスクリームである。私の記憶だと父親がアイスを嫌ってた記憶はないし(まんじゅうアイスで歯が欠けてた記憶はあるが)、糖尿病が心配になるほどの甘いもの好きなのでいいだろう。心配してるだけで、健康診断は正常だし、体型も変化はしていない。アイスだ。アイスをプレゼントしよう。

    私の知る限り、父はサーティーワンでアイスを買うことはない。だから、こういう時にこそ、新しい経験のきっかけを作ろうと思う。両親が(主に母が、ではあるが)私にさせたように、私も父に、新しいことに挑戦させる。それこそが子心ではなかろうか。
    これがきっかけでサーティーワンに行くようになってもそれはそれでいいだろうし、行ったことない店に行くようになっても嬉しい。

    子供にできることはさほどない。ましてや大学院生などというか弱い存在なら尚更だ。せめて、老後の楽しみの一助となるものでも用意させていただこう。

    というわけで、今年はLINEでサーティーワンのクーポンを送ろうと思う。
    父の日のプレゼント迷い民の皆様、是非とも参考にしてくだされ。

     
     
     
    扁平足の大学院生(M2) なんの役にも立たないことをたくさん書きます。 好きな言葉は「已己巳己(いこみき)」です。 嫌いなものは重力です。

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