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何もしない究極の贅沢~おすすめの休息時間~

1.「何もしない」という至福の時間

みなさんは、休日をどのようにお過ごしだろうか。
1週間の疲れを癒すリフレッシュの方法は人それぞれだが、最近の私は「自宅で何もしない時間」を最高の癒しとしている。

例えば、何も考えずに好きなコーヒーを飲みながらぼーっとするひととき。
例えば、好きな音楽を聴きながら奏でられる音の世界に浸るひととき。

時間の流れが止まり、見慣れた部屋の空間の中に自分が溶け込んでいくような不思議な感覚。
ただそれだけなのに、心の底の方からじんわりと至福感が湧き上がってくる。プライスレスで贅沢なひとときである。

毎回の休日ではないにせよ、月に何度か意図的に何もしない時間を持つことで、心身ともに深くリフレッシュできている実感がある。

2.紙地図を頼りにどこまでも出かけた若い日々

そんな私も、若い頃は休日が待ち遠しくて、限られた時間をフルに使い、妻とあちこちへ出かけていた。買ったばかりの中古の軽自動車に乗り込み、未知の土地を巡る日々。

「来週はどこへ行こうか」「ここ行ったことないね」「美味しいものはあるかな」と会話を弾ませながら、次の休日をモチベーションに仕事を頑張れたものだ。旅行に出かける前のワクワクした時間もとても楽しいものだった。当時は、カーナビやスマホもなくインターネットで簡単に地図が見られるような時代ではない。いわゆる「紙地図」だけが頼りだった。
道に迷いながらも夜遅くまで走り回り、翌日は仕事だというのに、くたくたに疲れてしまったものだ。

しかし、それはそれで充実感を伴う疲れだった。
体力もあり、次の日が仕事であっても出かける楽しさの方が上回っていたようである。当時は自宅でじっと過ごすなんて、もったいなくて仕方がなかった。

3.休むことに罪悪感を抱いた働き盛り

しかし、年齢を重ねるにつれ、徐々に休日に仕事を詰め込むことが増えていった。積極的に働いていたというよりは、降り積もる業務に追われ、やむを得ずという状況である。まるで乾いた砂地にひたすら水を撒くような徒労感を味わっていた日々だった。

当時の私は仕事が人生の中心になっており、休日に休むことに対して謎の罪悪感すら抱いていた。休日も自宅で仕事をしたり、出社したりと平日モードのまま、また翌週を迎える日々。今振り返ると、そうした努力は必ずしも、仕事の生産性やアウトプットの完成度につながらなかったと感じている。

それでも40代までは、なんとか時間を確保しながら行きたい場所へ出かけて行った。

4.コロナ禍がもたらした「自宅時間」の価値

ところがいつからだろう。
休日の何もしない時間に至福の贅沢を感じるようになったのは。

思えば、2020年のコロナ禍がその転機となったような気がしている。
職場では3密の回避という考え方で、在宅勤務という働き方が推奨された。緊急事態宣言なるものが発令され、休日も不要不急の外出を控えるようにと政府主導で呼びかけられた。
自分自身の感染防止とともに、外出先で感染してしまうこと自体がまるで罪を犯したかのような目で見られるほどの世相であった。
ひとたび感染やクラスターが起こると、いつ、どこで、誰とこれくらいの距離で接触があったか。今ではちょっとあり得ないが、まるで警察の尋問さながらである。そうした世相を覚えていらっしゃる方も多いのではないだろうか。楽しみにしていたコンサートも中止になった。人混みの街中でのショッピングも自粛、まして飲みに行くなんてあり得ない。
必然的に自宅でじっとする時間が増えていった。

コロナ禍がきっかけとなり、自宅時間をいかに楽しく過ごすかということが、世の中でも注目され始めたように思う。

5.心と体をリセットする「空(くう)」の時間

ただ、本当の意味で「何もしない時間を過ごす」には、「体」だけでなく「心」もちゃんと休んでいる必要がある。
体が休んでいても、頭の片隅で仕事のことや心配事がちらついていては、真の休息とは言えないからだ。
「過去」や「未来」への後悔や不安といった「思考」が、「現在(今ここ)」にしかないはずの大切な人生の時間を蝕んでしまう。

心と体は一体であり、両方のバランスの取れた休息が何より大切だと思う。
自宅にいても、ついYouTubeやSNSに時間を費やしてしまいがちである。
それらとはちょっと距離を置く時間も、心身のリフレッシュには有効だと感じている。

そうは言っても、休みたくても休めない事情がある方もいることだろう。そんな時はぜひ、ほんのひと時でも意図的に「空(くう)」の時間を作ってみてほしい。
「思考」を手放す時間
を意識的に挟むことで、肉体と脳が同時にリセットされ、次のステップへ向かうための明晰な判断力と活力が蘇ると思う。

若いころ、休日をフルに使ってヘトヘトになりながらも、行きたいと思ういろんな所へ出かけた経験があるからこそ、今はそう思えるのかもしれない。その頃もまた、そうすることで「今ここ」を生きていたと言える。
あの頃の奔放な旅の思い出は、今でもキラキラと輝く無形の財産として私の中に残り続けている。

6.休息のお供に贈る一曲

今日は、そんな休息のひと時に聴いていただきたい一曲をご紹介したい。
中島みゆきさんの『心守歌(こころもりうた)』(2001年)。
今回は、桃色のすあまさんのカバーでお聴きください。

風よ 心のかかとに翼をつけて
どんな彼方へも ひと晩で行って戻れ♪


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