
「お米が高くても農家は儲からない?」JAの概算金制度とは
こんにちは、米農家いち田です。
僕は、100年以上続く米農家を受け継いでいくために父が仲間たちと立ち上げた農業法人の一員として、日々米づくりに勤しんでいます。
「お米の値段が上がったのに、なぜ農家は苦しいの?」
「お米の価格が高騰が終わらない」
毎日のようにニュースでも目にします。
実際にこんな田舎のスーパーでも、5kg3980円とか、10㎏6980とかがザラです。(ちゃんと並んでいるので、現状では物がないとは思えませんが)
「こんなにお米の価格が上がっているなら、農家も儲かっているはず」
そう思う方も多いかもしれません。
ですが、現実はそうではありません。
実は、米農家の多くは「JAの概算金制度」という仕組みの中で、お米を市場価格とは別の形で販売しているため、価格高騰の恩恵をすぐには受けられない のです。
今回は、この 「概算金制度」 について詳しく解説しながら、なぜお米の値段が上がっても農家の収入がすぐには増えないのか?の理由をお伝えします。
「概算金制度」って何?
JAを通じてお米を販売する場合、農家は 「概算金」 という形で、販売代金の一部を前払いで受け取ります。
簡単に言うと、
「収穫時に、将来的な販売価格をもとに一部の代金を受け取る」
という仕組みです。
しかし、最終的な販売価格が決まるのは、お米が市場に出回った後。
このため、米価が高騰した場合でも、農家の収入がすぐに増えるわけではなく、追加の支払い(精算)があるかどうかは 市場価格の動向次第 となります。
「概算金制度の仕組み」を具体的に解説
1️⃣ 概算金の決定
→ JAや全農県本部が市場価格の予測をもとに、概算金を設定(60kgあたり〇〇円という感じ)
2️⃣ 農家への支払い
→ 収穫したお米をJAに出荷すると、設定された概算金が仮払いとして早い段階で農家に支払われる
3️⃣ JAによる販売と追加精算
→ JAが集めたお米を市場価格に基づいて販売
→ 実際の販売価格から概算金を引いた分が、追加で支払われる(または市場価格が下落すれば追加支払いなし)
「価格高騰しても農家がすぐに儲からない」理由
この仕組みのため、農家は収穫時点で市場価格の影響を受けにくい のが実情です。
2024年8月以降、「令和の米騒動」と呼ばれる、お米の価格の高騰が起こっています。
しかし、農家はすでに概算金の価格で米を出荷してしまっている ため、市場価格が跳ね上がったとしても、その影響をすぐには受けることができません。
価格高騰が継続すれば、追加精算が発生し、後から収益が増える可能性がありますが、短期間で価格が乱高下した場合、追加支払いは期待できないことも…。
また、卸したお米の乾燥などの費用は請求されます。
これは仕入れた商品の管理の費用を仕入先に請求していることになるんじゃ、と個人的に違和感を感じています。
概算金制度のメリット・デメリット
■メリット
・収穫後すぐに資金を得られるため、農家の資金繰りが安定する
・市場価格の大きな変動リスクを回避できる
・JAが販売を代行するため、農家が直接販売の手間をかけずに済む
❌ デメリット
・市場価格が急騰しても、すぐに利益を得られない
・市場価格が下落すると、追加の精算がない場合もある
・JAが流通の主導権を持つため、農家は価格を自由に決められない
農家としてはできるだけ早く生産にかかった費用は欲しいところ。
多少安くても背に腹は代えられない…
結局、作り手と食べ手はどうするべき?
この仕組みの中で、農家が収益を上げるために増えているのが 「JA依存を減らし、直接販売を増やす」 という選択肢です。
・産地直送のECサイトで販売
・ふるさと納税の返礼品として提供
・公式LINEなどを活用し、消費者と直接つながる
わたしとしては農家自体が価格を決め、適正な価格で販売できる環境を整える必要、というか責任を感じるようになっています。
「じゃあ、食べ手であり消費者である私たちはどうすればいいの?」
その答えも、
「農家から直接買う」
こと。
間に入るものがないので、ほぼ販売価格=農家の収入にもなります。
メリットは他にもあります。
産地直送のお米を選ぶことで、適正価格で購入できる
農家を直接支援することで、安心・安全な食材を継続的に手に入れられる
お米の流通に対する理解が深まり、賢い選択ができる
ただ現実的にはお米を作ることで手一杯で販売や配送といった作業をするのが難しいといった理由やお米の品質を落とさず保管できる設備がないなどの理由で農家自身で販売することには課題も山積みです。
わたし自身、米農家として 「消費者ともっと直接つながることが必要だ」と感じています。
そこで、量は多くありませんが、新米の収穫時には、公式LINEで直接販売を予定しています。
また、公式LINEではお米づくりの様子や農家の日常なども配信したいと思いますので、ご興味があれば、ぜひ 友だち追加 していただけると嬉しいです。
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「田んぼなんて絶対に継ぎたくなかった」
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