子育ての本おすすめ34選|怒ってしまった日から、親の心のほうをほどいていく
さっきまで笑っていたのに、気づいたら大きな声を出していた。寝顔を見ながら、どうしてあんな言い方をしてしまったんだろうと、ひとりで考えこむことがあります。子育ての本を探している方の多くは、きっとそういう時間を通ってきているんじゃないかと思います。
必要なのは知識だけではないのかもしれません。知っているのにできない日が続いて、自分のことが信じられなくなっているときは、やり方よりも先に、親の側の心がほどける言葉のほうが効いたりします。
この記事では、声かけの具体策から子どもの心の発達、すり減った自分をいたわる本、肩の力が抜ける読み物、長く手元に置ける定番まで、角度の違う34冊を集めました。今のあなたに一番近いところから開いてみてくださいね。
📝 文字を追うのがしんどい日は、耳で聴くという読み方もあります。声で寄り添ってくれる30冊をまとめました。目を閉じて、ゆっくりとあなたに合った優しい声に癒されてくださいね。
🌱 怒ってしまった日にひらく声かけの本

怒りたくて怒っている親は、たぶんどこにもいません。
それでも朝の支度が進まない、何度言っても届かない、そういう場面が重なると、声の大きさは自分の意思とは別のところで上がってしまいます。
ここで紹介するのは、気持ちの持ち方ではなく「言い方」のほうを変える本です。
心構えを説く本は読んだあとに疲れが残ることがありますが、言い方の本は少し違います。明日の朝の一言を差し替えるだけなので、今日までの自分を否定しなくて済みます。
保育士、児童発達の研究者、元教師、心理カウンセラー。立場の違う人たちが、同じ場面に別の言葉を置いてみせてくれます。
読んでいて気づくのは、どの本も「子どもを思い通りに動かす技術」としては書かれていないところです。伝わらなかったのは愛情が足りないからではなく、言葉の設計がずれていただけという前提で話が進みます。
全部を覚えようとしなくて大丈夫です。ひとつだけ持ち帰って、合わなければ返してしまって十分です。
まずはこの6冊から、言葉の引き出しを少しずつ増やしてみてくださいね。
①『子どもに伝わるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育てで困ったら、これやってみ!』てぃ先生
👉 こんな人へ
・「はやくして」が口癖になっている方
・本を通して読む時間がとれない方
・支度や片づけで毎朝つまずく方
保育園の現場で実際に試して効果のあったやり方だけを集めた、事典のような一冊です。
著者が最初に置いているのは、子育ての悩みは親の能力や愛情の深さの問題ではないという見方です。子ども特有の気持ちやものごとのとらえ方、体の状態を知るだけでうまくいく場面が多いと書かれています。
中身は「おしたく」「お片づけ」「お食事」といった困りがちな状況別に並んでいます。今まさに詰まっている項目だけを引けるので、通しで読む体力が残っていない日でも使えます。
急かす言葉を減らすための言い換えが、理屈とセットで載っているのもありがたいところです。やってみて子どもの反応が変わると、対応の仕方がずれていただけだと気づけて、気持ちのほうが先に軽くなったりします。
育児書としては異例の10万部を超えた本ですが、読み終えたあとに説教された感じが残りません。あなたが今日困っているページだけ開いて、あとは閉じてしまって十分です。
②『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』島村華子
👉 こんな人へ
・ほめ方がこれで合っているのか不安な方
・しつけの線引きに迷っている方
・根拠のある方法を知りたい方
「すごい!」「よくできたね!」という声かけを、ほとんどの親が良いことだと思って使っています。この本はそこで一度立ち止まらせてくれます。
オックスフォードで児童発達学を研究してきた著者が、ほめ方と叱り方の違いが親子関係と子どもの育ち方を大きく左右することを、研究の裏づけを引きながら説明していきます。
印象に残るのは、日本の子どもの自己肯定感が低いのは謙遜文化による「ほめ不足」のせいではなく、非効率なほめ方・叱り方のせいかもしれないという指摘です。足りないのではなく、向きがずれていただけという話になります。
モンテッソーリとレッジョ・エミリアという二つの教育法を知り尽くした人の本なので、具体策が場面ごとに細かく並びます。何をどう言い換えればいいのかが、読みながら手元に溜まっていきます。
これまでの声かけを悔やんでしまう方もいるかもしれません。それでも今日から替えられる言葉が残るので、過去を責める時間より先に、次の一言が出てくるようになります。
③『どならない子育て』伊藤徳馬
👉 こんな人へ
・どなったあとに強く落ちこむ方
・ほめ方そのものがわからない方
・読むより練習したい方
どなりたくないのにどなってしまう、その繰り返しから出るための練習帳のような本です。
NHKや新聞で紹介されて話題になった「どならない子育て」講座が、そのまま一冊になりました。シリーズ累計5万部という数字は、同じところで困っている人の多さを示しています。
この本が優しいのは、「ほめましょう」「おだやかに接しましょう」は知っているけれどできないという前提から始まるところです。私たち自身がほめられて育っていないし、ほめ方を教わってもいない。だから無理もないと書かれています。
読む本ではなく、やってみる本です。セリフを声に出して試す形になっているので、本番でとっさに出る言葉が少しずつ入れ替わっていきます。
講座を受けた人の声として「子どもへの話し方がまずかっただけだとわかり、気持ちが楽になった」というものが載っています。あなたの人格の問題ではなかったと知れるだけで、肩のあたりがゆるむかもしれません。
④『ママ、怒らないで。(新装改訂版)』斎藤裕・斎藤暁子
👉 こんな人へ
・今まさに子育てがつらい方
・自分の育ちを繰り返したくない方
・その場しのぎではない変化を望む方
優しい親でいたいのに、つい子どもにイライラしてしまう。その苦しさの根っこを扱って、長く読まれてきた一冊の新装改訂版です。
著者は本を読んだ人のカウンセリングを重ねてきた人で、そこで見えてきたのが、自分と同じ苦しみを子どもに味わわせたくないと願う親がとても多いという事実でした。
本の中に、自動車を運転するには教習や試験や免許が必要なのに、子育てにはそれらがないという一節があります。知らなかったがために深い傷を残してしまうことがある、と静かに置かれています。
だから読んでいて責められる感じがしません。小手先の対処ではなく、不機嫌をしつけの手段にしてしまう連鎖を根っこから止めるところに照準が合っています。
自分の育ってきた家のことを思い出して、途中で苦しくなる方もいるかもしれません。読み進めるのがつらければ、閉じて日を置いてから戻ってきて大丈夫です。
連鎖を止めたいというその願いそのものが、もうすでに大きな一歩になっています。
⑤『マンガでよくわかる 子どもが変わる 怒らない子育て』嶋津良智
👉 こんな人へ
・活字を追う力が残っていない方
・「ほめて育てる」が重荷になっている方
・短時間で一冊読み切りたい方
文字を追う力が残っていない日のために、マンガになっている一冊です。15万部読まれた本のコミック版なので、骨組みはしっかりしています。
いちばん効くのは、「イライラや怒りと、子育てはワンセット」という前提から話が始まるところかもしれません。怒りをゼロにしようとしないので、達成できない目標を背負わされずに読み進められます。
本の中では、子育て世代の約67%が「子どもをたたいてしまったことがある」という数字が紹介されています。自分だけが落ちているわけではないと知れる数字だったりします。
「ほめて育てる」という言葉がプレッシャーになって、本来は喜びであるはずの子育てがストレスに変わってしまう。その順番の狂いを、マンガの登場人物が代わりに体験してくれます。
読むのに30分もかかりません。今日のうちに試せることがひとつ見つかるので、疲れきった日の最初の一冊に向いています。内容を立ち読みできる特別サイトも用意されているため、合うかどうかを先に確かめられます。
⑥『子ども教育のプロが教える 自分で考えて学ぶ子に育つ声かけの正解』庄子寛之
👉 こんな人へ
・「勉強しなさい」から抜けたい方
・言い換えの理由まで知りたい方
・データの裏づけを重視する方
「勉強しなさい」と言うほど勉強しなくなる、あの不思議な現象に正面から答えてくれる本です。
著者は元小学校教師で、1万5000人にのぼる指導実績を持っています。大学院で学んだ心理学、保護者から直接聞いた声、ベネッセ教育総合研究所のデータという三つを重ねて、声かけの正解を組み立てています。
扱っているのは特別な悩みではありません。誰でも一度は感じたことがある子育ての悩みが5つの章に整理されていて、自分の家の場面がどこかに必ず見つかります。
助かるのは、言い換えの文例が理由とセットで並んでいるところです。なぜその言い方だと子どもが動けないのかがわかるので、本に載っていない場面にも応用がききます。
今うまくいっていない方でも、いつも声を荒らげてしまう方でも、真似して習慣にするところから始められるという立て方になっています。あなたの明日の朝の一言から、少しずつ替えていけます。声の大きさで押していた部分を、言葉の設計のほうに置き換えていける一冊です。
🕊️ 子どもの気持ちが読めない日にひらく本
どうしてそこで泣くのか、どうして急に黙るのか。目の前にいるのに、何を考えているのかまるでわからない時間があります。
わからないままこちらの都合で動かそうとすると、お互いに消耗します。そこで効くのが、子どもの内側で何が起きているのかを説明してくれる本です。
ここに集めたのは、児童精神科の看護師や医師、発達心理学の研究者が書いたものです。子どもの「困った行動」の裏にある理由を、感情論ではなく発達の順番から教えてくれます。
理由がわかると、対応が変わる前に、まず自分の焦りが落ち着きます。あの行動には意味があったと知るだけで、怒りの手前で一拍おけるようになったりします。
もうひとつ、この棚の本に共通している前提があります。子どものこころは子どもだけで育つものではなく、そばにいる大人との間で育っていくという考え方です。
だから読んでいると、子どもの話をしているつもりが、いつのまにか自分のことを言われている気がしてきます。それが少し痛くても、たぶん一番役に立つところです。
この6冊は、わからなさを抱えたままでも読めるように書かれています。
⑦『児童精神科の看護師が伝える 子どもの傷つきやすいこころの守りかた』こど看
👉 こんな人へ
・黙って不機嫌になってしまう方
・叱り方の効果に疑問がある方
・親自身の心も守りたい方
児童精神科の病棟で働く看護師が書いた本です。入院している子どもたちと誰よりも長く過ごしてきた人の目線なので、書かれていることがとても具体的です。
「大人の不機嫌が子どもをいい子にさせる」という一節があります。言葉で叱らなくても、黙って機嫌を悪くするだけで子どもは従う。けれどその従い方は、安心ではなく怖さから来ているという話です。
「叱っても意味がないわけ」「子どもへの怒りの背景は過度な期待?」といった、親なら心当たりのある章が続きます。読みながら、自分の中にある期待の重さに気づく方も多いです。
自傷行為や自殺願望にどう向き合うかという重いテーマまで扱っているのに、文章はずっと静かです。脅かすためではなく守るために書かれているのが、ページから伝わってきます。
親自身の心の守り方にも章が割かれているのが、この本を手元に置きたくなる理由です。子どもを守る人が倒れないようにという視点が、最後まで消えません。
⑧『児童精神科医が「子育てが不安なお母さん」に伝えたい 子どもが本当に思っていること』精神科医さわ
👉 こんな人へ
・子どもの本音が知りたい方
・完璧な親でいようと力が入る方
・何をしてあげるべきか迷う方
子どもの心の声を言葉にして並べた本です。著者は児童精神科医で、発達障害のある不登校の子どもを育てながら診療を続けてきた人です。
並ぶ言葉がどれも短くて、そのぶん深く届きます。「何度も同じこと言わないで」「もっと認めてほしい」「勝手に期待して、勝手にがっかりしないで」。読みながら胸が痛む方もいるはずです。
けれど同じページに、「お母さんだって完ぺきじゃないんだね!」という声も載っています。不完全さを責める言葉ではなく、むしろそこを引き受けてくれている言葉です。
いちばん静かな一行は「お母さん、ただそばで笑っててくれるだけでいいんだよ」というものでした。何かをしてあげなければと思い詰めている方には、荷物を下ろす許可のように届くかもしれません。
子育てが大変でつらいと感じながら、それでも子どもと幸せに過ごしたいと願っている人に向けて書かれた本です。勇気を出して最後まで読んでほしい、と著者自身が記しています。
⑨『子どものこころは大人と育つ アタッチメント理論とメンタライジング』篠原郁子
👉 こんな人へ
・母親ひとりで背負っている感覚のある方
・夜泣きに気持ちが削られている方
・研究の裏づけを知りたい方
愛着という言葉を、母と子の特別な絆という狭い意味から解き放ってくれる新書です。
発達心理学者ボウルビィが提唱したアタッチメントは、母子間だけのものだと思われがちです。この本は、子どもにとって重要なすべての大人との間に愛着は形成されうるという研究の現在地を示します。
その一点だけで、ずいぶん息がしやすくなる方もいるんじゃないかと思います。母親ひとりが抱えるものではなかった、という話になるからです。
「赤ちゃんは赤ちゃんだからではなく、守ってほしくて、慰めてほしくて泣くのです」という一文があります。泣き声の意味が変わると、真夜中に起きる自分の気持ちも少し変わってきます。
著者は親子関係と幼児教育の研究をしてきた人で、自身の子育て経験も随所に置いています。大人は子どもにとっての安心の基地であり、安全な避難所という考え方が、エールのようにあなたを包んでくれます。保育士や教師、祖父母にも読まれてきた本なので、家族で共有する一冊にも向いています。
⑩『子どものこころの発達がよくわかる本』坂上裕子
👉 こんな人へ
・まわりの子と比べてしまう方
・図解で発達の流れをつかみたい方
・就学前の対応に迷っている方
就学前までの子どものこころの発達を、イラスト図解でまるごと見せてくれる一冊です。
この本の軸は、こころの発達はからだの発達と深く関係しているという見方にあります。赤ちゃんは体を動かし、五感を使って外の世界を知っていく。歩けるようになることが独立心や自我の芽を育てる、という順番で説明されます。
行動範囲が広がると興味や関心が高まって、言葉も増えていく。別々の出来事だと思っていた変化が、枝葉のようにつながって見えてきます。
対応の具体例が年齢ごとに載っているので、今の困りごとの章だけ開く使い方ができます。監修は発達心理学の研究者なので、書かれている根拠がはっきりしているのも安心なところです。
いちばん覚えておきたいのは、発達には個人差があるので、ゆっくりだからといってあわてなくて大丈夫という一文でした。まわりの子と比べて落ちこむ日に、手元にあると助かる本だったりします。子どもの目線から理解していくという姿勢が、最後まで崩れません。
⑪『子どもの心を強くする すごい声かけ』足立啓美
👉 こんな人へ
・子どもがすぐあきらめてしまう方
・励まし方がわからない方
・折れない心を育てたい方
折れない心、立ち直る力をレジリエンスと呼びます。その育て方を、親の声かけに絞って書いた本です。
最初に並ぶのは、つい言ってしまいがちな言葉のリストです。「なんでできないの?」「そうやってやる気がないからダメなんだ」「そんなクヨクヨしないの!」。覚えのある方も多いのではないかと思います。
著者がはっきり書いているのは、レジリエンスは子どもを批判したり非難する言葉では育たないということです。強くしようとしてかけた言葉が、逆向きに働いていた可能性に気づかされます。
ストレスに弱い、自信がない、すぐあきらめる。そういう様子が気になっている方に向けて、毎日の声かけで立ち直る力をはぐくむ手順が具体的に示されていきます。
つらいことがあってもしなやかに乗り越えていける力は、生まれつきで決まるものではないという立場です。あなたが今日かける一言から積み上げられる、という手ごたえが読後に残ります。予測のつかないことばかりの時代だからこそ、と著者は書き出しています。
⑫『心が落ち着き、集中力がグングン高まる! 子どものためのマインドフルネス』キラ・ウィリー
👉 こんな人へ
・興奮が止まらない時間に困っている方
・指示を出すのに疲れた方
・寝る前を静かに終えたい方
親が読んで子どもに教える本ではなく、子どもと一緒にやってみる本です。本文は総ルビのオールカラーなので、子ども自身がページをめくれます。
中身は30のエクササイズです。「ロウソクの火をふき消そう」「ココアを飲もう」「冬眠クマさん」「ヘビの呼吸」「池の波」といった名前がついていて、どれも息の使い方の練習になっています。
雲になってみる、木になってみる、ハチになろう。遊びの形をしているので、「落ち着きなさい」と言うより早く、体のほうが先に静かになります。
興奮して止まらない時間や、泣き止めなくなった時間に、親が指示を出さずに済むのが助かるところです。一緒に同じ呼吸をするだけでいいので、こちらの余裕がない日でも使えます。
やさしい語り口と愉快なイラストで、子どもたちも興味津々になると紹介されています。言い合いで一日を終えたくない方に、静かな終わり方をひとつ渡してくれる本です。家庭でも学校でも使える形なので、園や学校の先生にも渡しやすい一冊になっています。
🍵 すり減っていく自分をいたわる本
子育ての悩みを調べていると、出てくるのは子どもへの対応の話ばかりです。
でも実際に限界が来ているのは、たいてい親のほうだったりします。自分のことはいつも後回しで、気づけば何年も休んでいない。その状態で優しくあり続けるのは、かなり無理があります。
この章の本は、子どもを変える前に親の側の余白をつくるほうを向いています。心構えを正すのではなく、具体的に手を抜く場所を教えてくれるものが多いです。
心理カウンセラー、コーチング、マインドフルネスの指導者、両立支援の専門家。入口はそれぞれ違いますが、芯にあるものは似ています。あなたが満たされていないと、やさしさは出てこないという一点です。
読んでいて少し後ろめたくなる方もいるかもしれません。自分を優先することに慣れていないと、休むことそのものが落ち着かなくなります。
それでも大丈夫です。ここに並ぶ本は、休むための言い訳ではなく、休む理由をちゃんと説明してくれます。
子どものためにという動機のままでも構いません。親が回復することが、いちばん早い子育ての改善策だったりします。
この6冊は、今日いちばん疲れている部分に近いものから選んで大丈夫です。
⑬『母を生きのびる本』あぴママ
👉 こんな人へ
・ほめなければという圧がつらい方
・きれいごとでは動けない方
・怒りを禁止されたくない方
タイトルのとおり、母という立場を生きのびるための本です。SNS総フォロワー18万人の著者による、待望の初著書になります。
著者自身が「育児の鉄則からははずれているかもしれない」と前置きしているように、教科書的ではありません。少々劇薬、と紹介されている通りの切れ味があります。
たとえば「褒めて育てなくていい」という項目があります。ほめなければという圧でしんどくなっていた方には、それだけで肩の荷がひとつ下りるかもしれません。
目次に「ポケットにティッシュを入れたまま洗濯。怒ってもいいですか?」という一行が並んでいるのが、この本の空気をよく表しています。怒りを禁止しないまま、2種類の怒り方を使い分けるという実際的な話へ進んでいきます。
「いくら怒っても子に嫌われない方法」「不機嫌を手段にさせない」といった章もあります。後悔を残したくないあなたに向けて書かれた本なので、理想論で終わらないところが信頼できます。
⑭『親も子もラクになる ゆるめる子育て』岡崎大輔
👉 こんな人へ
・自分のことを後回しにしがちな方
・「いい親でいなければ」に縛られる方
・具体的なコツを多めに欲しい方
「子どものためを思っているのに、イライラして怒ってばかり」。「いつも自分のことは後回しで、ヘトヘトに疲れ切っている」。この二つの状態を名指しして始まる本です。
著者が指しているのは、「〜しなければいけない」という縛りです。勉強しなければいけない、我慢しなければいけない、いい親でいなければいけない。そのどれもが、どこかから持ち込まれたものだと書かれています。
そしてその縛りは、自分の親からそう育てられたからかもしれないし、社会や周りの影響で生まれたものかもしれない。けれどいつからでも解くことができると続きます。
中身はのびのび育てるための関わり方・考え方52のコツです。数が多いので、全部やろうとせず、ゆるめられそうなところを一つ選ぶ読み方が合っています。
非認知能力という言葉が出てきますが、成績の話ではありません。自分で自分の幸せをつかめる力のことです。あなた自身の縛りがゆるんだぶんだけ、子どもの側もゆるんでいきます。
⑮『周りを優先し過ぎるお疲れママのためのご自愛レッスン』長谷静香
👉 こんな人へ
・誰にもねぎらわれていない方
・自分を大切にすると罪悪感が出る方
・怒りの扱い方を知りたい方
ママのための「ご自愛」の実践本です。著者は元看護師で心理カウンセラー、小学生から80代まで延べ1万人に関わってきた3児の母でもあります。
扱っている問いが、どれも具体的で助かります。イライラする気持ちはどう取り扱ったらいいのか。不安や悲しみ、怒りをしまっておける「心の器」とは何か。自分と相手との間に境界線を引いてもいいのか。
子どもが言うことを聞かない、誰もねぎらってくれない、自分に余裕がなくても家族のため。そのループの中にいる人へ向けて、順を追ってほどき方が示されます。
いちばん大事な一行は、誰かに優しくされるのを待つのではなく、自分で自分を癒し、愛おしみ、勇気づけていくというところでした。待っていても来ない日が続いているなら、ここから始める手もあります。
ママが満たされれば、そこから勇気が生まれると書かれています。自分を大切にすることに後ろめたさがある方こそ、開いてみてほしい一冊です。
⑯『ママでいるのがつらくなったら読むマンガ』山崎洋実
👉 こんな人へ
・ママ友との関係に疲れている方
・自分だけがひどい気がする方
・マンガで一気に読みたい方
ママでいるのがつらくなったときのために、マンガで書かれた一冊です。読むサプリメント、という副題がついています。
著者はママ・コーチングの第一人者で、たくさんの現役ママのグチと文句を聞き続けてきた人です。だから出てくる場面が、きれいに整えられていません。
元気すぎるわが子に肩身が狭い毎日、ネクラなママ友達にゲンナリ。そういう身もふたもない話がそのまま並びます。読みながら、自分だけが汚い気持ちを持っているわけではないと気づけます。
この本が向かっているのは、家族や子どもに振り回されずに「自分」を取り戻すところです。環境を変えるより先に、気持ちの落としどころを見つけるという順番になっています。
落ち込みとストレスの原因を、ひとつずつ解きほぐしてくれます。読み終わるころに、自分の生き方を「これでいいんだ!」と思えるようになるのが、この本のいちばんの効きどころだったりします。ママ友との距離に悩んでいる方にも、読んで楽になる場面が多いはずです。
⑰『イライラ・モヤモヤが消える ママの心のゆるめかた やさしくなれるマインドフルネス』田中えり
👉 こんな人へ
・知識はあるのに実践できない方
・怒ったあとの自己嫌悪が重い方
・一人の時間がとれない方
アンガーマネジメントの本を読んだのに、とっさには実践できなかった。そういう経験のある方に向けて書かれた本です。
著者は1万人以上にマインドフルネスを指導してきた現役の母親で、はっきりこう整理しています。アンガーマネジメントや言葉かけは「事が起きたときの対処法」にすぎない、と。
だから順番を変えます。事が起きてから何とかするのではなく、普段から心を整えておく。そのためのワークが、生活の中でできる形で並んでいきます。
やることがたくさんあって休む時間もない、イライラする、疲れる、一人の時間がとれない。その状況を変えないまま、心のほうだけ先に整えるという発想です。
つい怒ってしまって自己嫌悪に陥る日が続いているなら、知識を増やすより、呼吸をひとつ置くほうが早いかもしれません。あなたの一日の中に数分だけ、何もしない時間を戻してくれる本です。ワークはどれも短く、子どもを見ながらでも試せるものが選ばれています。
⑱『働く親のためのサバイバルガイド 子育ても仕事も大切にしたい人の人生戦略書』岸畑聖月
👉 こんな人へ
・復職や小1の壁が不安な方
・体力が限界ぎりぎりの方
・夫婦で噛み合わなくなっている方
仕事と子育ての両立を、妊娠期から先の先まで通してまとめた一冊です。
カバーしているのは、妊娠期・産育休・復職・小1の壁、そしてその先までになります。一度知れば20年役立つという掲げ方のとおり、今の段階だけでなく次に来る壁まで先に見えます。
元になっているのは、1000名以上の現役の働く親の声と、2500組以上の両立支援の経験です。だから書かれている壁がどれも実在していて、一般論で終わりません。
「子どもはかわいいけれど、毎日、体力が限界ギリギリ!」「時間に追われて、キャリアを考える余裕がない」「夫婦2人とも頑張っているのに、噛み合わない」。この三つのどれかに心当たりのある方は多いのではないかと思います。
精神論ではなく段取りの本なので、疲れている日に読んでも何かひとつ減らせるのが強みです。あなたが抱えているものを本当に全部ひとりで持つ必要があるのか、一度並べ直してみてくださいね。子育てノンフィクションの分野で1位になった実績もある本です。
🍀 子どもの自信をそっと支える本
自分に自信がなさそうなわが子を見ていると、何と言えばいいのかわからなくなります。
ほめればいいのかと思って「すごいね」を増やしてみても、どこか空回りしている感じが残る。そんな手応えのなさを抱えている方は多いです。
この章の本が共通して指摘しているのは、自信は言葉の量ではなく、言葉の向きで育つというところでした。何回ほめたかより、どこをほめたかのほうが効いてきます。
もうひとつ知っておきたいのが、時期の話です。自己肯定感が下がりやすいのは9歳から12歳くらいだと複数の本が書いています。まわりと自分を比べられるようになる年齢と重なります。
ただ、どの本も何歳からでも育て直せるという立場を取っています。手遅れという言葉は出てきません。今からでいいと言ってもらえるのは、親の側にとってもずいぶん救いになります。
扱っている中身は、言葉かけ、ワーク、日記、習慣、チェックリストと具体的です。読んで納得するだけで終わらず、明日の夕食の席で試せるものが並びます。
親子でいっしょに取り組むという形をとる本が多いのも、この棚の特徴です。子どもだけを変えようとしない設計になっています。
この6冊は、お子さんの年齢に近いものから開いていくのが早道になります。
⑲『子どもの自己効力感を育む本』松村亜里
👉 こんな人へ
・「すごいね」が空回りしている方
・やる前にあきらめる子が気になる方
・場面別の文例が欲しい方
自己効力感という言葉を、やわらかく言い換えるとこうなります。「成功するかわからないけど、とにかくやってみよう」という気持ちです。
この本が前提にしているのは、人は誰もがその力を持って生まれてくるということでした。だから新しく足すのではなく、減らさないという話になっていきます。
少し怖いのはここです。「あなたは賢い」「天才だよ」。良かれと思ってかけてきた言葉が、実は自己効力感を下げていたとしたら。そう問われて思い当たる方は多いです。
では何と言えばいいのか。その答えが30のシチュエーションに分けて示されていきます。できたとき、できなかったとき、やる前に不安がっているとき、場面ごとに言葉が用意されています。
効果が一瞬で表れるから、親と子に幸せのサイクルが生まれると紹介されています。あなたが替えるのは言い方ひとつなので、大きな覚悟までは要りません。ほめ方がひとつ変わるだけで、子どもが挑戦する回数も変わっていきます。
⑳『子どもの心のコーチング 一人で考え、一人でできる子の育て方』菅原裕子
👉 こんな人へ
・つい世話をやきすぎてしまう方
・しつけを押しつけにしたくない方
・文庫で手軽に始めたい方
シリーズ累計100万部を超えた、長く読まれている文庫です。価格も手に取りやすく、最初の一冊として選びやすい本になっています。
著者の見立ては少し意外に感じるかもしれません。声をかけ、世話をやきすぎた結果、依存心の強い自立できない子どもが増えているというものです。良い子に育てたいという思いが、逆向きに働くことがあるという話になります。
そこで持ち出されるのがコーチングの技術です。答えを与えるのではなく、子どもの内側にある力を引き出して、自分で考えて答えを出せるようにしていきます。
章立てには「親は子どもをサポートし、才能を花開かせるコーチ」「幸せ気分でするしつけ」「あなたの『きき耳』チェック」が並びます。自分の聞き方を点検させられるのが、この本の静かな仕掛けです。
子どもに教えたいものとして、愛すること、責任、人の役に立つ喜びの三つが挙げられています。親自身が成長することで子どもの力も育つ、という順番に救われる方もいるのではないかと思います。
㉑『何があっても「大丈夫。」と思える子に育つ 子どもの自己肯定感の教科書』中島輝
👉 こんな人へ
・9〜12歳のお子さんがいる方
・友だち関係に変化が出てきた方
・体系立った方法を知りたい方
自己肯定感という言葉を広めた著者による、子ども向けの決定版です。シリーズは24万部を超えています。
本の中で示される時期の話が、まず役に立ちます。自己肯定感のターニングポイントは9〜12歳くらい。集団の中で周囲の子と自分を比べ、自信がない、自分が嫌いと思うようになっていく年齢です。
もうわが子はその年齢を過ぎている、と思った方もいるかもしれません。それでも大丈夫です。そう思ってしまったとしても遅くはない、何歳からでも自己肯定感は高まると、はっきり書かれています。
1万5000人をカウンセリングしてきた人なので、方法が体系立っています。勉強や人づきあいに問題が出始めたお子さんの自己肯定感を、回復させて高めていく手順として整理されていきます。
著者が繰り返すのは、大切なのは親子でいっしょに取り組むことという点です。時間がない日でもできる形で載っているので、あなたのペースで始められます。
㉒『12歳までの自己肯定感の育て方で、その後の人生が決まる』ばなな先生
👉 こんな人へ
・小学生のお子さんがいる方
・「自分には無理」が口癖の子が心配な方
・教室での実例を知りたい方
中学生の60%が「自分嫌い」と答えている。その数字から始まる本です。
著者は元小学校教師で、のべ1000組の親子の自己肯定感を高めてきた人です。現場で見てきた分、書かれている子どもの姿がとても具体的でした。
自己肯定感の低い子どもの特徴として、三つが挙げられています。言われたことしかできない。「自分には無理」とチャレンジしない。「嫌われるかも…」と他人を恐れる。わが子に重なるところがあると、読む手が止まるかもしれません。
ただ本の向きは明るいほうです。小学生のうちに確固とした土台を育てられれば、主体性があって、失敗を恐れずチャレンジして、誰とでも関係を結べる大人に育っていくと書かれています。
自己肯定感の土台は大人になっても崩れないという考え方が、この本の芯になっています。お子さんが小学生のうちなら、ちょうどいい時期だと思って開いてみてくださいね。中学生になってからの変化に先に備えておきたい方にも向いています。
㉓『イラストでわかる自己肯定感をのばす育て方』諸富祥彦
👉 こんな人へ
・活字を読む余力が少ない方
・ワークや日記から始めたい方
・イラストで共感したい方
文字を読む余力があまりない日でも進められる、イラスト中心の一冊です。監修は3000人以上の親子を支えてきたカウンセラーで、イラストはInstagramフォロワー約20万人のモチコさんが描いています。
中身は【言葉かけ】【ワーク】【日記】【習慣】という四つの入口に分かれています。いますぐ使える実践的なメソッドがそろっているので、読んでから動くまでの距離がとても短いです。
本の中に、こんな一行があります。自己肯定感は、親が子どもにあげられる人生最大のプレゼント。成功と幸せの秘訣は学力ではなく、そこにあるという立場です。
さらに踏みこんで、「ほんものの自己肯定感」という言葉が出てきます。できることを増やして得る自信ではなく、ありのままの自分を認められる感覚のほうを指しています。
イラストに救われる本でもあります。言葉だけでは入ってこない日に、絵のところだけ見て閉じる読み方で十分です。ワークは一つずつ独立しているので、続かなくても気に病まずに済みます。
㉔『小学生の「じぶんを尊重する心」の育て方 親子で人間関係がラクになる「バウンダリー」入門』半澤久恵
👉 こんな人へ
・お子さんが友だちに合わせすぎる方
・我慢を優しさと教えたくない方
・親子で一緒に取り組みたい方
バウンダリー、つまり心の境界線を、小学生と一緒に学べるようにした入門書です。監修には教育学者の汐見稔幸さんが入っています。
バウンダリーとは、自分と他者を分ける線のことです。目には見えないけれど、自分を守る「心のドーム」のようなものと説明されます。
1章に置かれた問いが、大人にも刺さります。「いいよ」の裏で、心が泣いていませんか?。それから「察して」「言わなくても、わかるでしょ」の代わりに何と言うか、という話へ進みます。
「言わない優しさ」と「言えない苦しさ」を分けて考える章もあります。我慢を優しさだと教えてしまわないための地図になっていて、読んでいる親の側もはっとさせられます。
2章にはバウンダリーのパターンを調べるチェックリストが載っていて、親子で一緒に答えられます。自分を大切にする力を、子どもへの贈り物として渡せるのが、この本のいちばんいいところです。お子さんが友だちに合わせすぎて帰ってくる日に、一緒に開ける本になっています。
🌸 笑いながら肩の力が抜ける本
子育ての本を読んでいて、途中で疲れてしまうことがあります。
正しいことが書いてあるほど、できていない自分が浮かび上がってくる。学ぶための本ばかり並べると、かえって追い詰められていく日があります。
そういうときのために、この章を用意しました。読んで笑えて、読み終わっても何も課題が残らない本です。
出てくるのは、保育士やインフルエンサー、ライター、ママ芸人といった立場の人たちです。専門家の説明ではなく、同じところでつまずいている人の話として書かれています。
効くのは、自分だけが落ちているわけではないとわかる瞬間です。抱っこ紐をしていないのに体が揺れてしまう。道草をしまくる子に付き合って家に着かない。そういう場面が並ぶと、笑いながら少し救われます。
マンガやイラスト中心のものが多いので、細切れの時間でも読めます。寝かしつけのあと、片づけをあきらめた床の上でも開けます。
最後に紹介するのは、60年で2800人以上を見てきた92歳の保育士さんの本です。急がなくていいという視点を、いちばん遠くから見せてくれる一冊になっています。
この5冊は、学ぶためではなく休むために置いておく本です。
㉕『#ほどほど育児 失敗したっていいじゃない』木下ゆーき
👉 こんな人へ
・全力でやろうとして倒れそうな方
・パパとママ両方の目線が欲しい方
・笑って終わりにしたい方
おむつ替え動画や赤ちゃんさんインタビューで知られる、フォロワー30万人超の著者による一冊です。
タイトルに「#ほどほど育児」と置かれているところが、もうこの本の答えになっています。全力でやらないことを、堂々と肯定してくれます。
著者は元シングルファーザーで、ママの大変さに寄り添いながら、パパの戸惑いにも同じ重さで触れていきます。どちらかの味方をしないので、読んでいて居心地が悪くなりません。
笑えるのに、ところどころで手が止まります。言葉にできなかったモヤモヤが先に書かれていて、自分の中にあったものに名前がついた感じになる箇所がいくつもあります。
著名人からも絶賛の声が多数と紹介されていますが、読み味はずっと軽いままです。失敗したっていいじゃない、という題を声に出して読むだけでも、少し息がしやすくなるのではないかと思います。元シングルファーザーの立場から書かれた本なので、ひとりで育てている方にも届きます。
㉖『皆様、本日も家事育児お疲れ様です。』竹田こもちこんぶ
👉 こんな人へ
・誰にもねぎらわれていない方
・自由になりたいと思ってしまう方
・笑える具体例が欲しい方
TikTokフォロワー33万人を超えるママ芸人の初書籍です。4児の母として、毎日の家事育児をそのままネタにしています。
収められている場面が、どれも具体的で笑えます。「道草をしまくる三男」。「抱っこ紐をしていないのに揺れてしまう抱っこ紐シンドローム」。コロナ禍に乳幼児のいる家族全員が濃厚接触者になったら、という回もあります。
ただ、笑いだけで終わらないのがこの本の強さでした。本文にこんな一節が置かれています。「子育てから抜け出して自由になりたかった私よ、ひたすら育ててごらんなさい。いずれその我儘も粗相もずるさも泣き顔も、全て愛しく思えるから」。
不自由を否定せず、不自由のまま楽しんでしまう構えが一冊を通して流れています。今の自分を変えなくていいと言われている気がして、読み終わりがやわらかいです。
賑やかすぎる自宅の全貌や間取りがフルカラーで公開されているのも楽しいところです。全ての母に捧げる応援歌という紹介のとおり、あなたの一日をねぎらう本になっています。
㉗『ゆーぱぱの子育てそんなことある!?図鑑』ゆーぱぱ
👉 こんな人へ
・孤立した感じが強い方
・細切れの時間しかない方
・子どもと一緒に見たい方
2児の父が描いた、子育てあるあるのイラスト集です。40万人以上が共感したという下地があります。
「わかりすぎて共感しかない」「これ、うちの子も毎日やってます」という声が続出したとおり、取り上げられているのは思わず「そんなことある!?」と言ってしまう瞬間ばかりです。
大ボリュームのフルカラーなので、めくっているだけで時間が流れていきます。時にうなずき、時にツッコミを入れているうちに、大変なはずの子育てが笑いと癒しに変わっていきます。
この本のいちばんの効き目は、奮闘しているのは自分ひとりじゃないと思えるところです。孤立した感じが薄まると、同じ出来事でも受け止め方が変わってきます。
育児の合間にパラパラと読むのもいいし、お子さんと一緒にじっくり見るのもいいと紹介されています。お守りのような一冊、という言い方がしっくりくる本です。書籍だけの描き下ろしまんがやイラストも入っているので、動画を見ていた方にも新しさがあります。
㉘『パパもママも必読!子育てがラクになるノウハウを集めた育児ハック』ヨッピー
👉 こんな人へ
・気合いでは乗り切れなくなった方
・手を抜く場所を探している方
・家事の外注に踏み切れない方
ライターのヨッピーさんが、父親になる不安の中でたどり着いた効率化の集大成です。
この本がおもしろいのは、育児を方程式にしてしまうところでした。育児の大変さ=(子どもの手のかかり具合+家事の手のかかり具合+仕事の手のかかり具合)÷投入コストという式が出てきます。
つまり、気持ちで乗り切る話をしません。家事の外注、便利家電や掃除グッズの導入、宅食やネットスーパーの活用。手を抜ける場所が、具体的な固有名詞で並びます。
ここが効くのは、減らせるものがまだ残っていると知れるところです。全部自分でやるのが当たり前になっていると、外注という選択肢そのものが視界から消えています。
「育児に追われて大変で大変で大変で心が折れそう」という人に向けて、と著者自身が書いています。あなたの時間が少し戻ってくれば、子どもと向き合う余裕もそのぶん戻ってきます。これから親になる方にも、生まれて間もない方にもすすめられる作りです。
㉙『92歳の現役保育士が伝えたい親子で幸せになる子育て』大川繁子
👉 こんな人へ
・手をかけなければと思い込んでいる方
・まわりの教育熱に疲れた方
・遠くからの視点が欲しい方
築170年の古民家の園舎で、60年にわたって2800人以上の園児を見てきた、92歳の現役保育士さんの本です。
いち早くモンテッソーリ教育とアドラー心理学の「いいとこどり」を実践してきた園で、主任保育士を務めてきた人です。奇跡の保育園と呼ばれてきました。
掲げられているのは、ほったらかしでも、しっかり自立するという言い方でした。手をかけることが愛情だと思い込んでいると、この一行でずいぶん力が抜けます。
第1章に「スゴイ人より、めいっぱい自分の花を咲かせられる人」という項目があります。どんなに小さな子にも個性は立派にあらわれている、という前提で話が進んでいきます。
「教育は、とても怖いものだから、まずは親が判断力をつけないとね」という言葉も置かれています。92歳の人が急がなくていいと言ってくれる重みは、他の本ではなかなか代わりがききません。テレビで何度も取り上げられてきた園の話なので、読み物としても楽しめます。
⭐ 長く手元に置ける定番の育児書
子どもの年齢が変わるたびに、悩みの中身も入れ替わっていきます。
そのたびに新しい本を買い足していくと、情報が増えるほど迷いも増えていく。だから一冊だけ、何年でも引ける「土台の本」を持っておくと楽になります。
ここに集めたのは、調べものに使える厚みのある本です。読み通す本ではなく、必要なページを開く本として選びました。
網羅型、歴史のある名著、データに基づいた本、小児科医が書いた本と、立ち位置を分けてあります。同じ悩みを違う根拠で確かめられるので、情報に振り回されにくくなります。
ネットの子育てアドバイスは玉石混淆で、読むほど不安になることがあります。手元に基準になる一冊があると、流れてくる話を自分の家に当てはめる前に、一度止めて考えられます。
少し値段が高めのものも混ざっています。それでもこの棚の本は、上の子から下の子まで、何年にもわたって使えるものばかりです。
もちろん、全部を今日そろえる必要はありません。今いちばん知りたいことに近い一冊から、順に増やしていけば十分間に合います。
この5冊は、迷った日に戻ってこられる場所として置いてみてくださいね。
㉚『子育てベスト100 「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』加藤紀子
👉 こんな人へ
・情報が多すぎて選べない方
・索引のように引ける本が欲しい方
・研究の裏づけを重視する方
200以上の資料と膨大な取材から、方法を100にまで絞り込んだ一冊です。
ハーバード大、スタンフォード大、シカゴ大といった研究の裏づけを引きながら、ベスト100の方法と、すぐできる421の「超具体策」が収められています。数の多さに驚くかもしれませんが、引く本として考えるとちょうどいい厚みです。
著者が最初に置いているのは、情報が多すぎるという問題でした。本や雑誌からテレビ、ネットまで、玉石混淆の子育てアドバイスが氾濫している。その中で何を選ぶかの基準になるようにつくられています。
扱うのは家庭学習、遊び、習い事などの日常の場面です。「創造力」「自己肯定感」「コミュ力」「批判的思考力」といった力に分けて整理されているので、気になる一つだけ読む使い方ができます。
長年の取材で得た情報を、親としての実感でふるいにかけた力作だと評されています。何から手をつけるか迷ったときの地図として、あなたの本棚に長く残る本です。
㉛『はじめてママ&パパの育児 0~3才赤ちゃんとの暮らし 気がかりがスッキリ!』五十嵐隆
👉 こんな人へ
・はじめての育児にとまどっている方
・夜中に不安になることが多い方
・月齢別に引きたい方
0〜3才の育児の基本を、オールカラーで網羅した定番の実用書です。
つくったのは人気育児誌『Baby-mo』の現役ママ編集者チームで、読者から集めた疑問や悩みの声が土台になっています。だから並んでいる心配ごとが、どれも実際に誰かが口にしたものです。
おっぱいは足りているのか。乳腺炎になったらどうするのか。思うように体重が増えない、あるいは増えすぎている。離乳食はいつ、どうやって始めるのか。熱性けいれんで救急車を呼んだ日のこと。
月齢別に発育・発達・暮らし・気になることQ&Aが並ぶ構成なので、今の月齢のページだけ開けば答えが見つかります。真夜中に不安になったとき、調べる場所が決まっているのは大きな支えになります。
とじ込み付録には、体と手指の発達カレンダーや、心と言葉の発達の語りかけシートが付いています。はじめての育児の只中にいる方には、そばに置いておくだけでも心強い一冊ではないかと思います。
㉜『定本 育児の百科』松田道雄
👉 こんな人へ
・一冊を長く使いたい方
・新しい情報に疲れてしまった方
・辞典のように引きたい方
1967年の刊行以来、圧倒的に支持されてきた育児書の名著です。少し値が張りますが、ここへ戻ってこられるという安心が一冊で買えると考えると納得できます。
書いたのは小児科医で、誕生から就学までを、医学の知識と長年の経験の両方から記しています。扱う範囲が広いので、辞典のように引く使い方が合っています。
この本が今も読まれ続けているのは、情報量だけが理由ではないように思います。子どもの個性を育てようとするこまやかな情愛と知恵が、文章の隅々に流れているからでした。
デザインも写真も一新され、著者の遺志に沿って定本として整えられています。古い本の読みづらさは、ほとんど残っていません。
新しい育児情報に振り回されて疲れてしまった方に、一度ここへ帰ってくる読み方をおすすめしたい本です。半世紀以上読まれてきた言葉には、流行とは別の落ち着きがあります。上の子でも下の子でも同じように引けるので、長い目で見れば割安な買い物です。
㉝『科学的根拠(エビデンス)で子育て 教育経済学の最前線』中室牧子
👉 こんな人へ
・噂や印象に振り回されたくない方
・習い事や進路に迷っている方
・データで確かめたい方
教育経済学という分野から、子育てをデータで検証した本です。紙と電子を合わせて10万部を超えています。
おもしろいのは、扱っている問いが身近なところでした。早生まれは不利なのか。第一志望のビリと第二志望の一位では、どちらが伸びるのか。習い事はどう選べばいいのか。
どれも、よその保護者との会話に一度は出てくる話ではないかと思います。それを印象や経験ではなく、研究の結果として確かめられるのが、この本のいちばんの値打ちです。
日本経済新聞、朝日新聞、産経新聞、毎日新聞、読売新聞と、五大紙で取り上げられてきました。扱いが大きかったのは、感情論になりやすい話題を数字で整理したからでしょう。
わが子をどう育てるかの答えが、そのまま書いてあるわけではありません。それでも不安をあおる情報と、根拠のある情報を見分ける目が手に入ります。あなたが落ち着いて決めるための一冊です。人気のインタビュー番組でも、繰り返し取り上げられてきた内容になっています。
㉞『小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て』高橋孝雄
👉 こんな人へ
・専門家に安心させてほしい方
・何がいちばん大事か見失った方
・やわらかい語り口を好む方
慶應大学病院の小児科教授で、日本小児科学会の会長も務めた著者が、36年間の経験から書いた育児書です。
掲げられている問いはとてもシンプルです。子どもにとって、いちばん大事なことはなにか。専門家が正解を出すというより、親の肩の力を抜く方向へ話が進んでいきます。
実際に寄せられている声が、「育児の悩みが消えた」「肩の力が抜けた」というものでした。医学の第一線にいる人が書いた本なのに、読後に残るのが安心だというのは、なかなか珍しいことです。
母子家庭だった幼少期からのエピソードも載っています。医師としての知識だけでなく、ひとりの子どもだった時間を通した言葉になっているところが、この本の温度をつくっています。
公益社団法人日本PTA全国協議会の推薦も受けていて、幼稚園や小学校でも絶賛されたと紹介されています。迷子になった日にまず開く一冊として、長く置いておける本です。ラジオや雑誌で何度も語られてきた言葉が、まとめて読める形になっています。
❄️ まとめ

子育ての本は、知識を増やすためだけのものではありません。自分を責める時間を短くするための道具として使うと、働きがずいぶん変わってきます。
今日の状態から選べるように、入口を整理しておきます。
怒ってしまったことを引きずっている方へ。
✅ 言い方を具体的に替えたいなら①『子どもに伝わるスゴ技大全』
✅ ほめ方そのものに迷っているなら②『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』
✅ 読むより練習から入りたいなら③『どならない子育て』
子どもの気持ちがわからなくてつらい方へ。
✅ 不機嫌で動かしてしまう癖に気づきたいなら⑦『子どもの傷つきやすいこころの守りかた』
✅ 子ども側の本音を知りたいなら⑧『子どもが本当に思っていること』
✅ まわりの子と比べて苦しいなら⑩『子どものこころの発達がよくわかる本』
自分のほうが限界に近い方へ。
✅ ほめなければという圧から降りたいなら⑬『母を生きのびる本』
✅ 自分を大切にする練習から始めるなら⑮『ご自愛レッスン』
✅ 仕事との両立で削られているなら⑱『働く親のためのサバイバルガイド』
学ぶ気力が残っていない方へ。
✅ 30分で読み切りたいなら⑤『マンガでよくわかる 子どもが変わる 怒らない子育て』
✅ 笑って終わりにしたいなら㉗『ゆーぱぱの子育てそんなことある!?図鑑』
✅ 手を抜ける場所を探すなら㉘『育児ハック』
長く使える一冊を選ぶなら。
✅ 引く本として持っておくなら㉚『子育てベスト100』
✅ 0〜3才の不安に備えるなら㉛『はじめてママ&パパの育児』
✅ 情報に振り回されたくないなら㉝『科学的根拠(エビデンス)で子育て』
読み方で迷ったときは、この三つを目安にしてみてください。
✅ 気力がない日は、マンガやイラストの多い本から開く
✅ 困りごとがはっきりしているなら、その章だけ読んで閉じる
✅ 親のケアの本は、元気な日ではなく限界の日に開けるものを選ぶ
子育ての本を読んでいちばん変わるのは、たぶん子どもではなく親の側の見え方です。同じ出来事でも意味が違って見えるようになると、声の大きさは自然と下がっていきます。
今日できたことが、ごはんを出して寝かせただけでも十分です。あなたはもう、誰にもほめられない場所で毎日ちゃんとやっています。 ❄️
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