『色即是空』──色とは、すなわち空である。
般若心経の中で語られる、この不思議な響きを持つ一節。
世界は、私たちが「そう見ている」から、そう見えているのかもしれません。
赤は赤として、青は青として、そこに在るのではなく。
ただ「赤だ」と「青だ」と、私たちが認識している。
誰かの言葉も、ひとつの出来事も。
そのままの姿で私たちに届くわけではなく、私たちが持っている目に見えないフィルターを通して色づけられ、形を変えて、心に届いています。
ある人には、同じ言葉が励ましに聞こえ、ある人には、それが傷となって残る。ある人には、ただ通り過ぎていく風の音のように何も残さない。