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Photo byecap

しゃべる画像【毎週ショートショートnote】

    ピクトリンガルシステムの開発により、AI解析で絵画の思考音声化が可能になったと聞き、人々はこぞって展覧会へ足を運んだ。
    画家たちが作品に込めた情熱とメッセージを、本『画』に喋ってもらう。どんな名解説にも増して、刺激的で心動かされる試みだと期待したのだ。

    ルーブル美術館では、レオナルド=ダヴィンチの『モナリザ』に向かい、技術者が機材の調整を行っていた。
    500年以上の長きにわたり、謎めいた微笑で観衆を魅了し続ける彼女の第一声やいかに。世界中のモニタの前では、ネット配信を一耳聴こうと、大勢のファンや美術関係者が固唾を飲んでいた。
    システムが稼働し、ガラス越しの唇からおもむろに『声』が流れる。

    『**********』
    その湿っぽく掠れたノイズは、キャンバスを絵筆の滑る音に似ていた。
    なるほど絵の声とは、絵の具を置く音に他ならない。とつとつと流れる筆遣いに耳を傾けながら、人々は各々の心に描く彼女の、この上もなく美しい声を聴いた。



    副題:名聲鑑賞

    本作品はamazon kindleで出版される410字の毎週ショートショート~一周年記念~ へ掲載される事についてたらはかにさんと合意済です

     
     
    自称、物書きもどきの樹人変人。 前職は花屋。現在は葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、小説投稿サイトを中心に活動。 X:@motoki_koiwa

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