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Photo bytaiin

ルラの夢

    #古賀コン6
    一時間で書く
    お題「架空☆1レビュー」



     ルラはサッカーゴールを地引き網に見立て、男子五人を強引に曳いていく。
    「このなかでわたしとケッコンしたいのはだれ?」
     プリンセスの突然すぎる問いかけに、カケルは鼻の下を伸ばす、ユウトはケッコンに魂を奪われる、タッキーは競走馬みたいにぶるぶるふるえている、ショータはぽかんとしている。そして僕はドン引きして、みんなの様子をみてる。ここに選ばれてるんだから、僕もすこしは自信をもっていいってことかもなあ。ルラは正真正銘にきれいってわけじゃないけど、ちょっとあつめのくちびるを時々尖らせたり、妙に手の込んでそうな髪をしてたり(みつあみというとおこる、あみこみというんだと)、自己評価がとても高そうで、かわいくても正直ついていけない。まあ僕が選ばれることもないだろうから、マッチもせず安全だろう。☆2。
     
     カケルは熱っぽい目でこっちをみてくるけど、空気が濃くなりすぎるかんじかも。タッキーはわかりやすくエロマンガ思い出してそう、ヤマダは興味ないって顔しすぎで白ける。☆1。ユウトとショータはなんにもわかってなさそう。それにしてもユウトのまつげは長くてきれい。まつげとまつげを触れあわせて、まばたきを繰り返すっていうキスをしてみたい。くちびるのはもうちょっと大人になってからでいいや。中学生とか。わたしはお姉ちゃんみたいなママになるんだー。

     そこらへんにいるすずめより、こどもの数が少なかったんだって。ええっとね、少子高齢化が進んで、日本の人口の6%しか妊娠可能な(年齢の)女性がいないって。わたしたち、絶滅危惧種めいてたのよね。
     ママに聞いたら、大学生の時だってすきなひとの子どもができたらどうしようって思うとすごく怖かったって。今は高校に託児所があるし、好きなだけ抱きあってベビーができたらみんなお祝いしてくれる。JKのうちにあとひとり生んで、大学(もちろん託児所つき)に通って、社会にでるころにはちょっと丈夫になってる予定。☆5。とはいえあいつはちっとも大人になれてなくて☆1。

     今さらまだ好き? そう? それならいいけど、つがいなおせばまた新しくこどももできるってものよ。父親が違うとか、誰も気にしないしね。お昼休みにみんな、ここにきてくれるじゃない? ともだちがママしてるの間近で見て、お世話もしてみて、仲間と一緒に育てるってかんじ、いいよねえ。あとほら。かわいいけど、かわいいばっかりじゃないから。離れる時間があるほうが、愛おしいと思えるの。それを手伝える仕事だからなかなか悪くないわ。昔は薄給だったらしいけど、次世代育てるってのにそれはないわよね。☆1から5へ変更。わたしは割りと満足して生きてる。

     顔、顔、顔。それしか評価しないとなったら僕なんて誰にも選ばれない。優しさとか、きっとあるんだけどな、発揮できるチャンスもない。平たく言えばもてないってやつで、おんなのことは縁もない。あいつなんか軽くて、全然いいやつだとも思えないけど、たぶんもうこどもが3人いるんだ。それでものんきに「かわいいなあ」っていってるだけ。ほんとは僕たちって必要ないんじゃないの? 社会に出て働いて、税金納めまくって、何かしらの歯車になるだけ。独身男性は早死にってやつ、きっとそうだろうと今と地続きに感じる。こんな世の中はぜんぜんよくなくて☆1しかつけられそうもない。昔はよかった。なんて、高齢男性みたいだけど。

     ルラは夢見がち。「このなかで、わたしとケッコンしたいのはだれ?」 

     

     

     
     
    詩人を名乗る小説書き。 石田衣良パブリッシュサロン「世界はフィクションでできている」出身。サロン内 ショートショートコンテストで4度の優秀賞受賞。ストーマ啓発ポスターのキャッチコピー「私の大切なものは目に見えない。服を、着てしまえば」意気込みは「あなたをいと中毒に仕立てあげる」

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