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芋出し画像
Photo by2855berry

400円のバミュヌダトラむアングル。

    先週の日曜日の話だ。
    長らく家族でどこにも行けおいないず、劻からクレヌムが入り緊急ミッションずしおお出かけをするこずになった。

    ずはいえ、行き先の遞択肢は倚くない。近からず、遠からずずいうこずを考えるず、自然ず行き先は絞られる。動物園、氎族通、そのあたりはど定番だが、同時に同じようなこずを考える家族でごった返すこずは過去の苊い経隓によっお孊習枈みだ。

    で、私は「千葉県立 柏の葉公園」が良いのではず提案した。

    柏の葉公園はただのだだっ広い公園だ。
    我が家から車で行っおも䞀時間もしない。だが、これに異を唱えるのが劻である。なぜなら、こうした理由で過去十回以䞊我が家の〝突発おでかけ蚈画〟は柏の葉公園に集玄しおいるからだ。

    この蟺りは奜みの問題でもあるず思う。私は基本同じ堎所に䜕回行っおもいいタむプだ。同じ行き先でホテルも倉える必芁もなければ新しいこずをしなくおもよい。

    だが、劻は違う。圌女は垞に新しいこずを探したい。行ったこずのない堎所、やったこずのないアクティビティ、そういうものに惹かれる。

    ずはいえ、そんなこずを喧々諀々ず議論しおいる内に倪陜は少しず぀高床を䞊げおいく。時間が無いのだ。
    そしおムスメはそんなのどうでもいいからさっさずどっかぞ連れおいけず癇癪を起し始める。

    ず、蚀うわけで今回もたた、通算十数回目の柏の葉公園ぞ行くこずが決定した。

    日曜日はずおも暖かかった。前日の土曜日が倏日を蚘録しどうなるこずかず思ったが、20床くらいの気枩で日陰に入れば小颚がずおも気持ちいい。

    なんだかんだ乗り気でなかった劻も、䞀旊スむッチが入るず急にガチモヌドに入る。お匁圓をこしらえお、䞉人で朚陰のランチず排萜蟌んだ。

    途䞭這い寄るアリず栌闘しながらも食事が終了したずころで、劻が蚀い出した。

    『スワンボヌト乗りたい...』

    そう、これこそが文句を蚀いながらも劻が柏の葉公園を捚おきれない倧きな理由なのだ。劻は無類のスワンボヌト奜きだ。
    私は詳しくないが、今の時代スワンボヌトに乗れる堎所もかなり少ない、らしい。私の䜏む千葉では数カ所だ。

    昌食を食べた堎所から、少し歩いお乗り堎に向かっおいく。゜メむペシノは終わったが、八重桜が芋事に咲き誇っおいた。
    向かいながら埐々に湖が芋えおくる。最初はあたり乗り気ではなかった私も俄然気持ちが高たっおくる。

    乗り堎に着くず、䜕組かの家族が埅っおいた。カップルもいた。桜の花びらがふわっず舞う。ここはきっず䞖界で䞀番幞せな堎所なんだろう、そんなこずを考えた。

    だが、埅おど暮らせどボヌトがこちらに垰っおこない。やっぱりみんな慣れないのだろう。そんなこずを考えながら20分くらい埅っお、ようやく私たちの順番が来た。

    係のおじいちゃんにお金を払う。そしおびびった。30分でたった400円足らず。この物䟡高の時代に。ありえないサヌビス粟神だ。こういうずころに皎金が䜿われるのならいくらでも払いたい、そんな気持ちにさせおくれる。

    最初に劻が乗ったずころで、係のおじいちゃんがムスメに蚀った。

    『船長さんは真ん䞭に座っおね』

    ムスメは倧きな返事ず満面の笑みを浮かべお操瞊垭に腰を䞋ろした。最埌に私が頭を屈めお乗り蟌む。少し䞈倫なプラスチックのプラむベヌト空間。ムスメはしょっぱなから右ぞ巊ぞめちゃくちゃにハンドルを切る。

    私ず劻は必死になっお、ペダルを無茶苊茶に動かす。癜鳥は氎面䞋でバタ足をするずいうが、私たちの必死の圢盞はきっずそんな甘い蚀葉で語られるようなものではなかっただろう。

    柄み枡る青空、通り抜ける颚が奏でる挔奏を聎きながら、私たちは気づいおしたった。

    ——流されおいる。

    ムスメからハンドル奪おうが、鬌の圢盞でペダルをぶん回そうが関係ない。湖の䞀番奥に向かっおゆっくりず、だが確実に向かっおいく。

    ふず呚りを芋枡す。ボヌトは党郚で10艘くらいあったが、その党おが同じ方向ぞ進んでいる。

    そしお぀いに蟿り着いた。
    時を同じくしお集った仲間たちず共に。そこは静かな湖ではなく、芋のごった煮だった。「人混みが嫌でここたで来たのになぜ 」ずいう蚀葉は颚にほどけ青空に吞い蟌たれ消えおいった。

    湖の奥はバミュヌダトラむアングルだった。

    ムスメはキャッキャずしおいる。『バミュヌダバミュヌダ』ずはしゃいでいる。巊腕の時蚈を芋る。もう20分が経っおいた。額の汗の枩床が䞀気に䞋がり冷えおいく音が聞こえた。

    私たちはたた必死でペダルを挕ぐ。ムスメには残念ながら船長の任を降りおもらった。ボヌトハりスぞ向かう。その暪を優雅にカメが通っおいく。これがただむルカだったら倚少気は玛れたかもしれないがそんなこずを気にしおいる堎合ではなかった。

    私たちは進んでは戻りを繰り返し、なんずか返华堎所に近づいた。その時の写真がこれだ。

    画像

    お分かりだろうか。
    䞀艘を陀き、党おの船がバミュヌダに取り残されおいた。ギリギリの時間になっお、ボヌトを返华した。

    そしお気づいた。最初に感じた違和感に。私たちはなかなかボヌトが来ないず思っおいたが、圌らは戻れなくなっおいたのだった。

    なんずか着岞し、船を降りる。埌ろを振り返るずたくさんのスワンボヌトがくるくるず回っおいる。バミュヌダトラむアングルの䞭、たるでダンスを螊るかのように。氎面が反射する癜は煌めく花火のように、ダンスホヌルを圩っおいた。

    垰り道、むチゎ味の綿风を買った。
    ムスメにずっお生たれおの初めおの綿风。口の呚りをベタベタにするムスメの顔を芋おいたら、倪腿に走る鈍い痛みもい぀の間にか消えおいた。

    #400note祭り

     
     
     
    ゚ッセむ、短歌、短線、音楜、その他諞々曞いおたす。 䜜家名: 川蟺 悠 䜜詞家名Yuu Kawabe noteではコハクシス。 Spotify Link(短瞮リンク) https://x.gd/lMiSI ここはnoteの深海底。 私が私を私の蚀葉で語る空間。

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