クリエイター図鑑に挑戦した話。
クリエイター図鑑が流行っている。とても面白い。どれもこれも爆笑ものだ。しかし、みなさんの記事を読んだりカードを見たりするぶんにはいいのだが、頼むからバトンよ回ってくるな...と、実は心の中で念じていた。
なぜ回ってきて欲しくなかったか。それは、なんとなく触ってはいけない気がしたからだ。昔、自分の心の奥底に埋葬した何かが蠢き出す、どうにもそんな嫌な予感がしていた。
だが、ここで事件は起こる。大島さんからのキラーパス。

まさに、オトナの男の余裕。
イケてる人はどこまでもイケている。飾ろうが飾らまいが、全てが自然体で流麗。高校時代、漫画研究同好会でブヒィ!ブヒィー!と言いながらエロ同人誌を読み耽っていたどこぞのブタナメクジとは大違い。
そう言えばずっと昔ユニクロのCMにオーランド=ブルームが起用されて話題になった。ウキウキして買ったヒートテックは、家で着て鏡を見たらただのミートテックだった。そもそも持っているモノが違う。この世界の片隅にも平等なんて言葉はない。
“やってみると、面白かったので、興味のある方や、中二病の方は是非”
で、渡されたバトン。さすが大島さん。退路の塞ぎ方をよく知ってる。
やるべきか。やらざるべきか。触れるべきか、触れざるべきか。ここ数日私の頭の中はそれだけでいっぱいだった。時間だけが経過してモヤモヤしていたら、驚くことに昨日葉月さんがこちらの記事を上げていた。
ぜひ中身を見て欲しい。
葉月さん、めっちゃノリノリである。いつも知的でクールで、少し捻くれてて、でも真っ直ぐで。
たぶん、私が高校生だったら、常に500メートルくらい距離を取って遠くの木の皮にへばりつきコッソリ眺めていたであろう高嶺の花子さん、もとい葉月さんが、これでもかとはっちゃけている。

(実はこの記事、それだけでなく、なぜか私が審査員を務めることになったエッセイしりとり2026のまとめ記事にもなっており、そちらの書きっぷりも最高だ)
もはや、逃げ場を完全に失った。
私は発案者の営業パパさんの記事に行き、webアプリを立ち上げた。簡単な質問に答えてプロンプトを出力し、ChatGPTに貼り付ける。
だが、ここで手が止まった。プロフィール画像...。途端に胃が痛くなった。私はふだんこのプロフィール画像を使っている。

今更で申し訳ないが、こいつは一体誰なんだ。そもそもこのアカウントを作るとき、アイコンなんてどうでもいいと思って、適当に「人物」でAI生成したものを貼り付けた。それがちょうど一年前くらい。私はコロコロとアイコンを変えるので、そのときの気分でコインにしたり、レリーフにしたり、ジャン=レノにしたりしているが、ベースとなった人物は変わらない。
だが、もう一度言う。こいつは一体誰なんだ。
私とリアルで会った人なら分かると思うが、到底私と似ても似つかない風貌をしている。いや、微妙に似ているのか?それすらもよく分からなくなってきた。一応私もメガネをかけてはいるが。
私はこれまで何百本と記事を書いている。当然その文章には自分の人格が宿っていると思っていた。だが、実際には、私の人格はこのよく分からない男の顔に宿り、その口が動き、今日もこうしてペラペラと言葉を吐いている。
二重の自己。考えたら胃の奥の方から酸っぱいものが込み上げてきた。
鳩尾の内側が前に突っ張るように痛い。プルプルと震える指先で、生成ボタンを押す。
できた。



なんというか、なんと言葉にすればいいのか分からない。
ひとまず、違和感しかない。
あのよく分からない男に体があったことにまず驚く。
あと、なんか、かっこいいことが書いてある。必殺技、なんか、すごい。
得体の知れないパンドラの箱を覗いてしまった。いま、そんな気分だ。
もちろん恥ずかしいとか、そういう感情も多少あるが、それよりも冷静に、自分でない何者かが自分のツラの皮を剥ぎ取って、自分に成りすましているのを見ているような、そんな感覚かもしれない。
ある意味、今回「クリエイター図鑑」に参加させていただき、創作とは、匿名性とは、ペルソナとは、と深く考えるきっかけになった。
それで、もう少しだけ考えてみた。
この「今さら誰やねん男」はひとまず置いといて、私は日陰者のナメクジだ。
人の不幸こそ願わないが、考え方も根暗だし、陰湿な面もある。だから、どうしてもこういうキラキラしたものを見て、それが自分だと言われると少しだけ後ずさりしてしまう。
人には分相応という言葉があるが、それはナメクジとて同じこと。やっぱりナメクジはナメクジらしく、古くてカビの生えた井戸の中を這い回っているくらいがちょうどいいのかもしれない。
追記:
なぜかリクエストが多かったジャン=レノバージョンも置いておきます。

今回私からバトンはお渡ししませんが、もしやりたい方がいればぜひ参加してください。
詳細と営業パパさんのクリエイター図鑑はこちらからどうぞ!
