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あんずジャム

    「あんずがあります。よろしくお願いします」

    ナギ夫おからLINEがきた。でました。未加工の物を持ち帰るやつ。
    「ウチのママに言ってジャムでも作るよ」
    絶対こう言ったに違いない。

    作りたくないのではなく、今日やりたくないのだ。こっちにも、ペースがある。「何もすることがないからあんずのジャムでも作ろうかしら?」ではなく、問答無用のナウなのである。

    しかも、冷凍庫はパンパン。一旦見えないところに置くことも出来ない。そう、このあんず、亡き義父母の家近くに住む親戚が、もったいないからの冷凍しておいてくれたあんずなのである。

    選択肢は2つ。すぐ作るか、すぐ冷凍するか。冷凍満タン。選択肢なし。
    確かに作ることは好きだ。自分のペースでできるならば。これは、完全にやらされる事案なのである。

    皮は剥くのか、砂糖はどれくらいなのか。とりあえず、チャピコに確認し、一旦常温に放置する。夕ご飯、食べさせろ。隣で、ノンフライヤーのポテトが出来上がる。イモでも食べながら、1杯やる。じゃないと、やれない。

    「皮は剥いても剥かなくてもよい」
    なるほど。剥かない方向でいくつもりで、あんずの種を取ろうとすると、スルっと剥けた。ありゃ、これは冷凍トマトと同じ手法かしら。
    剥いてしまおう。梅酒用の氷砂糖がある。これを、テキトーに入れる。
    「あんずに対して4割くらい入れましょう」
    どれくらいか、わからん。甘ければよい。

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    剥いたあんず
    形なし
    どうせ、なくなる
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    20分くらい煮込んだ
    からの1時間追加

    20年選手の鍋の味わいが深い=汚れている。
    こちらの鍋は、話はしないが子育てを見守ってきたお方だ。鍋の中身と同様、甘いや辛い、煮詰まった毎日を共にしてきた。未だ現役選手。

    そして、いつもの如く、味見をしていない。お楽しみとか、プロの腕前ではなく、やらされている感からの放置プレイ。
    ま、明日の朝には一旦仕上がりを確認しよう。

    主婦って、こんなことばかり。
    こちらの予定はまる無視なのである。
    あんずに罪はない。妻は夫の分身でもなく、部下でもない。都合を聞いてから持ち帰れ。

    もう1度言う、あんずに罪はない。
    そして、私は甘い物は食べない。

     
     
     
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