
説明会2
質疑応答。
一瞬静まる会場。担当者たちはお互いの顔を見合わせ、会場に視線を送る。
手が挙がる。マイク担当者が走る。よく見る風景ではある。が、私も当事者。ごくりと唾を飲み込む。
「この事業、もう半世紀以上前から言われていたものです。私たちも歳を取った。今日の話だとまだ20年近くかかるようだが、早々に取り掛かれるのか」
「立ち退きする人のうち、本当に道路になるお宅と仮設工事で立ち退きまた戻るお宅がある。10年20年で話されても不安だ」
「説明会は確か4年前に計画発表で行われたが、今回は事業化決定の知らせ。今後、進捗説明などの集まりはないのか」
高齢の男性たちが次々と意見を出していく。その全てに担当者が言葉を選んで説明している。
一人の担当者は、質問には触れずさっきまでの説明会の内容を繰り返した。そしていかにも説明したかのようにマイクを置いた。
はあ。
紛糾させない。鉄のお約束なんですね。ま、お役所。公的言質は大失策ですもんね。わかるよ、わかる。と頭の半分は理解を示す物分かりのよい私。
後の半分は、なんだこれ、セオリーを公認する役割か。ま、いいや。後で個別に聞いてみよっと。そうなったら、お約束のやりとりは早く終わっていただきたい。時計を見る。21時。
担当者は「それでは会場の都合もございますので、これにて終了いたします。会場後方に詳しい図面等が大きくして貼ってございますのでお帰りの際にご覧ください」と言い、締めてしまった。
さあ。
こんな説明会ではあるものの、この説明会を以て、事実は事実になりました。
我が家、これから怒涛の波‥今のところ小波‥に飲まれていきます。
動きがあれば、また。