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ダミアン・コゾレ『Half-Sister』スロベニアの娘、アルバニアの娘

    夫と別れて実家に金を無心しに来たイレーナは十数年ぶりに異母妹のネジャと再会する。リュブリャナに出て大学に通い直すというネジャと家を飛び出して行くあてのないイレーナは、父親を仲介として一つのアパートで共同生活を強いられる。父親が学生であるネジャのために借りたアパートに居候しながら、イレーナも家賃は払っているので、空白地帯もなく広がる"誰のものでもない場所"となったアパートでは姉妹が顔を合わせる度に喧嘩が起こる。バカだの嘘つきだの色々な罵倒ワードが登場する中で、互いの母親を侮辱しあうのは中々興味深い。双方、母親とは仲が悪いのに罵られるとイラつくという点もあるが、ネジャの母親がアルバニア人であることを自ら蔑む場面があって、恐らく全く登場しない彼女の存在が家族全体を険悪なムードにしている(イレーナとその母親以外)ことを考えると、旧ユーゴ諸国に横たわる宗教や人種の問題の根深さを思い知らされる。

    イレーナには暴力的でストーカー気質な旦那が未練タラタラで職場まで追ってくる、ネジャは高い学費が払えず家でグズグズしている。互いの問題が一つの部屋に持ち込まれる時、姉妹は互いを支え合って前に進むことを理解し、長年の争いで出来た古傷を癒やし合う。展開としては美しいが、仲直りのきっかけが"実家に帰ったら両親に怒られました"じゃああまりにも貧弱すぎるし、ストーカー夫への最終的な対処法がとても物理的で困惑する。まあ確かにそのへんのまどろっこしい展開を省くという意味では時短にはなるけど、積年の恨み辛みってそんな簡単に晴れるもんなんすか。

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    ・作品データ

    原題:Polsestra
    上映時間:105分
    監督:Damjan Kozole
    製作:2019年(スロベニア, 北マケドニア, クロアチア, セルビア)

    ・評価:40点

    本記事はマガジン「東欧映画」に掲載されています。こちらもよろしくお願い致します。


     
     
     
    東欧/旧ユーゴ/カフカス/中央アジア映画研究家。好きな女優は必ず寡作。筋金入りの非線形天邪鬼。2026年はブルガリアを中心的に。2020年代はカンヌ映画祭のコンペ作品をコンプするぞ! 依頼等はknightsofodessa0715 at gmail まで!