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田中靖規『サマータイムレンダ』全13巻 感想





2025/4/6(日)

1-4巻

おもしろい! 画もうまいしプロットが予想以上におもろい。
3巻で南雲先生たちと合流して協力体制に入ったあとに、4巻で慎平が影のウシオを庇ったことで早くも南雲先生と離別しなければならなくなる展開うまい。

あと、ループものでなるべく以前起こったことから変化がないように気をつける展開はありがちだが、今作ではそうする理由が、超越的なものではなくて、単に慎平の前回の経験・情報を生かすため、というプラグマティックなものなのが良い。
ループの回数制限も同様に、超越的な理とかではなくて、単にループのリスタート時点が徐々に後ろにズレる性質から演繹して、24日夜のカタストロフよりあとにループしても意味がないことから実際的に設定される(主人公が個人的・主体的に設定する)のがいい。

SFホラー伝奇ファンタジー要素は満載だが、むしろそれらが作品のロジカルさに奉仕しているのが特徴だと思う。特殊設定ミステリまではいかないけど。影の性質からどうやって対処して倒そうかと策を練ったり、誰のいつの時点での記憶がコピーされているか考えて状況を推理して整理したりと、かなりの頭脳戦が展開されている。アクションバトル要素も同じで、影と本体の被ダメージ機構の違いから瞬間的な戦略バトルが繰り広げられている。全体的に、よく出来たサスペンスミステリだと感じる。

あと、影と本体の関係が、平面と立体の関係に対応して抽象化してテーマを形作っているのも良い。慎平の「フカン」も明らかにそういった空間幾何学的な主題に通じている。漫画という平面のページに立体を虚構的に再現して物語を描くメディアについて批評していると読みたくなる。

潮かわいい。
本物は死んだけど影のほうが味方になってくれていて、しかも本物と影が生きてるときに交流してしっかり話し合っていた展開アツい。

死んだ弟の意識?との二重人格である南方さんのキャラも抜群にいい。頭脳タイプと戦闘タイプのスイッチングはロマンだし、トリガーが髪留めをほどくことなのもナイス造形


5巻

影は水中戦に強いのなるほどな〜 おもしろい
小物にも変身できるの便利だな
スク水にまで合理的な理由付けをするのか……
ネイルガンなどの機械は本物がある状態ではコピーが使えないの、どういう仕組み??


6巻

お〜 全13巻のうち、およそ前半が終わるこの6巻で、長かった "4回目" が終わる。2度目のカタストロフと共に。「描写(レンダリング)」のタイトル回収をして、倒すべきラスボスも明らかになったところで。構成が王道にうまい。
トキコや菱形家の真相、島の暗部もわかってきて因習村ものらしくなってきた。


7巻

お~5周目は即死か~~ ループ者同士のガチンコ勝負へと物語が移行した。
「夫婦坂泡夫」は草 11枚のトランプ
南方姉弟の過去、そういう感じね。ハイネが弟君を殺してコピーするも、なぜか精神が弾け飛んでお姉さんに乗り移った。ガチで憑依してたんかい
第1話冒頭で潮が慎平の目に細工してたのはそういうことか
慎平が死んだときに近くにいるひとの記憶を、ループ再始動前に見れる仕様か。物語を進めるのに便利だ
6周目は初っ端から身近なひとみんなに潮がループの記憶を見せて、あっさり仲間になった。総力戦がはじまる
[亜人]とかの読み味に似てきた。敵がこちらと「対等」だと分かってから始まる勝負がある。

今のところ、特に革新的なものはないが、さまざまなジャンルの意匠を組み合わせて手堅く面白いものになっている印象


8巻

タイムリープの仕組み勘違いしてた リスポーン時点=「限界」も徐々に加速しながら前に進んでて、追いつかれるとゲームオーバーってことか。
めっちゃバトル展開 初期からは想像もできなかったほどに。
トキコが影使いとして強力な戦力になるの頼もしいけどわろた
追加(で明らかになる)ルール多い……多くない?
ミオ(影)が仲間になり、澪とのラブコメ要素が進展?
夜の病院  ホラー的な画の演出うまいなぁ ホラゲ好きなだけある?
本編でカットした書き切れない設定情報が満載の会話パートを巻末に詰め込んでるのわろた それどうなん??


9巻

トキコ→澪 もやっぱり巨大感情だよなぁ ここの兄妹で同じ人を好きになってるやんけ
菱形の父ちゃん、碇ゲンドウみたいな、亡き最愛の妻を救うために凶行に人生を捧げたよくいる男キャラだな……妻(母ちゃん)の「聖母」「良妻」的な造形まで含めて凡庸にもほどがある。この作品、こういう人情ドラマ要素はことごとくそんなかんじ。恋愛要素もベタだしなぁ 「人間」を描くことは主眼に置いていない
決戦前夜、最後の夜のそれぞれの描写が群像劇っぽくていい。
うわー……爺さん……… この人間ドラマもベタだけど好きだよ
この漫画の地味な美点に、和歌山方言(関西弁)がナチュラルに使われているところがあると思う
トキコの使い影のギルとロズがだんだんマスコット的にかわいく思えてきた アヨン
潮の髪が短くなってたのってそういう。ロングに戻る見開きが魔法少女の変身バンクみたいでおもろい
ぶっちー先生……
120ページの島を階段から見渡す見開きめちゃ好き なんやかんや写実的な離島のロケーションがこの漫画の基礎点を底上げしている
23日の、決戦前のやや牧歌的な雰囲気好きだな おそらく意図的に息抜きパートとして描いているであろう
そういやこのマンガって、各話のサブタイトルないのか? 巻頭に目次もない。各巻のサブタイトルはあるけど。
FF7語り 趣味全開
巻末に潮の各時点での記憶してるコピーアイテム一覧 脳内メーカーみたいだ
そしてあとがきには『デス・ストランディング』及び作者のゲーム観について存分に語っている。「世界観」、主人公キャラを操作しながらゲーム世界を「体験」することを至上としているらしい。ひじょーに本作の読解にも役立つあとがきだこと!


10巻

釘3本影に刺しても効かなかったのは、シデがそもそも影じゃなくて人間だったからか~
ハイネが妊娠すると種主=父のクローンが産まれてくるのを利用してシデヒコは若返りを繰り返してきた。新情報だ
ここで引き金を引けばラスボスを倒せるが、(いちおう)生身の人間を殺すことが主人公には出来ずにみすみす取り逃す展開だ。
うわ~~ 前巻の牧歌的なパートはこの絶望リスタート展開のための下拵えだったのかよ!!
ハイネさん幼女になるの好きですね・・・
106-107ページの見開きすごいな。すげぇ叙述トリック的ミスリード。なるほど…… 慎平自身がコピーされている。これ元はジャンプラだから1ページごとに表示されるのがデフォルトだったのだろうか。そっちのほうが効果的な演出だよな
ハイネは3周目から一気に8周目に飛んでるの? よく分からない ハイネ視点だとどういう感じになってるんだ
ところで、この漫画ってキャラクター人気投票をやりにくそうだな。影のコピーを本物と同一人物とするか別キャラとするか、で意見が分かれそう(そこがまさに主題のひとつ)なので。潮とウシオ、澪とミオ……。あと竜之介とひづるも1人のキャラとして換算するべきかどうか。
竜之介の2秒先が見える能力はやっぱりアクシデント的にハイネから弾け飛んだことによるズレなのね
姉弟での最初で最後の共闘。死亡フラグがすごい・・・


11巻

あ、竜之介ってそんなに自在に他人に託せるのか……
お~ そっか潮まだワンチャンあるんだ…… 因果がどうなってるのかようわからんが。もし潮がシデに殺されずに祭りの夜を迎えたら、影の潮がふたり存在することになる? そうはならないのか。殺されてくれたから、元通りに海から復活できるってわけか。
今度こそ本当に決戦前夜で告白ラッシュ。明日、潮がたぶん復活するために、澪にとって慎平に告白するチャンスはここしかなくなった。なんやかんやでラブロマンスもしっかりループサスペンスに組み込めててすごい
お~すごい、ここにきてちゃんと和歌山の紀淡海峡にある島というマクロな地理を物語に絡めてきた。島の地理情報がさっき(二手に分かれたどちらを救うべきか展開のときに)重要になったのもそうで、たしかに「世界のなかを主人公が動き回るのを俯瞰して描写する」という作者のゲーム観が顕著にあらわれている。


12巻

金髪のスク水少女が化け物相手に暴れ回る。この絵面=コンセプトだけで ”勝ち” な気がしてきた 戦闘美少女フェチの身も蓋もないバージョン
なるほどループリスポーン前提の急襲作戦か。よう考えるわ
「ここは俺に任せて先に行け」展開を律儀にひとりずつやる。先ほどエヴァに言及してたし、たしかにひとりずつ「卒業」するシンエヴァ終盤っぽい
影ミオ、本体よりも人気ありそうだな…… 本物よりもクールでかつ戦闘力があるから必然的に行動を共にする活躍の機会が多く、ツンデレ・クーデレ的な魅力もある  (もしそうだとしたら)姉だけでなく自分の影にも負ける澪、不憫だ……
パワーアップして潮がどんどんウルトラマンみたいになっていく。
連載終盤らしく壮大なハナシになってきた


13巻

竜之介と慎平のBLカプも人気ありそう。一心同体なの強い
うわーマジで戦時中の空襲をクライマックスに引用してくるんか
戦闘機と化け物と金髪スク水少女とかいう昭和の流行歌みたいな組み合わせ
ロリ化するスク水少女
ただ長生きしたいのではなく「エンディングを見たい」から世界を終わらせるというラスボスの願望なかなか面白い。ゲームの「ラスボス」=魔王モチーフとして秀逸だ。ゲームを楽しみたいが、いくら楽しんでも結末に辿り着けないのはゲーマーとして受け入れ難い。ゲームはエンディングまできちんと遊んでこそ、という理念をうまくキャラクターに落とし込んでいる。
なんやかんやで最後の最後には努力友情勝利の情熱がモノをいう漫画。ジャンプ作品なので……
ハイネが竜之介の娘で、黒縁メガネの子はひづるの娘?
うおおお 堂々たるトゥルーエンド!!!


読後

おわり!!!
なかなか面白かった。少年ジャンプらしい王道爽やか熱血バトルファンタジーに、エロゲ的な離島の伝奇要素とタイムリープSF要素を取り入れて、あるていどロジカルさを尊重しながらうまくまとめていた。画も漫画もうまい。
ダレたのは……最終巻の最終決戦くらい? 全13巻で後半に入ってもほとんどダレずに面白い展開を次々に繰り出しててすごかった。後出しの追加情報がめちゃくちゃ多いのは「ゲーム」としてはアンフェアな気もするが、まぁこれはゲームではなく漫画なので……。
離島とスク水が好きなので、好きです(本音)


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