
【企業分析】総合建設大手。建設費高騰の転嫁と利益率改善で8期ぶり過去最高益、鹿島建設
🎯 投資判断:★★★★☆ 中立(様子見)
一言で言うと:
2026年2月12日第3四半期で営業利益+81.6%、売上営業利益率8.2%に改善し、通期純利益1,700億円へ上方修正(8期ぶり過去最高益)。建設費高騰の果実は追加変更契約・改正建設業法の価格転嫁義務化で今年は手に入れた。
来年度は建設投資81兆円で受注は堅調だが、資材価格は上昇基調継続とされ、利益率の伸びが今年同様に続くかは材料次第。
株価6,964円・PER19.5倍・配当132円(増配)で「建設バブル恩恵のピークを織り込むか様子見か」の岐路に立つ銘柄
業績は、
2026年2月12日第3四半期決算:
売上2.14兆円(4-12月累計、+5.9%)
営業利益1,718億円(+81.6%)
経常利益1,671億円(+65.1%)
売上営業利益率8.2%(前年同期6.6%)
通期上方修正:
売上3.03兆円
営業利益2,280億円
経常利益2,260億円
純利益1,700億円(+35.1%)
8期ぶり過去最高益。建築施工順調・土木・建築の利益率向上・追加変更契約が貢献。建設費高騰は改正建設業法で価格転嫁が義務化され追い風。配当132円(112円→20円増)
現在の株価(6,964円)は、
PER19.5倍・PBR2.44倍。配当利回り1.90%(132円÷株価)。建設株としては好業績を織り込んだ水準。来年度の利益率持続性が次の材料。
こんな人におすすめ:
✅ 建設投資拡大と価格転嫁メカニズムを長期で買う人
✅ 配当132円(増配)とインカムを重視する人
✅ 公共・民間建設の受注動向を追う人
向かない人:
❌ 建設費高騰の果実が来年も同じペースで続くと決めつける人
❌ 短期でストップ高のみ狙う人
🏢 この会社、何してる?【30秒で理解】

鹿島建設のビジネスモデルは、土木・建築の総合建設。国内建築が収益の柱。不動産開発・海外も手がける。改正建設業法で資材高騰に伴う請負代金変更・工期変更の協議が義務化され、価格転嫁の環境が整った。
【主な事業内容】
土木事業:
道路・橋梁・ダム等。公共工事が中心。売上総利益率向上が貢献
建築事業:
国内建築が好調。施工順調・進捗率見直しで売上・利益を上方修正
開発・その他:
不動産開発・海外事業。開発事業の収益性向上も寄与
📊 最新の成績表(実績・通期予想)
第3四半期(2026年2月12日発表、4-12月累計):
売上2.14兆円(+5.9%)、営業利益1,718億円(+81.6%)、経常利益1,671億円(+65.1%)
通期予想(上方修正):
売上3.03兆円(+4.1%)、営業利益2,280億円(+50.1%)、経常利益2,260億円(+40.7%)、純利益1,700億円(+35.1%)、配当132円(112円→20円増)
ポイント
建設費高騰の果実:追加変更契約・売上総利益率改善(6.6%→8.2%)。改正建設業法で価格転嫁義務化が追い風
8期ぶり過去最高益。建築施工順調・土木・建築両事業で利益率向上
来年度:建設投資81兆円(30年ぶり大台)で受注堅調。資材価格は日建連データで上昇基調継続とされ、利益率の伸びが今年同様に続くかは要確認
📈 現状の需給分析
需給バランス:上昇トレンド

分析結果
PER19.5倍と上昇トレンド。好業績・増配で買いが入る一方、来年度の利益率持続性への警戒も。
📊 株価チャート・形状・最近の動き
直近株価:6,964円
テクニカル分析 トレンド上昇
形状:
トレンド上昇。好決算で材料出そろう。25日MA・75日MAで押し目・利確を判断。
25日移動平均線(約6,782円水準):
短期的なサポート。6,782円割れで利確が増える可能性
75日移動平均線(約6,098円水準):
中期的な支持。6,098円割れで下落加速のリスク
評価:
トレンド上昇。好業績・増配を織り込み済みの可能性。押し目(6,782円前後)で積み立てるか、来年度の利益率見通しを確認してから判断。
💡 適正株価の見立て・妥当性評価
現在の株価6,964円を基準に、業績成長と増配余力を加味したターゲット設定
バリュエーションの前提
予想EPS(1株利益):358円
予想BPS(1株純資産):約2,857円
予想配当:132円
現状評価:PER 19.5倍 / PBR 2.44倍 / 配当利回り 1.90%
適正株価レンジ
下限レンジ:5,793円〜6,098円
根拠:75日MA(約6,098円)を目安に押し目買いの候補。建設株のサイクルを織り込んだ下値目安
上限レンジ:6,782円〜7,799円
根拠:
好業績・過去最高益期待を織り込んだ水準。PER・PBRで過熱感を確認
配当利回りが2%を切る水準は過熱。利確の候補
買い判断・戦略
エントリー戦略:
押し目(6,782円前後)で積み立てるか、来年度見通し(建設費・利益率)が出てから判断。利益確定ポイント:
長期保有なら利回り低下やPER過熱で一部利確検討。来年度利益率の鈍化が鮮明なら評価見直し。
🧭 今後のシナリオ予想
📅 次回決算:(2026年5月頃):
2026年3月期通期実績と2027年3月期見通し。建設費・利益率の持続性が焦点📅 中期:
建設投資81兆円(2026年度)の受注配分と、資材価格上昇基調下での利益率維持📅長期:
改正建設業法による価格転嫁の定着と、公共・民間建設のサイクル
📋 最終判断シート
成長性 ★★★★☆
売上+5.9%・営業+81.6%。建設費転嫁と利益率改善が効いた
収益性 ★★★★☆
売上営業利益率8.2%(前年6.6%)。追加変更契約・原価低減が貢献
安全性 ★★★☆☆
技能労働者不足・資材納期遅延はリスク。改正法で転嫁環境は改善
株主還元 ★★★★☆
配当132円(112円→20円増)。好業績を反映した増配
バリュエーション ★★★☆☆
PER19.5倍・PBR2.44倍。好業績織り込み済みの水準。来年度の持続性が鍵
モメンタム ★★★☆☆
トレンド上昇。好決算で材料出そろうが、来年は不確実性あり
総合 ★★★★☆
🎯 結論
株価6,964円はPER19.5倍・PBR2.44倍。建設費高騰の果実は今年は手に入れ、8期ぶり過去最高益。来年度は建設投資81兆円で受注は堅調だが、利益率の伸びが今年同様かは資材価格・転嫁の行方次第。押し目で積み立てるか、2027年3月期見通しが出てから判断する戦略が無難だ。