高校生活、最悪の幕開け
平穏に過ごしたい
泣かずに、1日を終えたい
泣き虫な私の、ささやかな願い事
「こいつ中学の時、いじめられてた奴だから」
この言葉で、私の高校生活は始まった
高校に入って、まだ3日目だった
同じ中学からきた生徒は6人いた
私と長谷川(仮名)は、Eクラスだった
昔は仲が良かったはずの長谷川
長谷川は、中学の時野球部だった
高校でも、初日からクラスの野球部の陽キャグループに混ざっていた
そして
私がいじめられっ子だと、教室で暴露された
長谷川はだいぶヤンチャなやつ
耳たぶには500円玉よりも大きな穴が空いている
クラスに馴染む前に、
私は国語の教師の声真似をやらされた
「早く掃除ー」という国語教師の声真似
声真似なんてしたくない
でも、呼ばれたら断れないから声真似をする
あまりの似てなさに、みんな爆笑していた
私は笑ったふりをしていた
数学の教師の声真似をした時は、
タイミング悪く数学の教師が教室に入ってきて目があった
見開いた目でこっちを見られた
クラスの遊び道具にされていた私
『長谷川さえいなければ、
こんな生活にはならなかったのに』
そう思いながら、
新しい高校生活のスタートを切った
長谷川さえいなければ
私のこの願いは、叶ってしまった
たったの3ヶ月で
1学期を終えることもなく、
長谷川は退学処分となった
理由は誰も知らない
「長谷川は退学となったので、
もう来ることはありません」
朝のホームルームで、担任からそう聞いた
長谷川には悪い噂も多かった
中学の時から、
悪い先輩とつるんでいるのは知っていた
昔は仲が良かったと書いたが、
小学生の頃はお互いの家に行っては遊んでいた
長谷川の家でデジモン
私の家でクラッシュバンディクー
長谷川が退学したと知って、
私は安心した気持ちと、悲しい気持ちも少しあった
長谷川のお父さんと弟は、とても優しい人だから
それでも、私と長谷川の関係は3ヶ月で終わった
クラスの野球部に呼ばれることも無くなった
私は、ようやく休み時間に休めるようになった
しばらくしてから、
隣のDクラスにいた同じ中学出身の翔(仮名)が
こちらのクラスに顔を出すようになった
翔とは、
中学生の頃同じクラスになったことがない
なので、あまり話したことがない
翔は、部活の仲間に会いにきていた
同じ中学出身の私を見つけて、
「長谷川3ヶ月ってバカかよ」と言われた
「あ、サブ(私のあだ名)弓道部入らない?」
「弓道部、入りたかったけど先輩に声をかけれなかった」
「お前もバカじゃん、今から行く?」
私は、翔に誘われて弓道部へと入部した
翔と一緒にインターハイに行くのは
ここから2年後の話
