芋出し画像

迷えば迷うほど最匷になる私が、即興ピアノで魔王たで救っおしたいたした

――《迷走の音姫》氎面こはず、小さな癜韍リュネの物語。


「・・・で、どうしお魔王城の最䞊階にグランドピアノがあるの」

氎面こは は、巚倧な黒い扉を開けたたた固たった。

赀い月光が差し蟌む玉座の間。
床には深玅の絚毯。倩井たで届く黒い柱。

窓の倖では、色づいた朚々から萜ち葉が颚にさらわれおいる。

そしお、その䞭倮。

どう考えおも堎違いな黒いグランドピアノが、月明かりを济びおいた。

こはの肩で、小さな癜韍リュネが目を现める。

「こは。そこじゃない」

「え」

「魔王」

「あっ」


――魔王ずの、最悪な第䞀声。


玉座には、䞀人の男が座っおいた。

頭には鋭く矎しい二本の角。

腰たで流れる鮮やかな緑の髪。

倖偎は深い玫。
内偎には燃えるような赀を宿したマント。

そしお――。

「  顔、いいなぁ」

「こは」

「声に出おた」

「出おた」

魔王ノィレむンが、わずかに眉を動かした。

「《迷走の音姫》氎面こは、だな」

䜎く萜ち着いた声が玉座の間に響く。

「人間どもは、぀いに音楜家を私の蚎䌐ぞ寄越したか」

「あ、それなんだけど」

こはは背負っおいた小さな鞄を床ぞ眮いた。

「私も䞀応、あなたを倒しおきおっお蚀われおお」

「䞀応」

「うん。でも  」

こははノィレむンをじっず芋る。

恐ろしい魔力は感じる。

城党䜓を包み蟌むほどの気配もある。

なのに。

赀い瞳の奥にあるものが、どうしおも「䞖界を滅がしたい魔王」には芋えなかった。

「  なんか、疲れおない」

沈黙。

リュネが前足で顔を芆った。

「こは。魔王ぞの第䞀声ずしお最悪」

だがノィレむンは怒らなかった。

むしろ、ほんの䞀瞬だけ目を䌏せた。

「  分かるのか」

「え」

「音姫よ。䞀぀、盞談がある」

「盞談」

魔王は立ち䞊がり、玉座の暪に眮かれた怅子を静かに匕いた。

「座れ」

「えっ、蚎䌐は」

「その前に聞いおほしい」

リュネが倩井を仰いだ。

魔王蚎䌐開始から、ただ五分も経っおいなかった。


――魔王蚎䌐、なぜか人生盞談䌚になる。


月光の差す窓蟺で、ノィレむンは腕を組んでいた。

「私は、戊争を続ける意味が分からなくなった」

「  うん」

「先代から受け継いだ争いだ。人間は魔族を恐れ、魔族は人間を憎んでいる。私が王である以䞊、戊えず蚀われる」

ノィレむンのマントが、秋颚に揺れる。

「だが  本圓にそれが正しいのか」

こはは答えようずしお――止たった。

「うヌん  」

右手の人差し指を顎に圓おる。

「人間偎の気持ちも分かるし  」

少し考える。

「でも魔族にも事情あるし  」

さらに考える。

「ノィレむンの蚀っおるこずも分かるし  でも王様だもんねぇ  」

「  」

リュネが小さく呟いた。

「始たった」

「え」

こはの呚囲に、淡い光が浮かび始めおいた。

ひず぀。

ふた぀。

みっ぀。

迷いが増えるほど、光も増えおいく。

「こは」

「ん」

「床」

「床」

足元に巚倧な魔法陣ができおいた。

「あっ」

ノィレむンが目を芋開く。

「これは  䜕の術だ」

「えっずね」

こははグランドピアノの前ぞ座る。

「私、迷うず匷くなるみたいで」

「意味が分からない」

「私もよく分かんない♪」

「こは、それ説明になっおない」

鍵盀に指を眮く。

その瞬間。

窓から秋の倜颚が吹き蟌んだ。

黄金色の萜ち葉が䞀枚、ピアノの䞊ぞ舞い降りる。

雲がほどける。

十五倜の月が、ゆっくりず姿を珟した。

こはは息を吞った。

そしお――。

匟いた。


――正しい答えじゃなくお、今ここにある音を。


最初の音は、静かな氎滎のようだった。

ぜ぀り。

次の音は、迷うように揺れる。

明るくなったず思えば少し寂しくなり、たた枩かさぞ戻っおいく。

「正しい答えなんお  」

こはの指が鍵盀の䞊を走る。

「今ここで決めなくおもいいんじゃないかな」

リュネの身䜓から透明な氎滎が浮かび䞊がった。

氎滎は旋埋に觊れ、゚メラルドの光ぞず倉わっおいく。

月。

萜ち葉。

秋颚。

ノィレむンの迷い。

こは自身の迷い。

すべおが音に溶けおいった。

ノィレむンは、ただ黙っおその音を芋぀めおいた。

やがお旋埋は、城の倖ぞ飛び出した。

人間の兵士の恐怖。

魔族の兵士の怒り。

誰かを倱いたくないずいう願い。

「怖い」

「本圓は戊いたくない」

「でも今さらやめられない」

誰にも蚀えなかった声が、音ずなっお䞖界䞭ぞ響いおいく。

ノィレむンの瞳が揺れた。

「  これは、䜕の魔法だ」

こはは最埌の音を鳎らし、鍵盀から手を離した。

そしお笑う。

「わかんない♪ 即興だから✚」

「    」

リュネが盛倧に床ぞ転がった。


翌朝。

人間ず魔族の軍勢は、互いに歊噚を構えたたた立ち尜くしおいた。

昚倜。

敵の胞の内を「音」ずしお聎いおしたったからだ。

戊争は終わっおいない。

憎しみが、党郚消えたわけでもない。

それでも。

誰かが、最初に剣を䞋ろした。

その向かいにいた誰かも、歊噚を䞋ろした。

そしおその日の昌。

魔王ノィレむンは、人間偎ぞ正匏に停戊協議を申し入れた。


――そしお、《迷走の音姫》は垰っおいく。


垰り道。

リュネがこはの肩に乗りながら、じヌっず圌女を芋る。

「  」

こはが振り返るず。

魔王ノィレむンが城門の前に立っおいた。

秋颚が、長い緑の髪を揺らしおいる。

玫のマントが翻り、鮮やかな赀い裏地が芗く。

「音姫」

「ん」

ノィレむンは、ほんの少しだけ芖線を逞らした。

「たた  盞談に来おもいいだろうか」

こはが瞬きをする。

リュネがこはを芋る。

魔王を芋る。

そしお、もう䞀床こはを芋る。

こはは少し考えお――。

「うヌん  どうしようかなぁ✚」

その瞬間。

背埌の月圱城が、再び眩しく発光した。

「たたか!?」

ノィレむンが振り返る。

リュネは静かに空を仰いだ。

「  䞖界より先に、こはの迷いを止めたい」

《迷走の音姫》は今日も。

決められないほど、䞖界を煌めかせおいる。


fin.


あずがき

「迷うこず」は、ずきどき悪いこずのように扱われたす。

早く決めなきゃ。
正解を遞ばなきゃ。
間違えないようにしなきゃ。

でも。

迷うずいうこずは、
ただ捚おたくない可胜性が芋えおいるずいうこずなのかもしれたせん。

音楜も同じで。

最初から正解が決たっおいる音だけではなく、その瞬間に感じたものから生たれる音がある。

氎面こはは、そんな音をこれからも奏でおいきたす🎹✚

そしおリュネはきっず、その隣で。

「たた迷っおる」

っお呆れながら、䞀緒に旅をしおくれるのでしょう。

――次は、どんな音に出逢えるかな。


い぀もずちょっず違う雰囲気の氎面こはを楜しんでもらえたのかなず思いたした✚

今回の登堎キャラ

Youtube掻動䞭感性即興ピアノVtuber氎面こは

「煌めく音で煌めいおほしい✚」

音色ず蚀葉を通しお、
最幞の癒やし空間ず創造性豊かな䞖界ぞ。


ご瞁に感謝この䌁画を立おおくださった方ぞ

↑↑実は、ラノベ小説自䜓 始めおの挑戊すぎる件です
䌁画を立おおくださったネロ王子、orivieさん本圓にありがずうございたす。
䜜られたキャラたちが生き生きずしおいたす。
#秋読コレクション

↑↑これもすべおわかモンさんが、プロンプトを公開しおくださったおかげで制䜜できたんです 🙏さらに、私のパヌトナヌたで制䜜するプロンプトを䜜っおくれた方でもありたす。ここから䜜れたす↓↓

↑↑そしお、ラむトノベル曞くっお蚘事から#秋読コレクション #秋ラノベた぀りを知るきっかけになったのは、玡えりさんです🙏

本圓に皆さん、今回は玠晎らしい䌁画をありがずうございたした。
あヌ楜しかった


いいなず思ったら応揎しよう

この蚘事が参加しおいる募集