メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo byamina_ace7

詩みたいな【永遠】#シロクマ文芸部『晴れた日に』

    ikue.m

    小牧幸助さんの企画「晴れた日に」に参加させていただきます☆

    お題「晴れた日に」から始まる物語

    【永遠】(398文字)


    『晴れた日に永遠が見える』という映画があった。
    でも内容は知らない。
    タイトルが素敵すぎるから。
    タイトルに比して内容が魅力的でないとがっかりしてしまう。
    なにごともバランスだ。


    永遠が見えそうな青空の日に散歩に出た。
    樹々がいつもよりクッキリと見える。
    まるで永遠に在るかのように。
    でもほんとうに?
    私は疑いながら一枚の葉にふれる。
    手触りはある。
    でも
    数か月して枯れ落ちて土に還れば跡形もない。


    そして私もまた、数十年もすれば跡形もない。


    私たちが跡形もなく消えた後、青空はあるのだろうか。
    想像してみる。
    ふふふ……
    私はうれしくなる。
    心が軽くなったらお腹も軽くなって、鯛焼きを買う。
    鯛焼きだって食べてしまえば跡形もない。


    『何ひとつ永遠なんてなく、いつか
     すべて塵にかえるのだから、世界はうつくしいと。』
    大好きな詩人、長田弘はそう書いた。


    鯛焼きの熱が、冷たい私の手を温める。
    なにごともバランスだ。
    世界はうつくしいのだから。




    © 2026/3/7  ikue.m


    ※『世界はうつくしいと』長田弘 みすず書房
     (最近、ハルキ文庫から文庫版もでました)




     
     
     

    ikue.m

     
     
    ごく短いお話や、詩のようなものを書いています。 お題に沿って書く時、1つの単語から何が生まれてくるのかは自分でもわかりません。 自分で作った宝箱を自分で開けて楽しんでる感じです。 週イチくらいでこつこつ更新中ですので、読んでいただければうれしいです☆

    あなたへのおすすめ